私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

「辞めたいのに辞めさせてもらえない」退職代行、新入社員の依頼相次ぐ…背景に企業の強引な引き留め

2024-05-27 | コラム
「辞めたいのに辞めさせてもらえない」退職代行、新入社員の依頼相次ぐ…背景に企業の強引な引き留め
5/27(月) 16:00配信 読売新聞オンライン

 新年度が始まって2か月近く。本人に代わって会社に退職の意思を伝える「退職代行サービス」を提供する業者に、新入社員らからの依頼が相次いでいる。中には月の利用数が6年前の約4倍に増えたケースも。背景には若者の転職への意識の変化や、人手不足による企業側の強引な引き留めが指摘されている。(北島美穂)

【図表】利用者の大半が20代

利用者4倍「毎日のように」
 「辞めると言えば、勤め先も良い顔はしないだろう。言いづらくて代行に依頼した」。保育士の女性(22)は、大阪市北区の「フォーゲル総合法律事務所」の職代行サービスを利用した理由を話す。

 女性は大学を卒業後、4月から関東地方の保育園で勤務していた。しかし、就職前に説明がなかった教材費や制服費など2万円を徴収され、上司には「できて当たり前の仕事。そろそろ覚えてもらわないと困る」と何度も注意された。不信感が募り退職を考えたが、言い出せなかった。

退職代行の依頼に対応する嵩原弁護士(大阪市北区で)

 メディアを通じて同事務所を知り、LINE(ライン)で連絡。勤め先や退職理由など約50項目をメールで送った。依頼を受けた事務所は今月初旬、退職届を作成し、勤務先にメールで提出した。

 女性は「勤務先とのやりとりを負担に感じていたが、一切なく安心できた。私のように退職を言いづらく、利用したいと感じている人は多いのでは」と話した。

 同事務所によると、月の利用は400件で、サービスを始めた2018年頃の約4倍に上り、利用者の約2割が新卒者という。料金は約3万~5万円。同事務所の嵩原(たけはら)安三郎代表弁護士は「4月以降、毎日のように新卒者の依頼が来ている」と話す。

 退職代行サービスは元々、業務の一つとして行う弁護士はいたが、10年代後半から専門的に行う「退職代行会社」が現れた。

 東京都の「EXIT(イグジット)」もその一つ。17年から事業をスタートした。利用は年々増え、今年、ゴールデンウィーク前後の利用は昨年よりも5割増という。

 同社によると、利用する理由として、上司からのパワハラなど対人関係に問題を抱えて駆け込む場合のほか、事前に聞いていた業務内容や賃金、労働時間の条件が実際と違っていたとの内容が多いという。

 利用者は新卒者だけでないが、若い年代が多い。同社が昨年1~3月に実施したアンケートでは、利用者のうち20歳代は約7割、30歳代が約2割だった。

 同社の新野俊幸社長は「SNSで自社と他社の待遇を比較しやすくなり、違和感があれば、転職を考える意識が広がっている。退職のハードルが下がっていると感じる」と語る。

人手不足理由に慰留
 利用増の背景には若者の転職への意識変化のほかに、企業側の人手不足もある。

 厚生労働省によると、22年度に全国の労働基準監督署などに寄せられた「自己都合退職」を巡る相談件数は4万2694件と10年前の1.4倍で、「退職を申し出ても人手不足を理由に慰留される」「退職届の受理を拒まれた」といった声がある。

 フォーゲル総合法律事務所では約7割が「辞めたいのに辞めさせてもらえない」との理由からの利用といい、同事務所の担当者は「人手不足が一因となり、特に新しい人材を雇う余裕がない企業で引き留めがある」と明かす。

組織的に『黄信号』、風土や人間関係見直しを
 東京都立大学大学院の西村孝史准教授(人的資源管理論)の話「若者の間では、一つの会社に長く勤めても報われないとの考えや将来の不安から、入社前のイメージと実際の業務にギャップを感じれば、退職を意識する傾向がある。企業にとっては、退職代行を依頼する人が出てきたら組織的には『黄信号』とも言え、風土や人間関係に問題がないかチェックする必要がある」

追加料金や音信不通などトラブルも
 退職代行サービスを巡ってはトラブルも起きている。

 専門業者などでつくる日本退職代行協会(東京都)によると、協会発足後の2020年2月頃~今年5月10日に、103件の苦情や被害相談が寄せられた。業者から事前説明にはなかった追加料金を請求されたり、依頼料を入金したものの業者と音信不通になったりするケースがあったという。

 弁護士法は、弁護士以外が報酬目的で法律事務を扱うこと(非弁行為)を禁じており、会社から研修費の返還などを請求された場合は、退職代行業者は代理人として対応できない。しかし、退職の申し出を受けた企業から「弁護士資格を持たない業者から賠償請求を受けた」との苦情が寄せられたこともあったという。
---------------------------------------------------------------
 今、若い者は退職代行にいるのだのだろうが、昔からそんな者はなかった。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。