私の思いと技術的覚え書き

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京セラと東洋紡の樹脂製品UL認証取消問題

2021-04-20 | コラム
 この2つの日本でも有数の樹脂関連製造企業であるが、今年(2021年)早々に、米UL規格の認証を取り消されているという。

 この2社の相互の関係は不明であるが、いずれも、米ULという製品の品質を認証する機関に提出する製品サンプルを正規の製品と異なるものを提出し偽証としての認証を受けていたことが発覚したことによる処置の様だ。

 この問題は、現在のところ社会的に広く認知されておらず、同2社に対する大きな問題視も受けていない様に向けられる。しかし、近年続く大企業の製品データ虚偽とか偽装と云った、連鎖の一つであり、物作りニッポンの信用・信頼を裏切る大きな問題であり看過できない問題を多分に含んでいると感じる。

 今回のUL認証に提出するサンプルにあえて虚偽サンプルを提出していたとは。しかも、この虚偽サンプルの提出は今回初めて行ったものでなく、かなり以前から連綿と続けられていた様子も伺えることに呆れる。

 そもそも、経営を何とかやりくりしてなんとか成立している企業ならともかく、今回の2つの企業とも相当の大企業であり、そんな狡すること自体が考え難いのだが、実際にそれが行われていたということなのだ。

 確かめてもいないが、この2社共、社是だとか企業ポリシーには、さも立派な文言が羅列されていることだろう。しかし、こういう事件が発覚してみると、そんな文言はすべて机上の空論に過ぎず、取り扱っていた従業員にとっては、狡しようが通れば良いと云う極めて低い認識というか、良識が欠落していたとしか思えない。

 これで、我が社のコンプライアンスが云々にしているのだから、せせら笑うしかないのだが、古来日本の物作りの生真面目さを知る者としては、確実に日本人としての劣化が進行していると改めて感じるところだ。





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