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 私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

ロールスロイス・エンジニアリング

2016-06-24 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 YouTubeで(BMW)ロールスロイスのプロダクション風景を眺めた。クルマとしてはまったく興味の対象から外れるが、およそ4、5千万円もするクルマは如何に作られているのかという点は感心を持つところだ。

 車体はオールアルミボデーモノコックだが、主要骨格の組み付け治具へのセットからして手作業、スポット溶接も手作業、ミグ(アルゴン)によるプラグ&連続溶接も手作業と、およそ現代のマスプロダクションとは無縁の世界だ。特に驚いたのは、クオーターピラーとルーフの継ぎ目のおよそ30cmを、ミグ連続溶接(手作業)し、ボデーヤスリで平滑仕上げを行うという光景だ。街の板金工場だって、ダブルアクションサンダーなりで仕上げるのが普通の光景だ。

 しかし、車体の組み立てとED塗装までをドイツで、それをイギリスの本社工場へ移送し、上塗り塗装から艤装を行うという手間ひまを掛けている。移送は専用治具に固定して行うのだろうが、移送中のキズや汚れが品質に及ばぬように、さらにコストを要していることだろう。

 エンジンやドライブトレーン、サスペンションAssyをボデー下方から上方にリフトさせて組み付けるのは、マスプロダクションカーの常識通りだが、解説ではこの作業(タクト)に1時間を要すという。だぶん量販車なら5分の作業だろう。

 とにかく、塗装ラインを除いて大規模な治具やシステムは皆無で、ハンドツールと手作業の連続である。前後のガラスは当然接着だが、この接着剤の塗布すら、手作業で行い、吸盤付きの補助スタンドはあるというものの、2人での位置合わせによる作業なのだ。

 製造ロッドの少なさ故の大規模な機械化を行っていないのだろう。これなら5千万円しても高くはないなと思えるが、逆に数が少なすぎて5千万でも大して儲からないと想像してしまう。

余談
 BMWのロールスロイス製造に刺激を受け、二匹目の泥鰌を獲ようとダイムラーではマイバッハを発売した。だぶんマイバッハはロールスほどの(無用な)手間ひまは掛けていないとは思う。しかし、私だけの体験であるが、今までロールスは何台か見たが、マイバッハを見たのは1台だけである。ダイムラーの思惑通りには売れてはいないと見る。しかし、ロールスおよびマイバッハ、クルマとしては流麗という言葉とは無縁な、むしろ滑稽とすら感じるデザインイメージのクルマではある。

https://www.youtube.com/watch?v=zpX8hbSjJco

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