goo blog サービス終了のお知らせ 

 私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

世界自動車産業の近未来・日欧の天下は早晩失われる可能性もある

2022-04-24 | コラム
世界自動車産業の近未来・日欧の天下は早晩失われる可能性もある
 2021年の国別自動車生産数は世界15位までのランキングは添付の通りだ。つまり、今や中国の自動車生産はNo2米国を約3倍ほども越える圧倒的な生産をしているのだ。

 ところが中国の自動車生産の多さは、進出した世界各国の有数の車両メーカーによる寄与が極めて大きい。米GM、独VW、トヨタ、日産、韓国などの車両メーカーの進出がその原動力になっているのは間違いないだろう。

 一方、中国もこれら海外メーカーの進出を受け、自国メーカーブランドの技術キャッチアップの効果も著しく、特にEV車においては、自国ブランドとして輸出を増やしてきている様に見える。

 この中国での海外進出メーカーとして、日欧メーカーの与えた影響は大きいが、日本ではほとんどお無視されている韓国メーカー(現代およびキア)の急進の勢いはあなどれないものがある。

 そもそも、世界自動車生産ランキングで、トップ5は、1)トヨタ、2)VW、3)日産、ルノー、三菱、4)GM、5)現代、キアという順位だが、ともするとトヨタvsVWのことばかりが報道されるが、何時の間にやら韓国メーカーが世界No5に入って来ているのだ。

 つまり、日本市場には、スマホを除いて韓国自動車はほとんど無視されているが、世界では確実に認知され、その販売シェアを伸ばしてきたということが実態なのだ。

 この韓国車両メーカーの日本を上回る成長率の要因としては、ウォン安による競争力が背景にあるとされているが、米JDパワー社による個別メーカー毎の信頼性でも日本車を上回るランキングを得ているということがある。つまり、日本人の多くが韓国をある意味あなどっているが、半導体や液晶ディスプレイ、スマホだけでなく、自動車についても韓国メーカーは着実に最先端技術をキャッチアップして、日本や欧州の名だたる車両メーカーと遜色ない商品力ある製品を作り出しているのだ。

 ということで、下らないマスゴミ報道を見ていると、トヨタとVWの競争で、トヨタが世界No1だなどというだけの記事を見ていると、何時の間にやら韓国がひたひたとランクアップしており、近未来にNo1は韓国という時代が来る可能性もあるかもしれない。そのくらい韓国メーカーの成長率は高いと云うことを見落としてはならない。

 そもそも、韓国のメーカーを指導して自動車産業を育成したのは、日本メーカーだ。韓国が自社製エンジンを始めて作ったのは90年代初頭と聞いている。そういう点で、日本の車両メーカーは韓国車両メーカーをあなどっていたのだが、日本メーカーが欧米車両メーカーの技術をキャッチアップして、それを同等もしくは越えるまでに50年要したのだが、韓国は20年余でほぼ同等レベルにキャッチアップしてきたという勢いがある様だ。このことは、韓国は輸出依存が日本は15%程度なのに対し、50%近い輸出依存である韓国の国家戦略としての国を上げての強力な推進力というべきものが背景にある様に思える。

 こうして見ると近未来、80年代世界の半導体シェアの50%を超えた日本が、著しく凋落しつつ、残された日本の強みたる自動車で世界No1となった時代も、長くは続かない可能性も考えなければならないだろう。そしてその時、日本には残された強力な強みは皆無となり、いよいよ国家破綻の危機が迫る可能性も予見しなければならない。


#韓国自動車産業をあなどるな


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。