私の思いと技術的覚え書き

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実用車のデザインを思う

2015-12-02 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
近い将来、サイドミラーなどを廃止を許容し、同等以上の視界を有した電子カメラが認可されるとの記事を見ました。そのこと自体を否定する思いはないですが、そもそ車両自体の視界というか車両感覚が掴みにくいデザインが増えすぎている様に思えます。

具体的には、以下の様な事柄です。
①急傾斜フロントガラスにほぼ同一角でスラントしたボンネットで運転席からはまったくボンネットが見えない。
②急傾斜し右斜め前方を太く大きく塞ぐフロントピラー死角を大きくしている。
③後方も、トランクリッドが見えるクルマは少なく、水平に近いリヤウインドはホコリなど汚れで透視し難く、垂直のサブリヤウインドとのバーテーションは、バックミラーでの視界を少なくし気になることである。

運転免許を取得した遥か昔のことを思い出すが、まずは車両の4隅のタイヤの位置関係や、左側方の感覚を掴むことの慣れに苦労したことを思い出す。

クルマのデザインにおいて、すべての死角を皆無にすることはできないでしょう。しかし、なるべく少なくすることは、ファミリーカーなど、初心者ドライバーが多く乗るクルマであるほど、必要なことと思えます。

なお、ミラーなど補助的な視野確保はもちろん利用しますが、それだけに頼ることの危険性をいつも思うのです。ミラーはあくまで補助的な視角であり、それ自体に視角としての限界もあるし、遠近感や別の死角を生む可能性があるのです。

運転教習において、繰り返し注意されたことを思い出します。左側方は首を左に向けて、直接確認することをです。そして、後退時の後方確認は体全体を捻って振り返り、直視して確認することをです。それが、最近は振り返ればまともに直視できる軽ワンボックスの運転者が、サイドミラーとルームミラー、もしかするとナビのバックビューモニターだけでバック駐車している姿を良く垣間見ます。箱バントラックや大型バスならともかく、振り返れば直視できるクルマでさえ、そうなのでから、自分の子供をひくなどという事故もおこるのではないでしょうか。

車両メーカーは、実用車においては、デザインの目新しさや奇抜さだけを追うのではいけないと感じます。まずは運転者の視界を良くし、車両4角の位置関係や見切りの良さを第一義とし、そのことを前提とした上でデザインすべきではないでしょうか。それが、様々な電子安全装備より、大切なことだと思うのです。

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