ベンツの自動運転レベル3の仕様
ベンツがレベル3(条件付き自動運転車)を間もなく販売開始するとの記事だ。しかも、自動運転中の事故はベンツが責任を持つと公言したという。
ところで、自動運転レベル3は、ホンダレジェントで既に販売が開始されている。ただし、この自動運転はトラフックジャムと呼ばれる、ハイウェイでの停滞時(時速30km/h以下)のみを前提としたものだ。しかも、100台限定販売でリース扱いリース契約延長なしのみという販売だ。つまり実験的な販売で、買い取ったクルマを分解調査したりできない様にガードしているのではないかとも想定される。
それでも、このレベル3以上であることを前提に、行政官庁は道路交通法の取り扱いを改訂し、自動運転中は、スマホでの通話は違法とならない様に改正しているそうだ。
今般のベンツも条件付き自動運転だが、レジェンドの100台限定とかではなく通常ラインナップとしての販売だという。そして、記されている自動運転の条件とは、次の様なものらしい。
・速度64km/h(もしくは60km/h)までの
・対向車線との分離がされたハイウェイでのみ
・メルセデス・ベンツがマッピングしたハイウェイ上で、道路工事がなく天気の良い日中のみ
と云うことで、レジェンドの自動運転よりは制限が拡大していると共に、テスラで事故が多いとされる夜間とか緊急車両の事故については、自動運転の範囲から除外している。いじれにせよ、販売国で、許認可を受け受けることをこれから行う様子だ。日本では国交省の型式認証を取得する必用もあるだろう。
それと、添付図に概略のセンサー類を示すが、その数などはレクサスLS500hアドバンスドライブ(レベル2相当)に比べてもぜんぜん少なく、これでレベル3が果たせるのかとも思ってしまうところがある。
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自動運転中の責任はメルセデスに! テスラのオートパイロットを凌駕する「自動運転レベル3」を搭載した「Sクラス/EQS」がまもなく本格始動
VAGUE 4/11(月) 7:10配信
自動運転中の責任は人でなくメルセデス・ベンツが負う
つい先日、アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスにて、メルセデス・ベンツの自動運転機能「DRIVE PILOT」を搭載した「Sクラス」の同乗試乗会がおこなわれ、アメリカの老舗自動車雑誌「Road and Track」に、DRIVE PILOTの開発者インタビューが掲載されていた。
●「レベル3」要件を満たしたメルセデス・ベンツ
その記事で興味深かったのが、“自動運転機能が作動している間の法的責任はメルセデス・ベンツが負う”と明言されていたことだ。2021年末、メルセデス・ベンツは自動車メーカーとして世界で初めて、国連国際連合欧州経済委員会が定めた技術承認規則「UN-R157」の「レベル3」要件を満たした。
これを受けてドイツ連邦自動車局は、メルセデス・ベンツの自動運転システムを承認。ドイツでは間もなくDRIVE PILOTを搭載した「Sクラス」と「EQS」が市販され、自動運転車の公道走行が本格始動する。
日本では既に、レベル3の「トラフィック・ジャム・パイロット」(渋滞運行を意味)と呼ばれる自動運転システムを搭載したホンダ「レジェンド」が、100台“限定”で販売された。しかし、メルセデス・ベンツは通常ラインナップとしてレベル3を販売する、という話だ。
振り返れば2017年、アウディが「A8」にレベル3の自動運転システムを搭載すると発表していた。ところが、一部メディアで「自動運転システム作動時の法的責任の所在があいまい」との理由から同システムのA8への採用は見送られたと報じられていた。そういう意味で、メルセデス・ベンツのスタンスは一石を投じるカタチになるだろう。
自動運転はレベル0(なし)からレベル5(完全自動)まで分類されており、レベル3からは自動運転システム作動時にドライバーが法的責任を負わないのではないかとの議論が出ている。国土交通省によるレベル分けをかいつまんで見ると、以下のように定義されている。
レベル1と2の自動運転システムは「運転支援」に過ぎず、運転主体(責任)は運転者となる。レベル3は条件付き自動運転車(限定領域)で運転主体は自動運行装置(自動運行装置の作動が困難な場合は運転者)。レベル4は自動運転車(限定領域)、レベル5は完全自動運転車、という位置づけだ。
メルセデス・ベンツが採用するレベル3の自動運転システムの作動条件とは?
