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 私の思いと技術的覚え書き

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日本共産党が示す歴史観

2020-04-30 | コラム
 コロナ自粛でPC前で過ごすことが多くなり、種々の想念が生まれてくるのだが、中でも腹立たしく思うのが、今次病変の創出国は間違いなく中国だろうが、この国に寄り添う政治家、官僚そして大企業経営者共の非国民さのことだ。

 世に様々な政治体制があるが、共産主義という学術的理想主義に基づいた実験国家がかつてのソビエト連邦であり、現在の中国、北朝鮮と云うことであろう。ソ連やその衛星国家は既に総て政治破綻している訳だが、これら旧共産主義国や現在も共産党を政治体制にしている国に共通のことがある。それは、国家体制樹立と共に、徹底的に言論の自由を奪い、不満分子による再革命をブロックしつつ、矯正施設への投獄や虐殺を繰り返して来た点であろう。つまり、共産党絶対という正義の名において、国民の自由を奪うことにより政治体制の維持を第1義として行って来たのが共産主義の必然だったのだろう。

 さて、本論であるが、日本は言論や主義主張の自由の理念の中で、共産主義も法的に排除することなく日本共産党という政党が生き残っている。戦前の日本では、革命による国家転覆を目指す党として、共産党は認められず徹底的に排除されてきたのだが、現在でも排除し続けている国は多い。その様な世界情勢の中で、我が国では日本共産党が戦後再樹立され現在に至っている。その共産党のかつての書記長(最上位権力者)たる不破哲三の戦争史観に関する記述が、下記の同党のHP内に存在している。つまり、この歴史観が、現在でも同党の戦争思考と考えて良いのだろう。

日本は正しい戦争をやった” 子どもたちにこう思いこませる教育が許されるか
ここに『歴史教科書』問題の核心がある 不破哲三 2001年7月15
https://www.jcp.or.jp/web_policy/2001/07/post-249.html

 この日本共産党の自虐史観というべき歴史認識を読み、慄然とせざるを得ないというのが拙人の思いだ。ここで、最近読み続けている論者で、未だ30代と比較的若い大学教授であるが、極めて理知的で、既に高齢の入口に立つ拙人の思いを、さらに強く補強してくれる2冊の本を著者と共に紹介したい。

・日本人の歴史哲学        岩田温著
・人種差別から読み解く大東亜戦争 岩田温著

 ここで、著者はその国の歴史哲学(広義の歴史認識)は、過去、現在、未来へと連綿と続く縦の中で生まれるのだと述べている。この例として、著者は明治維新の要となった最重要リーダーたる西郷隆盛が何故、戊辰戦争という反乱を起こしたのかを論じている。拙人は、30代くらいに著名作家の司馬遼太郎の小説や論評を各種読んで来た。その中で司馬は、明治維新が適ったとき、西郷南州翁の頭の中は空っぽだったと切っている。また、先の大東亜戦争の要因として、「大正末年、昭和元年ぐらいから敗戦まで、魔法使いが杖をポンとたたいたのではないでしょうか。その森全体を魔法の森にしてしまった。」などと、具にも付かない非論理な記述を行っている。司馬小説に入り浸っていた当時は、そんなものかと納得しないが軽く考えていたのだが、とんでもない偏向思想を日本人に植え付けた、邪悪が潜んでいたと現在では回想するのだ。

 岩田氏は、上記の西郷南州翁の思いを、明治維新の大義は、黒船に代表される欧米諸国の侵略すなわち植民地化を怖れてのものだったと論じている。そして、維新後、ただただ欧米先進国の科学技術をキャッチアップしようと、先の縦の歴史認識から逸脱した行動をし出す、維新達成の仲間達のことを冷めた目で眺めていたと論じるのだ。その上で、後世に自らの歴史認識の一貫性の正当性を示したいと負けると判っていながら反乱の行動を起こしたのだと論じているのだ。

 大東亜戦争については、岩田氏は我が国の大義は、人種差別撤廃にあったと述べている。これは、それ以前に米国に移住した日本人の差別扱いとか、欧米諸国が古くは南米から、アジア、そしてアフリカまで、ぶんどり合戦の如く侵略と植民地化、そして奴隷を売り買いする所業に対し、1アジアの被差別国として、欧米諸国に大義を唱えたものの、総てを否定され続け、おまけに包囲網たる圧力を受け続け、例え負けても日本の心は残るだろうと開戦に踏み切ったのだと論じているのだ。
 ここからは私見だが、先勝国たる米国は、戦後東京裁判という茶番劇を設定し、7名のA級戦犯を断定した。しかし、米国がこの戦争で行った、一般民衆を対象にした、東京大空襲(一晩で10万余の死者)、恐らく白人同士の国なら行うことなかった原爆実証実験たる広島、長崎への原爆投下(およそ20万死者)などを行った。占領後は、旧体制での様々な歴史的文書を焚書(ふんしょ:焼き捨て:焚書開封:西尾幹二著)として市場から回収、現在にも尾を引く言論規制(失われた言語空間:江藤淳著)などを行った。さらに、その国の憲法に関わり、予め草案を作り、それに沿うことを強いて日本国憲法を制定させた。これらは総て戦争犯罪に該当することなのだ。


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