タント、バックドアガスダンパーリコール取替から思う種々雑感
現在足代わりに使用しているタントだが、所有権を自らに移転したこの数ヶ月の間に2回もリコールの案内が来ていた。内容はバックドアの支えとなるガスダンパーステーが塗装不良により腐食して爆発して負傷する恐れがあるという内容で、既に5年位前にリコール公示されているものだ。
このバスダンパーステーのリコールは、記憶によると日産が最初だったと記憶するが、ちょっとリコール情報で検索してみると、日産関係でOEM含め100万代程度、今回のダイハツでも同じく100万台程度、それ以上は詳しく調べていないが総計で300万台程度の対象台数があるのだろう。
このガスダンパーの小売価格は¥5,000(1本税抜き)だが、製造社の元請けへの卸し価は、その1/10かそれとも最安は1/20くらいまでの範囲だろうと思える。だから、その製造サプライヤーの損失としては、ダンパーステー2本の原価で¥1,000とディーラーの工賃分、たぶん余裕も含め、工数0.2h(12分)と云うところじゃないだろうか。だから、工数と合わせて、1台¥2,500で事務経費なども余裕みて1台¥3,000とすれば300万台で90億円とまあまあの金額になる。
ところで、こういう部品のリコールというのは、公式にはその製造業社が明らかにされない場合が多い。さて何処のメーカーだろうかと考えたとき、おそらくサスペンションのダンパーを製造している企業だから、カヤバ辺りかなと思いつつ、Net検索すると、以下の記事がヒットした。
つまり、ダンパーではそこそこの知名度あるショーワで、確かホンダ系の企業だったなと、見ていくと、ショーワの全株はホンダが持っていたが、日立オートモーティブに売却し、現在は日立Astemo(アステモ)という企業になっているということだ。云って見れば、日産に全株売られたカルソニックカンセイ(現マレリ)みたいなものだ。
ただし、このホンダの株式売却が、この300万台ガスダンパーのリコール損失で生じたとは思えない。おそらく、日産と同じで本体の不調が主要因だろう。
しかし、今や300万台リコールごときで、驚くには当たらない。あのエアバックリコールで、企業身売りで名前が消えたタカタも総リコール台数は1千万オーバーだし、今も増え続けているデンソーのフューエルポンプリコールもまずはおうだいの1千万台を超えた。ただし、デンソーに取って、フューエルポンプの売り上げ占有率は微々たるものだろから、タカタの様な取り扱いアイテム数が超少ない企業とは訳が違うだろう。
それでも、今期や来期の決算には響くことは間違いないだろう。それと、何かの経済論評で見たのだが、このコロナ下でもトヨタ本体の決算内容は増益しているが、デンソーやアイシンといった一次受け(ティア1)サプライヤーは減益を示している様だ。
トヨタの協力企業に対する姿勢は、相手の原価を完全把握した上で、ギリギリの値下げと品質を要求すると云う強烈なものらしい。それと、官僚の天下りと同じで、資本の入った協力企業には高位職に人材を投入し続け、がんじがらめにする。こういうことを知りつつ、現代思想として日本の民主主義が崩れかけていく様を感じると、その元凶はトヨタにあるのではないかという思いが強まる。
-----------------------------------------------
SCOOP!! まだ続く!! ショーワ製ガスダンパー大量リコール
取材・文/神領 貢(ニューモデルマガジンX編集長) 2017.04.13
本日、スズキは国交省にアルト・ラパンをはじめ49.9万台あまりのリコールを届出た。内容は昨年の日産セレナ以来、ダイハツ、マツダなどでも同様のリコールが発表されているリアハッチバックを支えるガス封入式ダンパーの不具合だ。
これについてスズキは、「お客様には多大なご心配をおかけし申し訳ありません。改修については3カ月程度で対応します」(広報部)とコメントした。国交省自動車局審査・リコール課も「部品の在庫は用意できたと聞いている。市場が混乱しないように準備していると承知している。なお、今回は部品のサイズも小さくガス圧も小さいので破片が飛び出る可能性は小さい」と話す。
一般的に組立メーカーはサプライヤーである部品メーカーを明かさないが、マガジンXではセレナのリコールの段階から供給元がショーワ(本社埼玉県行田市)であることをつかんでいる。今回の件を同社広報担当に確認した。
「当該部品については、すでに今年2月の2016年度第3四半期決算発表時点で交換用部品についての引当てを発表済みです。部品は1仕様のみなので、臨時ラインで生産を続けており、在庫供給に問題はないと考えております」。パーツのサイズは違っても部品の仕様としてはひとつなのだそうだ。
本誌は日産、ダイハツ、マツダ、スズキ以外にもショーワ製の同型部品が使用されたクルマがあることを捕捉している。この点について訊くと、「考えられるすべての交換用部品全部について引当てを行いました。組立メーカーからの発表がない段階で、どのクルマとは申し上げられません。総交換点数も話せません」との説明だった。
ショーワのガス封入式ダンパーの不具合はもう少し続きそうだ。
取材・文/神領 貢(ニューモデルマガジンX編集長)
-----------------------------------------------
