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 私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

北海道・白老町の国道で小型トラックと大型トレーラーが正面衝突2人死亡

2020-08-31 | 事故と事件
 事故が多い。旧来から北海道は高速道は決して多い訳ではないが、一般道でもともかく大損傷する、すなわち高速で衝突する事故が多い。本土のごみごみとした環境と異なり、都市間を結ぶ幹線路など、直線が多く猥雑な狭路が少なく平均速度がともかく高いことがあるのだろう。

 今回の事故は、小型トラックと、対向してきた大型トレーラーの正面衝突事故だ。しかし、小型トラックの損傷状態は、これぞ「めちゃめちゃ」という表現にふさわしい、正に超大破の正体だ。切り取った画像の解像度が粗く判り難いが、車名も判然としないが、どうやら1トンクラス(たぶん定積750kg積)の小型トラックだ。シングルキャブに見えるが、写真各所からダブルキャブタイプであったことが判る。

 左側面を写した写真を見て欲しい。鳥居アングルが後傾しているが、事故の瞬間、ここに至るまで運転台(キャブ)は後退かつフレーム全体が上開きくの字に変形したのだと云うことが読み取れる。この運転台の変形損傷状態では、エアバッグやシートベルトなどのパッシブセーフティ装置がどんなにあろうが、生存し得る余地はあり得ないだろう。

 下記の記事では記していないが、別のNet記事では、小型トラック側から見て、左カーブだという。

 この事故では、双方車の内、どちらかがセンターラインオーバーしていたのだろうと考えられる。この内、小型トラックがスピードオーバーして、曲がりきれずセンターオーバーしたと安易に考えるのは危険だ。それを主張するなら、大型トレーラーの方が、速度超過していて、よりカーブ曲率を緩やかにしようと、道路幅員を一杯に使おうと図り(アウトインアウト)、カーブ内側に入っていた可能性も検討しなければならないだろう。

 事故車の停止位置はどうか。小型トラックは、写真からは相手車線側で停止している様に見える。一方大型トレーラーは、どの位置か不明確であるが、路外逸脱して林の中に突っ込んでいる様だ。しかし、これも事故後の停止位置をもって、衝突位置を判断することはできない。今回の様に、車両重量が大幅に格差のある車両同士の正面衝突事故では、運動エネルギーの大きい側が、小さい側を押し返してしまうことを考察しなければならないだろう。今回の事故では、小型トラックの停止位置前方の路面を観察しつつ、衝突した瞬間に車体変形により、変形した車体が路面を擦過している痕跡がないか、タイヤの回転方向でなく横にスキッドさせた痕跡はどうか、飛散物の散乱状況はどうかなどなど、観察記録しなければならないし、警察の実況見分調書では、その様なことを加味して行われることになっているのだが、果たされているだろうか。過去のさまざまな事故では、一方が死亡する事故では生じがちであるが、死人に口なしで、存命者の証言だけを元に、実況見分調書が作り上げられ、まったく逆転した結論が導かれてしまう事故というのが現実にあるのだ。





 その最たる実例が、高知白バイ事件だろう。目撃者が多数いてさえ、事実がねじ曲げられ、最高裁却下で収監されてしまう恐ろしいことが現実にあるのだ。

憂い忘れまじき”高知白バイ事故” 2018-06-23
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/8ceb2a0290e2778f5acafbd74d74b403
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トレーラーと正面衝突 2人死亡 08月31日 11時12分 NHK北海道WEB
 31日朝早く、白老町の国道でトラックと大型トレーラーが衝突する事故があり、警察によりますとトラックに乗っていた20代とみられる男性2人が死亡しました。警察はどちらかの車が対向車線にはみ出して正面衝突したとみて調べています。
 31日午前5時半ごろ、白老町虎杖浜の国道36号線でトラックと大型トレーラーが衝突しているのを通りかかった人が見つけて警察に通報しました。
この事故でトラックは前の部分がめちゃくちゃに壊れ、大型トレーラーは衝突の弾みで道路脇のやぶに突っ込んで止まりました。
 警察によりますと、双方の車の合わせて3人が病院に運ばれましたが、このうちトラックに乗っていた20代とみられる男性2人が全身を強く打って死亡しました。
また、トレーラーの38歳の男性運転手も手足を打つけがをして手当てを受けています。
現場は片側2車線の緩やかなカーブで中央分離帯などはなく、警察はどちらかの車が対向車線にはみ出して正面衝突したとみて調べるとともに、死亡した2人の身元の確認を進めています。

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