メルセデス・ベンツが採用するレベル3の自動運転システムの作動条件は……、40mph(64km/h)以下(ドイツでは60km/h以下)かつ、停止信号やラウンドアバウトをはじめとした交通規制のない、対向車線との分離がされたハイウェイでのみ、となっている。さらにメルセデス・ベンツがマッピングしたハイウェイ上で、道路工事がなく天気の良い日中のみ、という条件も付く。
レベル3をおこなうための各種センサー。空間を認識するLiDARやマルチカメラ、路面の濡れ状況を感知するセンサーに加え、高精度位置アンテナなどが搭載されている(C)Engadget
●まずはカリフォルニア州やネバダ州での許認可取得が目標
また、緊急車両が近づくと車載カメラやマイクがサイレンを感知し、自動運転システムは解除される。どのように車両を適切に移動させ、緊急車両を通行させるかはケースバイケースゆえに人間の判断能力のほうが現状は優秀、ということでもある。そう、何気なく運転しているようでドライバーが運転中に払っている注意は、実に幅広く複雑なのだ。
万が一、ドライバーの介入を必要とする際には、自動運転システムを解除する10秒前にドライバーに警告を発するという。ドイツの法律では、レベル3自動運転作動中のスマートフォン操作は許されているが、目をつむったり居眠したりすることは禁止されている。
アメリカにおける道交法は州単位で決められているため、メルセデス・ベンツでは手始めにカリフォルニア州やネバダ州での許認可取得を目指している。また、自動運転システム作動中の法的責任を負うことでDrive Pilotが承認されやすくなる、と目論んでいるようだ。古賀貴司(自動車王国)
#ベンツ自動運転レベル3をまもなく販売開始
ベンツがレベル3(条件付き自動運転車)を間もなく販売開始するとの記事だ。しかも、自動運転中の事故はベンツが責任を持つと公言したという。
ところで、自動運転レベル3は、ホンダレジェントで既に販売が開始されている。ただし、この自動運転はトラフックジャムと呼ばれる、ハイウェイでの停滞時(時速30km/h以下)のみを前提としたものだ。しかも、100台限定販売でリース扱いリース契約延長なしのみという販売だ。つまり実験的な販売で、買い取ったクルマを分解調査したりできない様にガードしているのではないかとも想定される。
それでも、このレベル3以上であることを前提に、行政官庁は道路交通法の取り扱いを改訂し、自動運転中は、スマホでの通話は違法とならない様に改正しているそうだ。
今般のベンツも条件付き自動運転だが、レジェンドの100台限定とかではなく通常ラインナップとしての販売だという。そして、記されている自動運転の条件とは、次の様なものらしい。
・速度64km/h(もしくは60km/h)までの
・対向車線との分離がされたハイウェイでのみ
・メルセデス・ベンツがマッピングしたハイウェイ上で、道路工事がなく天気の良い日中のみ
と云うことで、レジェンドの自動運転よりは制限が拡大していると共に、テスラで事故が多いとされる夜間とか緊急車両の事故については、自動運転の範囲から除外している。いじれにせよ、販売国で、許認可を受け受けることをこれから行う様子だ。日本では国交省の型式認証を取得する必用もあるだろう。
それと、添付図に概略のセンサー類を示すが、その数などはレクサスLS500hアドバンスドライブ(レベル2相当)に比べてもぜんぜん少なく、これでレベル3が果たせるのかとも思ってしまうところがある。
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自動運転中の責任はメルセデスに! テスラのオートパイロットを凌駕する「自動運転レベル3」を搭載した「Sクラス/EQS」がまもなく本格始動
VAGUE 4/11(月) 7:10配信
自動運転中の責任は人でなくメルセデス・ベンツが負う
