私の思いと技術的覚え書き

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サブスクリプション欺瞞

2022-01-02 | 問題提起
サブスクリプション欺瞞
 これもグローバリズムの影響なのかは明確ではないが、最近何でも英語ベースの言葉(単語ワード)があふれかえって、そもそも論だが、日本語で説明した方が多くの場合判り易く妥当ではないかと感じる局面が増えた。

 例えばコロナ病変と共に使われ始めた、オーバーシュートとかエビデンスなど、凄く違和感を感じてしまう。筆者はそもそも工学系の知識に偏向している頭作りだからして、コロナ以前からオーバーシュートという言葉を聞いてきたし一定の理解をして来た。その理解は、添付図に示すとおり、ある事態(事例を上げればエンジン水温)が目的値に収束しようとするとき、その制御の遅延などの影響もあり、本来の目標値を行き過ぎることを繰り返しつつ、収束するというものだ。ところが、そういうイメージで聞いていると、コロナの場合は異なり、単なる爆発的な患者急増をオーバーシュートと指している様で違和感を強める。英語にも複数意味はあるのは理解するが、こういう問題は日本語で伝えるべきだろう。


 もう一つ記すが、コロナ以後、何でもかんでもエビデンスというワードが流行った感があるが、これは証拠の方が表意文字としての漢字で育つ日本人には、圧倒的に判り易いもので、こういう言葉をムリして使う必要性があるのかと思う。まあ、得てしてその世界のプロは、自己の権威性を高めようとその業種の専門用語を小出しにする心理は理解できるが、それを伝えるメディアまでが、その権威主義に取り込まれてしまってどうするという思いを持つ。

 さて、そんな中、最近色々な場面で聞く様になって来た「サブスクリプション」とかこれを省略した「サブスク」というワードがある。

 このサブスクリプションとは、元々ソフトとかメディアの定期購入とか継続購入を意味し、昔の様にソフトを丸ごと購入するのではなく、一定機関の利用権利に対して料金を支払うというビジネスモデルを指す様だ。

 ここで、具体例を出すが、アドビ社というソフトウェア会社は、アクロバットリーダーという印刷イメージを保持やグラフィック入りで、いわゆるpdf形式というファイルで保存できるソフトで、その誕生以来、世界中でファクトスタンダートとして利用されているドキュメント表示用ソフトだ。これは、そのドキュメントがどの様なソフトかに関わらず、印刷した状態を再現できるpdf形式で保存されるので、閲覧者はアクロバットリーダーの閲覧用ソフト(無料)だけインストールしてあれば、PCの種類やスマホでも、問題なく閲覧や、再印刷もできるという極めて価値あるソフトである。

 なお、pdfファイル自体のページの入れ替えや、複数のpdfファイルの合体など、編集をしようと思うと、アドビアクロバット(有料版)の使用が必要になる。筆者自身も、約10年程前に購入したアクロバットVer9を利用して来たのだが、その間何度もバージョンアップされているが、そういう意味ないバーションアップに価値なしと、バーションアップしないで使い続けているのだ。
 しかし、最近、一部のpdfファイルで、最新のpdfでないため読み込めません見たいな現象が現れる様になって、いよいよバーションアップせざるを得ないかとアドビ社のHPを見ると、いわゆる買い切りは設定なされておらず、総てがサブスクリプションで、月間1,500~1,700円程の料金が設定されている。月間1,700円と仮定して年間20,400円、これを10年利用し続け204,000円を払い続けるのだ。この間に、優位なバーションアップがなされ、ソフトの価値が上昇することもあるのだろうが、限度はあるだろう。実際、筆者は10年前にVer9を約2万円で購入し使い続けて来て最近まで不満や問題は感じていなかったし、これが相当期間の10年で十倍の20万円となると知ると、なんという悪徳かとしか思えない。

 多くの製品の場合、この様な独占商売というのは、競合他社が類似の商品を市場投入することで、独占が崩れるから、ここまで独占的な商売はできないのだが、ソフトウェアの場合、著作権の問題があったり、市場の中でデファクトスタンダードとなると、なかなか法的にも排除が困難となるという面がある様ということだろう。まあ、その代表格が、Windowsのマイクロソフトであり、CPUのインテルなので、先見の功ということもあり、資本主義の宿命として企業はこれを目指すところがある。

 最近、トヨタ自動車のHPを見ていたら、サブスクリプション契約というのがあることを知り、ちょっと驚いた。期間は3、5、7年とあり、途中解約金ありなしなど、様々なバリエーションは選べる様だ。個人と云うより法人で税務上、経費で落とせる場合は便利だろうが、今や窮乏化した多くの国民は、最新型に乗りたいなんて思っちゃいない。如何に古いクルマでも、安価な維持費を求めて、クルマでない生き続けるための消費を優先せざるを得ない状況に追い込まれていると云うのが実態だろう。
https://kinto-jp.com




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