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メディアのあり方・「発表報道」と「調査報道」

2022-07-25 | コラム
メディアのあり方・「発表報道」と「調査報道」
 そもそもメディアにおける価値というのはさまざまあるのだろうが、最重要点は「権力の監視」にあるといえる。すなわち、行き過ぎた権力の姿を正しく伝え、を押し止める世論を生み出すと云うものだろう。

 ところで報道には、大きく分けて2分類あり「発表報道」と「調査報道」がある。
 「発表報道」とは官公庁や捜査機関、企業などの発表を、主体的に分析、取捨選択することなくそのまま横流しに報道するマスメディアの姿勢を揶揄した言葉である。これは、例えば気象庁が発表する地震情報とか、ある出来事を発表したものをメディアが報道するもので、それなりに価値を否定するものではない。ただし、これらの発表ソースがそれなりに報道のエフェクト(効果)を意図して、発表情報をコントロールもしくは操作している場合もあるから、そのまま報道するメディアは大きな問題を生じるといえる。

 この発表報道について云えば、元検察他などの幾人かの方の著書に、「風を吹かす」もしく「吹かす」という操作を行っているということがある。つまり、中には公式発表ではなく意図的なリークにより、それをメディアに記事化させ、あたかも公然の事実化して、操作を有利に持って行くという戦術としてのものだ。従って、メディアの記事を見る視点として、その裏に隠された恣意的な力学が作用していないかという視点が重要だと思える。

 もう一つの「調査報道」とは、検察他の発表やリークからだけの情報に頼らず、取材する側が主体性と継続性を持って様々なソースから情報を積み上げていくことによって新事実を突き止めていこうとするものだ。

 私見だが、報道のおよそ90%以上は「発表報道」で「調査報道」は極めて少ないのが現実だ。これはつまるところ、「調査報道」は、その調査に時間やコストを要し、しかも誤報道すると世間の非難を受けるリスクを生じるなど、企業としての採算性が生み出し難いとか、それなりの力量ある記者でないと困難という宿命があるのだと思える。


#発表報道と調査報道 #報道の価値 #報道を見る目


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