私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

海外シフト

2010-12-03 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険

 恒常的ともなったと云える円高問題ですが、これをトリガーとして我が国の基幹産業とも云える自動車メーカー等の海外工場の進出が再加速している様です。自動車などは、単にそのメーカーだけの問題ではなく、関連する部品メーカー(サプライヤー)までを含めると、膨大な生産資源が海外にシフトして行くことになります。
 曰く、日産がインドでマーチを生産とか、マツダや三菱がタイでの完成車生産を近く開始するとかの話題です。この様な日本メーカーの海外進出は、今に始まったことではないですが、ここに来て再加速し出したとの感を持ちます。
 もう一つの気になることとして、世界でトップクラスと云われる我が国のマザーリングマシンの海外シフトが始まろうとしていることです。機械を加工するための機械であるマザーリングマシンと云われるジャンルの我が国の製品群は、日本の機械製品が優れている理由の一つとして、マザーリングマシンの精度が大きく関与していると云われてきました。
 そんなマザリングマシンの最高峰とも云えるマシニングセンタ部門で最大手の森精機製作所(本社名古屋)が、海外工場進出を決定したと報じられています。森精機では、より高精度なものは日本で作り続けるとアナウンスしてはいますが、長期的に見て単に空洞化のみならず、製品開発の競争力にも影響を与えて行くだろうことが感じます。
 話しは、ちょっと変わりますが、液晶パネルだとか汎用記憶用IC(DRAM)のジャンルは、元来は日本のお家芸商品だった訳です。しかし、今やその生産量において韓国に遅れを取っている現状にあります。しかし、これら製品を生産するためのマザーリングマシンともいえる光学製品であるステッパーと呼ばれる製品は、我が国のニコンが大きなシェアを持っているのです。ニコンでもデジカメなどのコンシュマー製品は、当然のこととして海外生産をしています。しかし、根源に保持するデバイス素子の微細加工技術までを海外シフトする時代が近い将来来るのかもしれません。


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