私の思いと技術的覚え書き

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こういうAT損傷(損壊)もあると知る 再掲

2022-05-09 | 車両修理関連
※本事案は再掲するが、通常Pレンジ以外では外れるパーキングロックが、DもしくはRレンジで解錠されなかったがために、TMケースに大幅な亀裂が入りオイル漏れまでが生じたという故障だ。

 今日(2/14)の夕刻前のこと、旧知の板金工場に立ち寄った際、修理屋稼業(現在では純な整備屋ではないが)40年をして初めて見たATケースの損傷というか損壊だろうを見たことを書き留めてみる。
 折からリフトアップしてあるダイハツムーブ(L185S)だが、ATケース(アルミ)が割れフルード(オイル)が漏れている。どうしたのと質すと、「駐車場所から動かそうとDおよびRレンジに入れ替えても、エンジンは唸るがぜんぜん動こうとせず、その内にバキンという破壊音がして動く様になったが、オイル漏れを生じており、この通り(フルード漏れのこと)さ。」とのことであった。

 確かに、ATケース左ドライブシャフトに隣接する、たぶんアウトプットシャフト心央と思われる周辺のアルミケースが長大に亀裂が入っている。この原因について、拙人は以下の様に想定した。

 エンジン始動はおそらくPレンジで行ったであろう。(PもしくはNしかスターターは廻らない)そして、Dレンジにしたが、何の理由かまでは現状では判りかねるが、パーキングロックが外れない状態が継続したのであろう。しかも、Rレンジに切り替えても同様症状だったというから、ロック機構にもギヤと同じく多少のバックラッシュがあるから、パーキングロックは外れなかったと云うことだろう。想像だが、ロックツメの押し込みはレバー作用だろうが、開放はレバーダイレクトでなく、リターンスプリングを介しているのかもしれぬとも想像する。それが、ロック爪のバリだとか、打痕による摺動の悪化だとか、そもそもリターンスプリングの折損(疲労破壊)が生じており、ロックが開放されないで今回症状が起きたのだろうと想像してみた。なお、破壊音後に動く様になったのは、ケースの損壊でロックがフリーの状態になったと推察できる。

 ところで、拙人は預かったクルマで動かす際に破壊させたとすれば、「弁償しなくちゃマズイんではないの?」と質したのだ。その返事は。いやいや元々ATの調子が悪いとのことで預かっているんで、いいんだととのんきなものだ。さらに、当事者は、こんなクルマのATは幾らでも解体屋に転がっていると思い込んでいる様なので、拙人は「このクルマ4WDだよねぇ、安く中古の出物あるかいな?」と発言すると、「FF用トランスアクスル乗せてFFにしちゃうから」とか云ってるんで、「あのねぇ、そんな簡単にいく訳ないでしょ。トランスアクスル側のマウントは絶対違うし、そうなるとクロスメンバーから違ってくる。その他、様々なセンサーの問題などが出てくる可能性があり、そんな簡単に考えるのは大間違い。」とたしなめた次第だ。







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