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これがEV普及の現状だ

2021-09-21 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
これがEV普及の現状だ
 添付グラフは、米国の21年5月までの過去3年間のEV車販売台数トップ8車種の販売台数を示すものだ。

 このグラフから判ることは、これは過去3年の累計値だから、大雑把に見て、この1/3が単年度のEV販売台数になるのだろう。そこで、このグラフの8車種の合計値はおよそ60万台だから、単年度は20万台と推定できる。

 米国での自動車全体の単年度販売台数は1,700万台だから、EV車の比率は 0.012%だと知れる。これは今後増加の方向へ向かうのだろうけど、本当にEVが主流になる時代は来るのだろうか?

 さて、今回の本題は、Nissanリーフの半分程度の販売になっているBMW i3 のことを主題として記してみたい。
 この BMW i3 だが、日本でも6年前から販売しているらしいが、ほとんど見掛けることのないクルマだ。そういう点では、イタリアンスーパーカー並という見掛ける頻度からは販売台数なのかもしれない。

 しかし、この BMW i3 だが、基本シャシは前後をアルミダイキャストでサスペンションを支持する骨格を構成し、その間をアルミ引き抜き材で溶接連結するというものだ。そして、キャビンは、長尺カーボンシート(CFRPプリプレグ)を加温SMCで6面体それぞれの面を作り、それを治具で接着するという、正にプラスチックモデル風の構成になっている。また、フェンダー(前後4面)やドア(前後4面は)、カーボンインナーにPP基材の樹脂アウターパネルで、当然前後バンパーもPP基材の樹脂バンパーだから、それは現在の鋼板モノコックを使用したクルマと比べれば、丸で異なる生産設備を整えるには、偉い設備投資をしているのだろう。それが、この販売打数では、到底採算が合わないクルマということになりそうだ。

 なお、事故などボデーリペアの面で考えると、アルミパネルでもアウターパネルなどの低番手(#2000~#5000くらいまであり)アルミなら、板金修正はできるが、ダイカスト部位はクラックが入るので修理はほぼ不可能だし、引き抜き材の修理は禁じられているハズだ。

 キャビンシェルは、表面傷程度のものは修理できるが、深いクラックが入ったものは、修理は禁じられているだろう。と云うことは、大ダメージに類するものは、シャシAssyとかボデーシェルAssy見たいな高額部品の取替を予定することとなれば、見積額は容易に時価を超え全損となるので、ほとんど修理されないと云うのが現実だろう。



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BMW i3 Production - Part 3
2013/09/20
https://www.youtube.com/watch?v=htuVoxuMQFQ


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