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ビッグモータータイヤ保険詐欺(追記)

2023-05-11 | 事故と事件
ビッグモータータイヤ保険詐欺(追記)
 4/26記事で「ビックモータ-」の新たな内部告発として、タイヤ保険(1本でもタイヤ破損すると4本のタイヤ交換が保障される)を利用した、故意にパンクを作るという詐欺手法が報道されていることを知ったのだが若干補足をしておきたい。元損害調査員たる私としては、タイヤ単独損害の場合、車両保険では対象外損害だからして、他の車両損害に付随して、タイヤ損害も作っていたのかと想像していたのだが、別途の1本でもタイヤの損害が生じると4本のタイヤ交換が保障されるというタイヤ保障専門保険が、既にある保険会社で販売されているそうなのだ。

 こういうことで、先の記事で報じられたビッグモーターの故意にタイヤをパンクさせる損害拡大記事は、このタイヤ保障保険を利用した保険金詐欺と云うことになりそうだ。なお、当該ビッグモーターでは、同保険の取り扱いを既に中止していると云う。

 ただ、元損害調査員として思うに、本来タイヤのパンクは不可抗力というべき偶然外来性により生じるのだが、タイヤ自体が消耗品であるという性格を持ち、今回の様な作為的な事故を招きかねないという事情から、タイヤ単独損害については、一般の車両保険から除外されてきたと思える。今回の代理店および特定損保によるタイヤ専門保険の創設は、その様な視点で今回は「ビッグモーター」のこととして取り上げられているのだが、その他の車両関連企業でも同様に故意事故が捏造されている可能性を示唆させるとも感じるところだ。

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 このタイヤ保障保険の販売会社は、「ゼアーウインサービス(株)」という保険販売代理店企業と、中古車およびディーラーや修理工場を営む名古屋本社の「ネクステージ(株)」、そして保険引受会社は「あいおいニッセイ同和損害保険」の3社が協同で開発し販売している保険の様だ。以下関連の内容をピックアップしておく。

ゼアーウィンスリーサービス株式会社
 ゼアーウィンスリーサービス株式会社は、損害保険を取り扱う保険代理店である。主に、タイヤ代自己負担0円で同クラスの新品タイヤ4本へ交換ができる「タイヤパンク保証サービス」を取り扱っている。主要取引先はあいおいニッセイ同和損害保険株式会社、株式会社カーセブンディベロプメント、株式会社ネクステージ。

2016/03.01 Tue.PRESS RELEASE
パンク保証事業開始
株式会社ネクステージ、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社と共同で、業界従来のパンク保証を一新した「1本のパンクで最大4本すべてを交換できる」タイヤパンク保証事業をスタートいたしました。

2021/05.14 Fri.INFORMATION
タイヤパンク保証サービス「ARMAJIRO」登録顧客数1,500,000名達成のお知らせ
1,000,000件達成から約1年で登録顧客数1,500,000件を達成いたしました。
今後も一層の努力を重ね、みなさまのご期待にお応えしていく所存でございます。
引き続き、ご支援ご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

2021/11.25 Thu.
日刊自動車新聞に記事掲載
日刊自動車新聞にタイヤパンク保証に関する記事が掲載されました。 2021年11月25日 11面


【関連記事】
ここまでやるか、「ビックモーター」保険金不正請求事件
2023-04-29 | コラム
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/806caae6fe60cf97b82aec4c2b49a21c


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1 コメント

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Unknown (sugarsugar)
2023-07-26 17:20:03
タイヤ&ホイール専門店 フ◯・コーポレーションでも、2018年頃からタイヤパンク保証サービスを開始し、保険代理店はゼアーウィンスリーサービス(株)でした。
タイヤ購入時にタイヤの金額に応じて有料の保険に加入していただくことで、2年間保証するというものです。
(ただし残溝が4mm以上残っていなければならなかったと記憶しています。)
1本パンクすれば4本新品に交換となるため、実質一台の車両に8本タイヤを販売したことと同様になり、売上に大きく影響します。
毎週のようにパンク保証の成約率が回覧され、成約率の低い店舗や社員はプレッシャーをかけられます。
(成約率90%を下回る店舗、社員のいる店舗責任者は叱責されます。)
その為、故意にパンクをさせる行為は実際に行われておりました。
また、釘やネジが刺さっている写真を数枚メールすればいいだけなので、実際にはパンクしていなくても、あたかもパンクしているかのように見える写真の撮り方を、お客さんへレクチャーしている社員もおりました。
お客さんもタイヤが4本新しくなり喜んでくれるので、あまり悪いことをしているという実感はないのかもしれません。
今回のビッグモーターの件も、社員はプレッシャーをかけられ、やらざるを得なかったのだろうと推察します。
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