秋葉原事件を初め、考えられない様な凶悪事件が起こる現代です。ところで、そこまで社会を揺るがせる様な事件ではありませんが、電車やバスといった乗り物内等で生じた事件で、このところ私が目に留めた凶悪暴行事件の報があります。(下記)
これら事件は、ある程度の衆人環境下にあると想像される中で生じていますが、何故に見ていた誰も止めたり通報したりが出来なかったかと思うことなのです。この犯罪者は正に獣でありますが、もしかしたらヤクザ絡みの人相風体等から相当に周囲を威圧する雰囲気が相当にあったのかもしれません。
それじゃあ、あなたなら出来たのかと問われれば、その場に居た訳ではないですから、出来ますと自信を持って云える訳ではありません。しかし、見ていて何も出来なかったとすれば、きっと後で自責の念に駆られることと思います。
話しは若干変わりますが、電車のホームから転落した人を助けるため、進入する電車を前にして捨て身の行動をとり、その方も亡くなったという事件を過去に耳にしたことがあります。類似のことで思い出すのは、20年近く以前の東京勤務だった頃、本社のメール室の身障者の方が、やはりその様な捨て身の行動を取られた結果、その様な身体となったという話しを聞きました。もし、私がその様な場面に出くわしたら、たぶん身がすくんでしまい、その様な行動は取れはしないでしょう。情けないことです。
・JR乗務員に暴行…被告、初公判で犯意を一部否認 ?毎日新聞2008/7/30
JR東海道線を走行中の電車内で今年3月と4月、女性乗務員に性的暴行を加えたなどとして、強姦(ごうかん)罪などに問われた川崎市川崎区桜本1の飲食店従業員、今井卓哉被告(34)の初公判が30日、横浜地裁(村上博信裁判長)で開かれ、今井被告は「おおむね間違いありません」と起訴事実を認めた。3月の事件は「強姦しようとしたわけでない」と犯意を一部否認した。
今井被告は公判で「『殺す』と脅迫はしていない」とも主張。一方、4月の被害者が「携帯電話で写真を撮られ『ばらされたくないよね』と言われた。記憶から消え去ってほしい」と訴える供述調書が読み上げられた。
検察側の冒頭陳述によると、今井被告は4月2日早朝、東海道線下り電車内で、グリーン車勤務の乗務員を「静かにしろ、殺すぞ」と脅してトイレに連れ込み、性的暴行を加えた。3月27日早朝も暴行目的で乗務員を襲い、2週間のけがをさせた。
・携帯注意され男性死なす 暴行男を送検 伊勢新聞2008/3/29
走行中のバス車内で二十六日夕、携帯電話での通話を注意し、暴行を受けた四日市市小杉町、職業不詳鈴木護さん(61)が翌朝死亡。松阪署は二十八日、暴行の現行犯で逮捕していた多気郡大台町佐原、無職中田義一容疑者(58)を傷害致死の疑いで、津地検に送検した。
調べでは、中田容疑者は二十六日午後四時四十分―同四十五分ごろ、松阪競輪場発―松阪駅前行きのチャーターバスの車内で、鈴木さんに携帯電話の使用を注意されて立腹。胸ぐらをつかんで座席に押さえつけるなどの暴行を加えた。
鈴木さんは、署員の事情聴取を受けている最中、突然倒れ、心停止状態に。救急車で病院に搬送され、いったんは蘇生(そせい)したものの、約十三時間後の二十七日午前六時すぎに死亡が確認された。
三重大での司法解剖の結果、死因は化膿(かのう)性腹膜炎と判明。中田容疑者に首を圧迫されて低酸素状態となって心停止し、蘇生した際に血流の影響で腹膜炎が引き起こされた結果、死亡したという。
暴行の現行犯で逮捕していた同署は司法解剖の結果を踏まえ、中田容疑者の暴行が鈴木さんを死なせる結果を招いたと断定。容疑を傷害致死に切り替え、津地検へ中田容疑者の身柄を送った。調べに対し「えらいことをしてしまった」と動揺しているという。
一方、松阪署は逮捕当初、その時点で意識不明となっていたにもかかわらず、取材に「被害者にけがはない」と説明していた。その後、容疑者の暴行が原因で被害者は死亡したが、「切り傷など目立った外傷がなく、暴行と倒れたことの因果関係がはっきりしなかったため」と釈明している。
松阪競輪場から松阪駅に直行するチャーターバスの中で、暴行は起きた。当時、競輪帰りの約三十人が乗車していたが、死亡した鈴木さんを助ける人はいなかったという。運転手についても口論には気付きながらも、暴行までは分からず、事件を防げなかった。
松阪署やバス会社などによると、トラブルが発生したのは松阪駅に到着する数分前だった。最前部の座席で携帯電話で通話する中田容疑者に対し、すぐ後ろの座席の鈴木さんが注意。中田容疑者は「なんじゃ」などと逆上し、鈴木さんの胸ぐらをつかんで座席に押さえつけるなどした。
暴行は、バスがターミナルに到着し、ほかの客がすべて降りた後も続いていた。運転手が仲裁に入ったが、収まらなかったため一一〇番通報。駆けつけた署員は中田容疑者を暴行の現行犯で逮捕する一方、鈴木さんから話を聴いた。直後、鈴木さんは倒れ、半日後に帰らぬ人になった。