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SONYのEV進出をどう考えるべきか

2022-01-05 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
SONYのEV進出をどう考えるべきか
 既に従前からSONYがEVおよび当然のこと自動運転車の方向を目指す姿勢があることは公表されていたのだが、今春にも新会社「ソニーモビリティ株式会社」を設立すると報じられた。

 これをどう見るかだが、テスラが先鞭を付けて,既に新規自動車メーカーとして、ある程度の実蹟を上げている様に、EV化と云うのは、新規車両メーカーの進出への難易度を一定引き下げたというところだろう。

 このことは、F1とかル・マンなどのレーシングマシンの世界を考えて見れば判る。現在は車両メーカーがワークスレーシングとしてマシンを開発する事例はやや減ったが、現在でもエンジンは、それなりの車両メーカーがベースを作らないと難しい部分がある。かつて、コスワースDFVという3L・V8エンジンがあったが、コスワース社がすべてゼロから開発した訳でもない。そこにはフォードのブロックがベースにあり、様々な技術や資金援助があり、あのコスワースDFVは生まれたのだと理解している。つまり、車両メーカーとなるには、エンジンおよびその制御だとかトランスミションおよびその制御など、極めて大型投資とキャリアが必用なのだろう。ところがEVは、制御の部分もある意味、パラメーター(要素)が単純で、トランスミションも不要となる。だから、新興車両メーカーであるテスラが一応量産車たるモデルSとかモデル3までを発売するに至れたのだろう。

 しかし、テスラもモデルSからモデル3への発売に掛けては、量産台数の桁数が数桁上がるというところで、ある次期生産が軌道に乗らず、企業存亡の期間を乗り越えていることに注目しておくべきと思える。つまり、量産車をマスプロダクションするには、スーパーカーなどの少量生産車とは異なる、生産技術というべき壁があると云うことだろう。これが達成できない限り、到底コストを吸収できず、価格パフォーマンスある商品としての完成車はできないということだろう。

 だから、そういうリスクだとか困難さを考えると、LSIなどで云うところの、コンセプトおよびシステム設計だけを行うファウンダーをめざし、車両の生産はひたすらハードの受託生産を行うファウンダリーに任せたい(と云うか日本のことわざにある「人の褌で相撲を取る」)をやりたがる様子が伺えるのが、GoogleとかAppleなんだろうと想像している。
 しかし、EVメーカーも既に、米GMとアマゾンの協業の「リビアン」とか、テスラをスピンアウトした人物による「ルーシット」が、中国では「BYD](比亜迪)というのが登場している。今回のSONYの宣言は、リスクを掛けてこれら新興EVメーカーに追随しようとするものだが、何処まで成算があるのだろうか。正直、現在公表されている情報からは、SONYのEVに従来の常識から大きく飛び出す革新的なものもないというイメージを受けてしまうのだが・・・。筆者は実物を触れた機会もないが、SONY系列のゲーム機(プレステ)にグランツーリスモというカードライビングシミュレーターゲームがあり結構マニアがいる様だが、そんな上っ面のギミックとリアルな実車の信頼耐久性とはかけ離れた世界に思える。



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ソニーがEV事業の子会社「ソニーモビリティ」設立へ、事業本格化に向け
1/5(水) 11:30配信 Impress Watch
 ソニーグループは、今春、EV(電気自動車)事業を展開する新会社「ソニーモビリティ株式会社」を設立する。5日(日本時間)、米国ラスベガスの展示会「CES 2022」に先立つプライベートイベントで発表した。

 ソニーグループ株式会社 会長 兼 社長 CEOの吉田憲一郎氏は、EVのプロトタイプ「VISION-S」の第2世代を披露。安全性、適応性、エンターテイメントという3つを示した同氏は、同社のEVが5Gのような通信ネットワークを経由して「車両を継続的に進化させることが可能。ソニーはモビリティを再定義する」と語った。そして新会社設立により「ソニーのEVの市場投入を本格的に検討する」とした。

 第2世代のプロトタイプ「VISION-S 02」はSUVタイプで、初代と共通するEV/クラウドプラットフォームを採用。360度を把握するLiDARセンサーを採用し、ToF方式の画像センサーで、ドライバー認証、乗客を見守る機能が用意される。またジェスチャーコマンドや音声コマンドに対応する。

 吉田氏のプレゼンテーションでは、あらためて同社のスマートフォン「Xperia PRO-I」なども紹介された。


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