私の思いと技術的覚え書き

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チタン風マフラーカッターの焼き色の不思議(焼け色の嘘)

2019-09-13 | 車両修理関連
 表題のことなのだが、クルマにちょっとでも関心あるドライバーなら、誰しも写真1の様なマフラー出口の焼き色風な姿を多く見るだろう。愚人は、これを見る都度に、マフラー出口は大気に触れるわけだからして、高温になりようがなく、違和感持つなぁと眺めているのだ。

 そんな思いを持ちつつ、今日のささやかな業務でバスのリレーを取替作業(このことは別に記すつもり)をしていると、ちょうど折良くスポーツバイクが至近に止まっているので眺めつつ、マフラーの焼き色を写真(2、3)に記録していた。それから程なくして、当のバイクのライダーが現れたので、ちょっと次の様な会話をしてみた。

愚人:ねぇ、このマフラーチタン製ですよね?
ライダー:そうです。
愚人:新品の時は、こんな焼き色なかったですよね?
ライダー:そうです、以前、ロングツーリングの時、ちょっとカッ飛ばしたらこんな色になりました。

 ということで、高負荷運転で、排気音が上がった故に、マフラー配管の高温部位に焼け色が入ったことが理解された。しかも、観察すると最も排気温度が高いと想像されるシリンダーヘッドの排気ポート近くは、ヘッド側で冷却放熱するから、焼け色は生じていない。そして、ポートから少し離れた、特に排気管が曲がった部位に熱負荷が多く作用したことが見て取れる。ちなみに、マフラー出口の開口部付近に焼け色はまったく生じていない。

 そんなことで、Netでちょっと調べてみたところ、チタンマフターの焼け色とは、チタン表面に酸化チタンの膜厚(無色透明だそう)ができることで、入射光線が、酸化皮膜で反射する光線と、チタン地金で反射する光線が干渉して色を生じること。そして、酸化皮膜の膜厚で発する色味が変化することを今更理解したのだ。

 なお、この酸化皮膜を付ける方法、つまり着色しる手法だが、大気中で加温により昇温する大気酸化法と、酸化溶液中で電流を流す陽極酸化という2種があることを知った。なお、想像だが、ペイントで再現している手法もあると思える。






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