私の思いと技術的覚え書き

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半導体政府支援はムダ(TSMC日本工場)

2022-01-11 | コラム
半導体政府支援はムダ(TSMC日本工場)
 TSMCが九州熊本に工場を作ることについて、論評記事があったので書き留めてみたい。
 正直、かつての「電離立国」として、20年前は世界の半導体市場の8割程度を占有していた日本のシェアだが、今やIGBTとかのパワー半導体と画像素子に強みを見せる程度になってしまい、その凋落ぶりは酷いものだ。その様な観点で、あの夢をもう一度という思いもあったのだが、TSMCが日本で作るのは28nmプロセスルール(回路線幅)だという。これでは、とてもじゃないが、付加価値を持った先端商品は生まれるべくもないだろう。

 かくいう筆者も、メインPCに既に10年使用しているインテルi7(860)のプロセスルールは45nmという、今や相当見劣りするテクノロジーになってしまっており、昨年後半辺りから次期PCに買い替えたいという思いは強まっている。そんな中、インテルに対向するAMDでは5nmプロセスのRyzen7000シリーズCPUを今年後半にはリリースすると先日知ったところだ。と云うところで、この5nmを追い掛けるか、これを基に世代前のCPUのコスパが上がることを含めて考えて行きたいと思っているところだ。

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半導体への巨額支援は失敗する
<台湾のTSMCとソニーが熊本に作る半導体工場に日本政府は日の丸半導体復活の夢を懸けるが、4000億円の補助金は無駄になる可能性が高い。世界の半導体産業を見渡すと、補助金は輸出の際に相殺関税を課されかねず、国内供給に限れば成功は見込めないからだ>
 2021年12月に日本の国会で、日本国内での半導体工場の建設に対して政府から設備投資の半分までを補助する法案が可決された。これに先立ち、台湾積体電路製造(TSMC)がソニーと共同で熊本県に大型の半導体工場を建設する計画を発表しており、この法律が成立したことで、日本政府はこの新工場に4000億円程度を補助するとみられている。【丸川知雄(東京大学社会科学研究所教授)】
 
この補助計画に対しては、半導体産業の専門家から「TSMCの熊本工場で作られるのは、デザインルール(回路線幅)が28ナノメートルという10年前の技術のものにすぎない。5ナノメートルの半導体の量産が始まっている現状では、これで日本の半導体産業が復活するはずもない」との批判の声が上がっていた。

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AMD、Socket AM5と5nmに進化した「Zen 4」こと「Ryzen 7000」
2022年1月5日 00:43
 Ryzen 7000ではSocket AM5が採用される(出典:AMD Ryzen Processors 2022 Product Premiere Preview
 AMDは1月3日(現地時間、日本時間は1月4日)より米国ラスベガス市で開幕している世界最大のデジタル家電展示会「CES」に併せて「AMD 2022 Product Premiere」と呼ばれるイベントをオンラインで開催。Zen 4の開発コードネームで開発を行なってきたCPUコアを搭載したデスクトップPC向けのRyzen 7000シリーズプロセッサを今年後半に投入することを明らかにした。


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