私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

マツダ787Bのこと

2016-07-24 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 1991年、ル・マンにおいて、日本車初の総合優勝を遂げたレーシングマシンだ。エンジンは、マツダお得意(というか唯一)のロータリーエンジン、しかも4ローターという構成だ。サイドハウジング、ローターハウジングが積み木の様に9枚も積層されたエンジンだ。通常レシプロでのクランクシャフトに相当するエキセントリックシャフトも長大となり、捻り剛性上も課題はあっただろう。そして、すべてのハウジングを締結するスルーボルトも長大なものとなり、軸径のサイズアップはしているのだろうが、トルク管理と気密保持に難点があったことを想像させる。

 ローターハウジングのまゆ型形状は、13Bエンジンと同一とのこと。単室容量654cc×4で2,600cc相当の総排気量だ。燃焼室が扁平で長く、しかも移動するというロータリーエンジンは、市販車でもツインプラグが採用されているが、このエンジンではトリプルプラグとなっている。火炎伝播速度による回転限界を引き上げようという意図なんだろうと想像する。この年代でも、吸気系は電子制御燃料噴射(ポート噴射)だが、トルクバンドを広げるため吸気トランペットの管長を可変にする機構が取り入れられている。最高回転は9千rpmらしいが、3LクラスのV12やV8エンジンと比べると、比較的長い管長だ。それだけ吸気脈動の周波数が低いということだろう。

 wikの記述で知るが、車体はカーボンモノコックとのこと。但し、樹脂はエポキシだろうが、オートクレーブで加温加圧した、いわゆるドライではないウェットだったのではと想像する。(フェラーリもF40までウェットカーボン)

 最期に、マツダというメーカーだが、私見としてはクルマはお世事にも評価していないが、たいして儲からない(絶対販売台数が少ない)スポーツカーを作り続けてきたことは多いに評価したい。そして、ロードスターNA(MX5ミアータ)では、世界のクルマメーカーに、ささやかな影響を与えたものと思う。それは、MGB以来忘れ去られたいた、スピリットの再評価なんだろう。そして、昨年モデルチェンジしたNDは、とうとうというべきかアルファがモノコックをマツダから購入して、新しいスパイダーを久方ぶりに発売を始めた。





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