つい先日、アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスにて、メルセデス・ベンツの自動運転機能「DRIVE PILOT」を搭載した「Sクラス」の同乗試乗会がおこなわれ、アメリカの老舗自動車雑誌「Road and Track」に、DRIVE PILOTの開発者インタビューが掲載されていた。
●「レベル3」要件を満たしたメルセデス・ベンツ
その記事で興味深かったのが、“自動運転機能が作動している間の法的責任はメルセデス・ベンツが負う”と明言されていたことだ。2021年末、メルセデス・ベンツは自動車メーカーとして世界で初めて、国連国際連合欧州経済委員会が定めた技術承認規則「UN-R157」の「レベル3」要件を満たした。
これを受けてドイツ連邦自動車局は、メルセデス・ベンツの自動運転システムを承認。ドイツでは間もなくDRIVE PILOTを搭載した「Sクラス」と「EQS」が市販され、自動運転車の公道走行が本格始動する。
日本では既に、レベル3の「トラフィック・ジャム・パイロット」(渋滞運行を意味)と呼ばれる自動運転システムを搭載したホンダ「レジェンド」が、100台“限定”で販売された。しかし、メルセデス・ベンツは通常ラインナップとしてレベル3を販売する、という話だ。
振り返れば2017年、アウディが「A8」にレベル3の自動運転システムを搭載すると発表していた。ところが、一部メディアで「自動運転システム作動時の法的責任の所在があいまい」との理由から同システムのA8への採用は見送られたと報じられていた。そういう意味で、メルセデス・ベンツのスタンスは一石を投じるカタチになるだろう。
自動運転はレベル0(なし)からレベル5(完全自動)まで分類されており、レベル3からは自動運転システム作動時にドライバーが法的責任を負わないのではないかとの議論が出ている。国土交通省によるレベル分けをかいつまんで見ると、以下のように定義されている。
レベル1と2の自動運転システムは「運転支援」に過ぎず、運転主体(責任)は運転者となる。レベル3は条件付き自動運転車(限定領域)で運転主体は自動運行装置(自動運行装置の作動が困難な場合は運転者)。レベル4は自動運転車(限定領域)、レベル5は完全自動運転車、という位置づけだ。
メルセデス・ベンツが採用するレベル3の自動運転システムの作動条件とは?
メルセデス・ベンツが採用するレベル3の自動運転システムの作動条件は……、40mph(64km/h)以下(ドイツでは60km/h以下)かつ、停止信号やラウンドアバウトをはじめとした交通規制のない、対向車線との分離がされたハイウェイでのみ、となっている。さらにメルセデス・ベンツがマッピングしたハイウェイ上で、道路工事がなく天気の良い日中のみ、という条件も付く。
レベル3をおこなうための各種センサー。空間を認識するLiDARやマルチカメラ、路面の濡れ状況を感知するセンサーに加え、高精度位置アンテナなどが搭載されている(C)Engadget
●まずはカリフォルニア州やネバダ州での許認可取得が目標
また、緊急車両が近づくと車載カメラやマイクがサイレンを感知し、自動運転システムは解除される。どのように車両を適切に移動させ、緊急車両を通行させるかはケースバイケースゆえに人間の判断能力のほうが現状は優秀、ということでもある。そう、何気なく運転しているようでドライバーが運転中に払っている注意は、実に幅広く複雑なのだ。
万が一、ドライバーの介入を必要とする際には、自動運転システムを解除する10秒前にドライバーに警告を発するという。ドイツの法律では、レベル3自動運転作動中のスマートフォン操作は許されているが、目をつむったり居眠したりすることは禁止されている。
アメリカにおける道交法は州単位で決められているため、メルセデス・ベンツでは手始めにカリフォルニア州やネバダ州での許認可取得を目指している。また、自動運転システム作動中の法的責任を負うことでDrive Pilotが承認されやすくなる、と目論んでいるようだ。古賀貴司(自動車王国)
#ベンツ自動運転レベル3をまもなく販売開始