トヨタ不正車検について、ふたたび思う
このトヨタ系ディーラーで続く不正車検だが、トヨタに、またディーラーに限らず、しばらくの期間は不正工場の露呈が続くものと想定している。
ところで、今更ながら、TMT(トヨタモビリティ東京)のレクサス高輪のWEBサイトで「レクサス高輪における不正車検につきまして」という一文(添付)を見て、予想通りの要因が記されている。ただし、その対処について、ちょっと不満足な点があるものとして書き留めておきたい。
従前まで、この不正車検の問題は、数度記して来たが、そもそも短時間車検という作戦計画の時点で、マトモな検査員なら十分予見できた事態であったと思える。また、作戦開始後、ヤバイなと検査員は何度も思ったに違いないはずだが、それが繰り返される内に、もうしょうがないという慢性的な許されざる異常なることを、そうとさえ思わなくなってしまったであろうことを考える時、あまりにも検査員の役職としての無責任さを嘆かざるを得ない。
今回の事態は、指定取消で検査員は解任命令が出されることになるだろう。ただ、検査員が告訴され、起訴され刑事処分まで問われることは、ことがトヨタ自動車に関わることでもあることからない様にも思える。ただし、今後生じるであろう、類似のディーラー以外の一般民間車検工場との不整合を生じさせないという意味でも、国交省・全国支局では、見極めが難しいところもあるのではないかと想像する。
なお、本問題を考える時、検査員という役職地位が、企業内で相対的に低過ぎることに一つの要因がある様に思える。これは、先のレクサス高輪の文書中に「営業スタッフを含む店舗スタッフに対して、検査員の職務と業務について周知」などと記してある。しかし、そもそも社内の序列として、検査員の地位がそれなりに高ければ、より強い発言力で検査員は不正となることを公言して統制ができるという論理だ。ぶっちゃけ、幾ら業務を周知したところで、その役職の相対的な地位が低ければ、「何を役所みたいなことを抜かすな」という意識は変わりはしないだろう。
追記
トヨタディーラーは、既に東京はTMTというメーカー直営の巨大単一ディーラーに統合されたが、地方では地場資本ディーラーが多く、いきなり統合という訳にはならないだろう。しばらくの期間、相当な競合状態が続き、その体力勝負の中で、生き残ったディーラーで棲み分けする時代となることが予見される。これは、過去の日産とかでは、もっと悲惨な形で、半強制的に強いられた道でもある。
そんな中で、各トヨタディーラーは、生き残りを掛けて戦略を思考するしかないのだが、販売でやたら乱売(値引き)をすることもできず、そうなると規模を縮小するか、サービス売上で補うしかないと思える。このサービス売上重視の思考は、バブル崩壊以後、排ガス規制が一段落した頃から、トラック系ディーラーでは、既に顕著にその方向へ向かっていた。そうなると、一時、盛り上がったボデーリペアの内製化が、なかなか思った様な工員売上が達成できず、少し後退した感があるが、再びボデーリペアの内製化が促進する傾向を見せる可能性はある。ただし、この結果は、私の知見からすると、かなり難しいというべきものだ。そもそも、ボデーリペアというのは、部品交換だけで直るものではなく、大なり小なりリペア(修正)という作業が入って来るのだが、これに標準作業時間というべきものはなく、作業者の経験だとか適性(センス)に負うところが大であり難しいのだ。
だいたい、仮にディーラーでクルマを購入しぶつけたとしたら、ディーラーの内製工場で直すことを多くの一般消費者はそれが最善だと思うだろうが、この道を知る者には、それは決して最適解ではないと断言できる。
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トヨタ不正車検をまたやらかしていた(レクサス高輪)
2021-07-31 | 事故と事件
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/322989c5a2acb64cb1b5c868fddfd4e0
このトヨタ系ディーラーで続く不正車検だが、トヨタに、またディーラーに限らず、しばらくの期間は不正工場の露呈が続くものと想定している。
ところで、今更ながら、TMT(トヨタモビリティ東京)のレクサス高輪のWEBサイトで「レクサス高輪における不正車検につきまして」という一文(添付)を見て、予想通りの要因が記されている。ただし、その対処について、ちょっと不満足な点があるものとして書き留めておきたい。
従前まで、この不正車検の問題は、数度記して来たが、そもそも短時間車検という作戦計画の時点で、マトモな検査員なら十分予見できた事態であったと思える。また、作戦開始後、ヤバイなと検査員は何度も思ったに違いないはずだが、それが繰り返される内に、もうしょうがないという慢性的な許されざる異常なることを、そうとさえ思わなくなってしまったであろうことを考える時、あまりにも検査員の役職としての無責任さを嘆かざるを得ない。
今回の事態は、指定取消で検査員は解任命令が出されることになるだろう。ただ、検査員が告訴され、起訴され刑事処分まで問われることは、ことがトヨタ自動車に関わることでもあることからない様にも思える。ただし、今後生じるであろう、類似のディーラー以外の一般民間車検工場との不整合を生じさせないという意味でも、国交省・全国支局では、見極めが難しいところもあるのではないかと想像する。
なお、本問題を考える時、検査員という役職地位が、企業内で相対的に低過ぎることに一つの要因がある様に思える。これは、先のレクサス高輪の文書中に「営業スタッフを含む店舗スタッフに対して、検査員の職務と業務について周知」などと記してある。しかし、そもそも社内の序列として、検査員の地位がそれなりに高ければ、より強い発言力で検査員は不正となることを公言して統制ができるという論理だ。ぶっちゃけ、幾ら業務を周知したところで、その役職の相対的な地位が低ければ、「何を役所みたいなことを抜かすな」という意識は変わりはしないだろう。
追記
トヨタディーラーは、既に東京はTMTというメーカー直営の巨大単一ディーラーに統合されたが、地方では地場資本ディーラーが多く、いきなり統合という訳にはならないだろう。しばらくの期間、相当な競合状態が続き、その体力勝負の中で、生き残ったディーラーで棲み分けする時代となることが予見される。これは、過去の日産とかでは、もっと悲惨な形で、半強制的に強いられた道でもある。
そんな中で、各トヨタディーラーは、生き残りを掛けて戦略を思考するしかないのだが、販売でやたら乱売(値引き)をすることもできず、そうなると規模を縮小するか、サービス売上で補うしかないと思える。このサービス売上重視の思考は、バブル崩壊以後、排ガス規制が一段落した頃から、トラック系ディーラーでは、既に顕著にその方向へ向かっていた。そうなると、一時、盛り上がったボデーリペアの内製化が、なかなか思った様な工員売上が達成できず、少し後退した感があるが、再びボデーリペアの内製化が促進する傾向を見せる可能性はある。ただし、この結果は、私の知見からすると、かなり難しいというべきものだ。そもそも、ボデーリペアというのは、部品交換だけで直るものではなく、大なり小なりリペア(修正)という作業が入って来るのだが、これに標準作業時間というべきものはなく、作業者の経験だとか適性(センス)に負うところが大であり難しいのだ。
だいたい、仮にディーラーでクルマを購入しぶつけたとしたら、ディーラーの内製工場で直すことを多くの一般消費者はそれが最善だと思うだろうが、この道を知る者には、それは決して最適解ではないと断言できる。
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トヨタ不正車検をまたやらかしていた(レクサス高輪)
2021-07-31 | 事故と事件
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/322989c5a2acb64cb1b5c868fddfd4e0