現用の主要各国のMBT(メインバトルタンク)の主砲は、滑腔砲(かっこうほう)の装備がほぼスタンダード化されている。それ以前の砲身内面に旋回溝(ライフリング)を施したものでなく、内面はエンジンシリンダー同様の真円すべすべのものだ。これにより、発射された弾丸は、運動エネルギーをライフリングにより消費されることなく、より高初速が得られるという。大雑把なことしか知らないが、従来のランフリング砲の初速が1,000m/secに対し、滑腔砲は1,500m/secに達するらしい。
しかし、この秒速1,000とか1,500m(マッハ4以上)というのは、エンジンのピストンスピードが、その最大回転において20とか25m/secと計算されるのに比べ桁違いに速い。これは、砲身が長く、起爆されると爆発ガスの圧力で砲身長まで一方的に加速されるためだ。ちなみに、最新型陸自の10式戦車の主砲スペックは、日本製鋼所製44口径120mm滑腔砲と表記されている。この44口径であるが、調べて知るが口径長の略称であって44×120=5,280mmの砲身長を持ち、発射弾を強烈に加速するのだ。正に現代の矢だ。
陸自富士学校で見た滑腔砲の砲弾だが、従来と同様に対目標物の装甲をぶち抜く徹甲弾とある程度広い範囲を炸薬により破壊する榴弾の2種がある。この内の徹甲弾を、従来のものと比べるとその違いに驚く。弾心径は30mmあるかどうかとう細いもので、そこにスリップリングという砲の内径に合わせるガイドが装着されている。砲弾が砲身から飛び出すと、分割されたガイドは離脱し、鉛筆様の弾心は後部の安定翼で緩い回転をしながら高速飛翔する。弾心は高い比重をを持つタングステンもしくは劣化ウランが使用されるそうだ。目標物に衝突すると極めて高い運動エネルギーが小さな面積に集中することで、固体でなく液体としての作用を生じると解説されている。すなわち高温高圧の液体により被対象物を侵食し、仮に鋼鉄板だと距離2kmで500mm以上の装甲を貫通するという。しかも、従来から使われてきた避弾経始(傾斜装甲)による跳弾効果は、ほぼ無意味となるという。
写真の説明
①滑腔砲弾(徹甲弾:実物と演習弾) ※エアコン屋さんが作っているのだ。
②各種戦車砲弾(M4,61,74,90 徹甲弾と榴弾)
③弾心とガイドの分離
④マズルファイア(発射炎) ※以下に大きな砲身内ガス圧力か判るが、総合火力演習の実弾射撃においても、目視ではここまで大きな火炎とは見えない。僅かミリセカンド単位での火炎を高速連射シャッターが捉えたのだろう。
⑤照準装置 ※陸自広報センターで見たもの。搭載機種不明(1984年製造表記)で手動光学式のもの。やはり日本光学(Nikon)の製品だ。90式以降はロックオン機能を持ち、照準ロックすると、自機および相手機の如何なる動きにも砲身は自動追尾し、何時でも発射できる。例えば、ロックオン後、相手車反撃の予兆を感じ取れば、急加速で後退待避しつつ旋回しながら、ロックオンが継続状態であることさえ確認し、発射撃滅する。




しかし、この秒速1,000とか1,500m(マッハ4以上)というのは、エンジンのピストンスピードが、その最大回転において20とか25m/secと計算されるのに比べ桁違いに速い。これは、砲身が長く、起爆されると爆発ガスの圧力で砲身長まで一方的に加速されるためだ。ちなみに、最新型陸自の10式戦車の主砲スペックは、日本製鋼所製44口径120mm滑腔砲と表記されている。この44口径であるが、調べて知るが口径長の略称であって44×120=5,280mmの砲身長を持ち、発射弾を強烈に加速するのだ。正に現代の矢だ。
陸自富士学校で見た滑腔砲の砲弾だが、従来と同様に対目標物の装甲をぶち抜く徹甲弾とある程度広い範囲を炸薬により破壊する榴弾の2種がある。この内の徹甲弾を、従来のものと比べるとその違いに驚く。弾心径は30mmあるかどうかとう細いもので、そこにスリップリングという砲の内径に合わせるガイドが装着されている。砲弾が砲身から飛び出すと、分割されたガイドは離脱し、鉛筆様の弾心は後部の安定翼で緩い回転をしながら高速飛翔する。弾心は高い比重をを持つタングステンもしくは劣化ウランが使用されるそうだ。目標物に衝突すると極めて高い運動エネルギーが小さな面積に集中することで、固体でなく液体としての作用を生じると解説されている。すなわち高温高圧の液体により被対象物を侵食し、仮に鋼鉄板だと距離2kmで500mm以上の装甲を貫通するという。しかも、従来から使われてきた避弾経始(傾斜装甲)による跳弾効果は、ほぼ無意味となるという。
写真の説明
①滑腔砲弾(徹甲弾:実物と演習弾) ※エアコン屋さんが作っているのだ。
②各種戦車砲弾(M4,61,74,90 徹甲弾と榴弾)
③弾心とガイドの分離
④マズルファイア(発射炎) ※以下に大きな砲身内ガス圧力か判るが、総合火力演習の実弾射撃においても、目視ではここまで大きな火炎とは見えない。僅かミリセカンド単位での火炎を高速連射シャッターが捉えたのだろう。
⑤照準装置 ※陸自広報センターで見たもの。搭載機種不明(1984年製造表記)で手動光学式のもの。やはり日本光学(Nikon)の製品だ。90式以降はロックオン機能を持ち、照準ロックすると、自機および相手機の如何なる動きにも砲身は自動追尾し、何時でも発射できる。例えば、ロックオン後、相手車反撃の予兆を感じ取れば、急加速で後退待避しつつ旋回しながら、ロックオンが継続状態であることさえ確認し、発射撃滅する。