現在足代わりに使用しているタントだが、所有権を自らに移転したこの数ヶ月の間に2回もリコールの案内が来ていた。内容はバックドアの支えとなるガスダンパーステーが塗装不良により腐食して爆発して負傷する恐れがあるという内容で、既に5年位前にリコール公示されているものだ。
このバスダンパーステーのリコールは、記憶によると日産が最初だったと記憶するが、ちょっとリコール情報で検索してみると、日産関係でOEM含め100万代程度、今回のダイハツでも同じく100万台程度、それ以上は詳しく調べていないが総計で300万台程度の対象台数があるのだろう。
このガスダンパーの小売価格は¥5,000(1本税抜き)だが、製造社の元請けへの卸し価は、その1/10かそれとも最安は1/20くらいまでの範囲だろうと思える。だから、その製造サプライヤーの損失としては、ダンパーステー2本の原価で¥1,000とディーラーの工賃分、たぶん余裕も含め、工数0.2h(12分)と云うところじゃないだろうか。だから、工数と合わせて、1台¥2,500で事務経費なども余裕みて1台¥3,000とすれば300万台で90億円とまあまあの金額になる。
ところで、こういう部品のリコールというのは、公式にはその製造業社が明らかにされない場合が多い。さて何処のメーカーだろうかと考えたとき、おそらくサスペンションのダンパーを製造している企業だから、カヤバ辺りかなと思いつつ、Net検索すると、以下の記事がヒットした。
つまり、ダンパーではそこそこの知名度あるショーワで、確かホンダ系の企業だったなと、見ていくと、ショーワの全株はホンダが持っていたが、日立オートモーティブに売却し、現在は日立Astemo(アステモ)という企業になっているということだ。云って見れば、日産に全株売られたカルソニックカンセイ(現マレリ)みたいなものだ。
ただし、このホンダの株式売却が、この300万台ガスダンパーのリコール損失で生じたとは思えない。おそらく、日産と同じで本体の不調が主要因だろう。
しかし、今や300万台リコールごときで、驚くには当たらない。あのエアバックリコールで、企業身売りで名前が消えたタカタも総リコール台数は1千万オーバーだし、今も増え続けているデンソーのフューエルポンプリコールもまずはおうだいの1千万台を超えた。ただし、デンソーに取って、フューエルポンプの売り上げ占有率は微々たるものだろから、タカタの様な取り扱いアイテム数が超少ない企業とは訳が違うだろう。
それでも、今期や来期の決算には響くことは間違いないだろう。それと、何かの経済論評で見たのだが、このコロナ下でもトヨタ本体の決算内容は増益しているが、デンソーやアイシンといった一次受け(ティア1)サプライヤーは減益を示している様だ。
トヨタの協力企業に対する姿勢は、相手の原価を完全把握した上で、ギリギリの値下げと品質を要求すると云う強烈なものらしい。それと、官僚の天下りと同じで、資本の入った協力企業には高位職に人材を投入し続け、がんじがらめにする。こういうことを知りつつ、現代思想として日本の民主主義が崩れかけていく様を感じると、その元凶はトヨタにあるのではないかという思いが強まる。
-----------------------------------------------
SCOOP!! まだ続く!! ショーワ製ガスダンパー大量リコール
取材・文/神領 貢(ニューモデルマガジンX編集長) 2017.04.13
本日、スズキは国交省にアルト・ラパンをはじめ49.9万台あまりのリコールを届出た。内容は昨年の日産セレナ以来、ダイハツ、マツダなどでも同様のリコールが発表されているリアハッチバックを支えるガス封入式ダンパーの不具合だ。
これについてスズキは、「お客様には多大なご心配をおかけし申し訳ありません。改修については3カ月程度で対応します」(広報部)とコメントした。国交省自動車局審査・リコール課も「部品の在庫は用意できたと聞いている。市場が混乱しないように準備していると承知している。なお、今回は部品のサイズも小さくガス圧も小さいので破片が飛び出る可能性は小さい」と話す。
一般的に組立メーカーはサプライヤーである部品メーカーを明かさないが、マガジンXではセレナのリコールの段階から供給元がショーワ(本社埼玉県行田市)であることをつかんでいる。今回の件を同社広報担当に確認した。
「当該部品については、すでに今年2月の2016年度第3四半期決算発表時点で交換用部品についての引当てを発表済みです。部品は1仕様のみなので、臨時ラインで生産を続けており、在庫供給に問題はないと考えております」。パーツのサイズは違っても部品の仕様としてはひとつなのだそうだ。
本誌は日産、ダイハツ、マツダ、スズキ以外にもショーワ製の同型部品が使用されたクルマがあることを捕捉している。この点について訊くと、「考えられるすべての交換用部品全部について引当てを行いました。組立メーカーからの発表がない段階で、どのクルマとは申し上げられません。総交換点数も話せません」との説明だった。
ショーワのガス封入式ダンパーの不具合はもう少し続きそうだ。
取材・文/神領 貢(ニューモデルマガジンX編集長)
-----------------------------------------------