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スズキ160万台リコール 6/18

2020-06-18 | 車両修理関連
 6/18付けでスズキが総計160万台の大規模リコールを届け出たとのこと。リコール内容としては、以下の2区分だ。
①アルト、ワゴンR、MRワゴン、スペーシア、ハスラー H24~H28年式 対象台数約100万台
 内容は、クランクプーリーセットボルトの緩みが生じる車両がある。実例344台
②ワゴンR、スペーシア、アルト ラパン、MRワゴン H25~H27年式 対象台数61万台
 内容は、フロントコイルスプリングの防錆不良から折損を生じるものがある。実例460台

 それぞれのリコール内容しては、以下が記されている。
①クランクプーリー緩み
a)不具合内容
 エネチャージ仕様車のクランクプーリボルトにおいて、ねじ谷底の形状が不適切なため、耐久性が不足しているものがある。そのため、締付け軸力が低い場合にクランクプーリボルトが折損してガタが生じ、クランクシャフト位相角度を正しく検出できず、適切なエンジン制御ができなくなり、エンストに至るおそれがある。
b)不具合件数 344件
c)改善内容
 全車両、クランクプーリボルトを良品に交換する。また、プーリ等に損傷がある場合には、損傷のある部品を新品に交換したうえで、クランクプーリボルトを良品に交換する。

②フロントコイルスプリング折損
a)不具合内容
 フロントサスペンションにおいて、コイルスプリングの鋼材に対する塗料の密着性が不足しているため、砂や小石を噛み込んだ場合に、塗膜が剥がれやすく、腐食が早期に進行するものがある。そのため、そのまま使用を続けると、コイルスプリングが折損し、最悪の場合、タイヤと接触することでパンクして走行不能となるおそれがある。
b)不具合件数 460件
c)改善内容
 全車両、フロントコイルスプリングを対策品に交換する。


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 以下に私見雑感として書き留める。
 クランクプーリーについては、ネジ谷底が云々と記しているが、ボルトネジ(雄ネジ)なのか、クランクネジ(雌ネジ)なのか判らぬ。しかし、改善としてセットボルトを交換と記しているので、そもそも締め付けトルク不足と理解せざるを得ないのではなかろうか。そもそも、もし雌ネジ側のネジ山不良だったらクランクシャフト取替となる訳で、実質エンジン取替となる訳だろう。時々、論理不明なリコールの主に不具合記述を見ることはあるが、これもその例と感じる。

 もう一方のコイルスプリングの防錆不良から折損だが、また防錆不良のサスペンションリコールかというのが感想だ。拙人の過去ログ(2017/11/27)でも、スズキの防錆不良による15万件リコールのことを記しているが、またまた防錆不良からのリコールだ。懲りないというか、生産体制がなんら改善されていなかったという見本だろう。

スズキ防錆リコール15万件に感じる 2017-11-27
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/4fd38d2249a4f586f726264d39c15b9e

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