クルマのリコールは、近年一度のリコールで大量のリコール台数が生じるものが増えています。これは、車種間において部品の共通化がなされているためです。そんなリコールの中で、昨年5月30日にリコール発表された、トヨタの舵取りリンク機構に関わるリコール(届出番号:リコール 国-1663-0)については、9車種の合計で565千台余という膨大なリコール台数を生じています。
このリコールの内容なのですが、ステアリングギヤとステアリングコラムシャフトを連結するインターミディエイトシャフトの強度不足で、据え切り操作等を繰り返すと当該部品に亀裂を生じると云うものです。しかし、この強度不足が生じた背景を想像してみると、実に幼稚な設計がこのリコールを生んだことが想像されるのです。それは、これらクルマにはコラム部に電動パワーステアリングが採用されているのですが、それににも関わらず従来のステアリングギヤ内蔵のパワーアシスト付き車と同じインターミディエイトシャフトを流用したためであると想像されるのです。つまり、パワーアシスト機構が、インターミディエイトシャフトの上部にあるか下部にあるかで、インターミディエイトシャフトに生じる負荷は相当に異なるにも関わらず、同一部品を流用してしまったことに根本要因があると想像されるのです。
近年、日本車の新型車開発設計においては、CAD等コンピューターシミュレーションを駆使しつつ、2年程度で開発を終了すると云われています。この様な急速な開発設計においては、市場における十分な耐久性を網羅する、さらに過酷な耐久性テスト等が不足しているのではとも想像されてしまいます。
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