米国でのスパイア摘発における続報ですが、相手国のロシアと双方の拘留中のスパイを交換することになったとのことです。米国で暗躍していたロシア側スパイの存在も驚きますが、既に拘留中の米国側スパイが居たと云うことにも驚くことです。やはり、一見平和が続く国家間においても、正に秘密裏のスパイ戦が展開され続けているのです。
摘発されたスパイは、国内法に基づいて拘留されるのが普通のことですが、今回のスパイ交換の様に拘留を免れるのであれば、スパイ本人にとってはありがたいことなのかもしれません。
ところで、スパイ行為を行ったとして特定されても、外交官の様に不逮捕特権を持っている者ですと逮捕することはできません。この様な場合は、スパイされた方の国は、相手国に対しペルソナ・ノン・グラータ(ラテン語:好ましからざる人物の意)として、「どうぞお引き取り下さい」と通告することとなります。
しかし、以前「ハニートラップ」でも記しましたが、我が国の様にカウンターインテリジェンスが甘いと思われる国では、国防や国家政策から産業的な機密について、表に出ていないだけで、かなり好き放題に料理されているのかもしれません。
産業機密について云えば、昔の話となりますが、イギリスとフランスが共同開発したコンコルドという超音速旅客機がありました。この登場のほぼ同時期、当時のソ連から外観的のは極めて酷似する機体を持ったツポレフTu-144というものが登場しましたが、これも産業スパイが暗躍していた故と聞きます。我が国の産業においては、今後益々のこと製造という面より、最先端の設計・開発という知の集約が求められざるを得ないと思います。この様な中、恐れるべきは国内同業社の産業スパイだけでなく、他国の産業スパイの様にも感じられます。
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