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 私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

平板ガラス多用の理由は?

2016-01-02 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 最近のクルマにおいて、急傾斜フロントガラスが流行であるが、それと共にガラス自体が幾らかの曲面を持つとはいうものの平板化していることに気づかされます。これが、幾ら外板やランプ類をリ・デザインしても、何か物足りなく思わせている理由の一つにも感じられるのです。

 旧車となりますが、トヨタ2000GTとか、ランチア・ストラトスなど、大きくラウンドしたフロントウインドウが、やはり目立つものでした。

 このガラスの平板化の理由として、勝手な想像ですが幾つか上げてみます。

①左右ピラー間の結合剛性を強化したいこと
 たぶんこれが一番大きな理由と推察しますが、車体のメインバルクヘッドとなるべきダッシュパネル&カウルパネルの強度を上げたいというのが、対オフセットバリア試験対応として求められるのでしょう。その中で、カウル上部の閉団面メンバーの比強度の高めるため、なるべく直線化したいということでしょう。

②フロント(A)ピラーをくびれのない直線化したいこと
 フロントピラーは垂直なヒンジピラー部に対し、ガラス部は傾斜しているので、まったくの直線化はできません。しかし、ラウンドさせるデザインを取り入れると、ヒンジピラーとガラス部とで食い違い、くびれ状の部位を作ることになります。いわゆる段面形状の変化部位が大きくなる訳で、対オフセットバリア試験でのキャビン剛性が低下するのを怖れるのでしょう。

③ガラスのコストを下げたいこと
 近年ガラスは薄板化されつつあるが、それと共にフロントウインドでは、視界中の歪み(主に板厚の不均一から生じると想像される)が少ないことが求められます。そこで、ラウンドタイプより平板化した方が、均一な板厚に仕上げ易く、サプライヤーにコストダウンを要求できると想像されます。
 ところで、最近の平板フロントウインドでも、運転席から左斜め前方を透かして見ると、結構歪みが目立つ個体は多いものです。

 と、勝手な想像をするのですが、平板フロントガラスは右ピラーが視界の中に大きく入り込み、特に右折時や右タイトコーナーでの視界を損なうという大きな欠点があると感じています。そして、車体デザインとしての自由度を奪うものだとも感じるのです。



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