私の思いと技術的覚え書き

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ラーメン構造とは

2011-06-06 | 技術系情報
 ラーメン構造とは中華風味の構造ではありません。構造体の結合部が、動かない様に剛結された構造体をラーメン構造と呼ぶのだそうです。また、構造体の結合部が滑接(ピン)結合され、三角状の柱の組み合わせで構成されたものをトラス構造、部材を面として構成したものを壁構造などがある様です。
※ラーメン (Rahmen)とは、ドイツ語の語源で結合を意味する。

 さて、ラーメン構造ですか建築等にも一般的に採用されますが、もっと身近なものとして、自動車用モノコックボデーが該当するといえます。モノコックボデーでは、大きな力が作用する部材間程、大きな接合面積としたり、ガセットやパッチ、リインフォースメントと呼ばれる補強板を追加したりして結合剛性を高めています。
 そんなラーメン構造体ですが、走行中に負荷される応力を部材間に広く分散し、耐えることができます。また、衝突の際に付加される塑性変形を伴う高応力も、同様の原理で耐えつつ衝突エネルギーを吸収します。
 ところで、クルマの骨格構造には、モノコック構造(すなわちラーメン構造)と、トラック系車両に使用される独立したシャシフレームを持ったものとがあります。衝突事故等の大入力を受けた際、シャシフレーム構造では、シャシフレームの全体が、捻れたり、菱曲がり(クロスメンバーが直角でなく斜めにかしぐ状態)が生じることがあります。一方、ラーメン構造体では、結合部が剛結され、隣接部位に力を伝え合うものの、車両全体に捻れや菱曲がりを生じることは、一般的にありません。
 もし、車両の前部入力により、後方など相当離れた部位にまでに何らかの変位が生じていたとすれば、それは前部への入力が作用したというより、構造体自体のマス(重量)による慣性力による影響による現象である場合が多いことを経験します。



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