私の思いと技術的覚え書き

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BMW車でPDC異状修理のこと

2013-11-14 | 車両修理関連
 最近のクルマというのは(異状とも感じられる程に)走行に直接関係が希薄な各種の電子装備が装着されているものです。そんな中にBMW車でのPDC(Park Distance Control)があります。これは他社での、クリアランスソナーとかコーナーセンサーと呼ばれるものと類似した機能のものです。

 BMWのPDCでは、車両前後バンパーに4ヶ所ずつのPDCセンサーが装着され、車両前後の数m~数十センチの間のクリアランスを、警告音の変化とカーナビ兼用のモニター画面へグラフィック表示するといったものです。

 ところで、今回のPDC異状を生じたBMW車は、エンジン始動する都度「PDCシステムが異状です。ディーラーで整備を受けてくれ・・・」みたいな表示がされ(別にPDCなんかどうでもいいけど)、その警告が煩わしいと感じられるものでした。

 このPDCやクリアランスソナーなどは、センサー内部に圧電セラミック素子が利用され、一定の短時間の間隔で超音波域のパルス電圧を印加させ超音波を発信し、次のタイミングで発信した反射波を捉えることで、音速(約340m/sec)から対象物までの距離を補足するといった仕組みだということ程度は知っていました。

 ところで、この様な電子システムですが、現在は殆どのシステム毎にダイアグノーシス(自己診断機能)を保有しており、先の様な警告を表示すると共に、ODBという規格の故障コードリーダーもしくはスキャナー(読み取り機)により、各種の異状コードの読み出しや、記録された異状コードの消去ができる様になっています。しかし、多車種に対応したコードリーダーは、数十万円を越える程に高額で、一般のクルマ好きが趣味の範囲で購入できるものではありません。なお、比較的低額の数万円程度のコードリーダーはエンジンおよびトランスミッションなど(いわゆるPコード)のみに対応が限定されており、シャシやボデーの各種装備品には、高額なコードリーダーしか対応していないのが実態の様です。その様な中、今回BMW専用を歌った7千円程度の中国製コードリーダーがあることを知り、アマゾンから入手しテストしてみました。

 その結果は、PDCエラーの原因はセンサーの Front Rigit(左側から2つ目のセンサー)と表示され、エラーを消去しても直ちに再エラーとなります。この様な場合、センサー自体が原因の場合もあれば、ハーネス(配線関係)に問題を生じている場合もあります。そこで、該当のセンサーを他のセンサーと位置を変えて再テストしたところ、やはり同一のセンサーが不良との結果でセンサー不良が明らかと判断できました。


 まあ、修理するには新品のセンサーを調達すればいい訳ですが、どうやら3万円を越える価格の様です。それもバカらしいと暫し思案・・・。十年以上前に購入し組み立てていない超音波距離測定の電子キット(たぶん数千円だった)があったことを思い出し、該当のセンサーを実車のものと比較してみました。寸法的には、ちょうど良い大きさで組み込めそうです。但し、外部の露出部分が電子キットのセンサーは網目で、このままでは差異が目立ってしまいます。そこで、網目の外側に同じ大きさの樹脂の薄板を接着し、近似色で塗装し組み上げました。

 そんな間に合わせの修理品を車両に組み付け、コードリーダーを接続、故障コードを消去しました。故障コードは問題なく消去され、システムのエラーの再表示もされなくなりました。車両前方の人間に前後左右に移動してもらい、車両のディスプレイの表示を見るという簡易的なテストでも、ほぼ違和感なく動作しておりOKです。

 ということで、PDCエラーは修理完了となった訳で、やはり対応したコードリーダーがあったればこそだったと思います。なお、今回入手のBMW専用のコードリーダーですが、2011年頃までのBMW車(ミニも含む)に対応したもので、本来の購入目的はエアバッグランプの消去に利用したいというものでしたが、当然こちらも問題なく消去できました。



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