私の思いと技術的覚え書き

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ネジ頭の話

2016-09-29 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 ネジ頭と云うと、ある程度太いネジになると6角形状のボルトが一般的だ。一方小径ネジでは、マイナスやプラス(十字)形状が従来一般的だったが、最近はトルクス(ヘックスローブ)という規格のネジ頭を使用しているものが増えてきているのはご存じの通りだ。

 このトルクスネジですが、国産車ではエアバッグが装着し始められた頃から、該当モジュールの組み付けに使用されだした様に感じている。一方輸入車では、国産車に比べ採用時期も早く使用箇所も多く、多種類のトルクスビット(ソケット)や同ドライバーを用意しておかないと、修理がままならない。

 このトルクスネジの利点について触れてみる。従来ネジではマイナスネジのセンタリングし難さを、プラスネジで改善し生産効率※を上げることができたのだが、プラスネジはある程度の垂直荷重をを与えないと滑ってしまいボルトの頭を痛めてしまうという欠点があった。これをトルクスの6角星形の形状により、ほとんど垂直荷重なしで大トルクの締め付けまたは緩めが可能となるのが利点だろう。なお、ボルト(ビス)に直接触れられないような奥深いヶ所でも、ネジのビットへの保持性がプラスやマイナスに比べ良好な点も、利点となるのだと思える。

 話しはトルクスから外れますが、似た様な形状のネジ頭として、スプラインビットと云うのがある。VW車(ということはアウディも)などに、ところどころ使われていて、ちょっと見てトルクスだと思い込んで緩めようとすると、大体滑ってネジ頭を痛めてしまう。トルクスは6角星形だが、このスプラインビットは12角とずっと細かいスプライン形状をしているからだ。

※かの本田宗一郎氏が本田技研の創業から間もない時期、ヨーロッパ視察旅行でポケットにプラスネジを忍ばせて帰国し、以後同社の生産効率改善に役だった話しは有名だ。

※2:写真の右がトルクスビット、左がスプラインビット。


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