走行中のクルマで、速度40km/h以上など、一定速を超えると「ヒュー、ヒョルヒュル」などの風音(風切り音や吸出し音とも呼ばれる)が気になる場合がある。この解消には、事例にもよるが、結構苦労する場合もある。
本現象は昔から時々経験してきた。サッシュレスドアにおいて、ガラスとウェザストリップの密着不良により生じているという単純なものが多い。しかし、ボデー系のモールディングやランプなど艤装部品とボデーとの僅かな隙間が本来シールなどにより塞がれているのが、適度な隙間が生じて発音している場合も多いのだ。トラブルシュートは、発音が生じていると思われる付近の外面を微細に観察し、そんな隙間がないかを点検してみることであろう。そして、その確認のため、もしくは原因を特定する手段の一つとして、疑わしい箇所周辺をテープでマスクして、走行テストを行うのも、一定のスキルある整備者なら、既知のこととして行っているであろう。
過去の実際例としては、以下のような事例が思い出される。
①フロントウインドアッパーモールの一部浮き上がりにより隙間が生じていたもの。シーリング材を充填して解消する。
②ヘッドランプガーニッシュとフロントフェンダー間に、本来は隙間を塞ぐ樹脂スペーサーがあるのが外れて隙間を生じていたもの。ブチルテープを挟んで塞ぎ解消する。
今回体験したのは、車齢20年近くになる100系ハイエースワゴンであった。ある企業における送迎用に複数の運転者により使われているクルマだ。たまたま業務の都合上、何度か運転する機会があり、乗る都度、気になる音だなぁと思っていた次第だ。そこで、先の外見観察と共に、疑わしい各所にテープマスクして走行するが効果がない。音源は前部の左側と思えるが、上下の位置は今一つ判らない。前部にサンルーフ付きなので、外観のシーリング観察と共に、走行中に押し上げて音の変化を確かめるが変化はない様だ。こうなると、左ヘッドランプを外し、その裏側のパネリング系の合わせ目などを確認するしかないなと次手段を決めていたのだ。しかし、常時使っているクルマだし、当方の社業の都合もあり、そのまま放置状態が続いたのだ。それが、近日、同社の右ヘッドランプに水が入るというトラブルが生じ、この修理のためヘッドランプを外したのだ。近代のヘッドランプは、レンズ(ポリカ)やハウジング(PP)共に樹脂製であり、接着もしくは溶着接合されて防塵・防水しているのだが、老朽化すると漏水する事例は多い。ヘッドライトを外し、接合部の裏面の上側部をシーリング処理した。そして、この機会にと左ヘッドランプを外し、裏面ボデー側を観察した瞬間、風音の原因は直ちに判明したのだ。つまり、ダッシュパネルの穴を塞ぐグロメットが付いていない状態であったという極めて単純なものだ。修正はガムテープで塞ぎ完了だが、何故こんなことが生じたのか?バンパーの脱着形跡や左Aピラー付近の板金形跡などから、板金整備の際か、クーリングユニット関係の整備でも行った際、該当グロメットを外し付け忘れていたという間抜けなものなのであろう。
本現象は昔から時々経験してきた。サッシュレスドアにおいて、ガラスとウェザストリップの密着不良により生じているという単純なものが多い。しかし、ボデー系のモールディングやランプなど艤装部品とボデーとの僅かな隙間が本来シールなどにより塞がれているのが、適度な隙間が生じて発音している場合も多いのだ。トラブルシュートは、発音が生じていると思われる付近の外面を微細に観察し、そんな隙間がないかを点検してみることであろう。そして、その確認のため、もしくは原因を特定する手段の一つとして、疑わしい箇所周辺をテープでマスクして、走行テストを行うのも、一定のスキルある整備者なら、既知のこととして行っているであろう。
過去の実際例としては、以下のような事例が思い出される。
①フロントウインドアッパーモールの一部浮き上がりにより隙間が生じていたもの。シーリング材を充填して解消する。
②ヘッドランプガーニッシュとフロントフェンダー間に、本来は隙間を塞ぐ樹脂スペーサーがあるのが外れて隙間を生じていたもの。ブチルテープを挟んで塞ぎ解消する。
今回体験したのは、車齢20年近くになる100系ハイエースワゴンであった。ある企業における送迎用に複数の運転者により使われているクルマだ。たまたま業務の都合上、何度か運転する機会があり、乗る都度、気になる音だなぁと思っていた次第だ。そこで、先の外見観察と共に、疑わしい各所にテープマスクして走行するが効果がない。音源は前部の左側と思えるが、上下の位置は今一つ判らない。前部にサンルーフ付きなので、外観のシーリング観察と共に、走行中に押し上げて音の変化を確かめるが変化はない様だ。こうなると、左ヘッドランプを外し、その裏側のパネリング系の合わせ目などを確認するしかないなと次手段を決めていたのだ。しかし、常時使っているクルマだし、当方の社業の都合もあり、そのまま放置状態が続いたのだ。それが、近日、同社の右ヘッドランプに水が入るというトラブルが生じ、この修理のためヘッドランプを外したのだ。近代のヘッドランプは、レンズ(ポリカ)やハウジング(PP)共に樹脂製であり、接着もしくは溶着接合されて防塵・防水しているのだが、老朽化すると漏水する事例は多い。ヘッドライトを外し、接合部の裏面の上側部をシーリング処理した。そして、この機会にと左ヘッドランプを外し、裏面ボデー側を観察した瞬間、風音の原因は直ちに判明したのだ。つまり、ダッシュパネルの穴を塞ぐグロメットが付いていない状態であったという極めて単純なものだ。修正はガムテープで塞ぎ完了だが、何故こんなことが生じたのか?バンパーの脱着形跡や左Aピラー付近の板金形跡などから、板金整備の際か、クーリングユニット関係の整備でも行った際、該当グロメットを外し付け忘れていたという間抜けなものなのであろう。