私の思いと技術的覚え書き

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逆アリゲータ型って判りますか?(2009/02/25記事一部加筆訂正)

2019-10-15 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 アリゲータ型とか逆アリゲータ型と聞いて、「何のこと?」と思われた方、「あなたのクルマの知識はまだまだまだです」ということになります。そうです、これはボンネット(フロントフード)の開き方をワニの口の開き方の摸して表現なのです。

 そこで、逆アリゲータ型のボンネットというのは、ヒンジが前部にありボンネット後部から開くという方式です。このタイプは、過去には採用しているクルマが結構多かったのですが、最近はとんと見なくなりました。

 この逆アリゲータ型ですが、走行中に何らかの理由でボンネットが開いても、全開となって前方視界を損なうことはないということが一番の採用理由だったのです。しかし、次の様な理由からほとんど絶滅するに至ったのだと想像します。
①エンジン関係の特に前部付近の整備が非常に行い難い等のデメリットが生じること。
②前部の衝突時に、ボンネットが後方移動することで、フロントガラスを突き破って、乗員の安全を損なう恐れがあること。

 ボンネットの後部にヒンジがあるアリゲータ型ですが、万が一の走行中のボンネットロックが開放状態になっても、セーフティラッチが設けられていますから、まず全開となることはありません。しかし、事故の衝突初期にセーフティラッチ部が破壊されてしまい、その時点で速度がまだ高いと云った場合は、思いっ切りボンネットが全開となり、ボンネットがまくれ上がって、ルーフ前端と接触しているというケースを見ることもありました。

 ところで、アリゲーター型ボンネットの開く角度ですが、通常は45度から60度程なんだろうと思います。もっとも、三菱ジープだとかランドクルーザー(40系)など、ルーフ先端部に当たる(寄り掛かる)まで開放することができます。また、ベンツ車では、ヒンジ部のストッパーを動かせば、ボンネットをほぼ垂直にまでできる様になっており整備性を高めている伝統があります。

 ついでに似た様なことですが、現在の左右ドアのヒンジですが、ほとんど前ヒンジですが、かつては後ろヒンジのクルマがありました。これも乗り降りし易さでは、後ろヒンジに利があり採用されていたのでしょうが、安全性から前ヒンジが普及したのだろうと思います。但し、最近のロールスロイスの後部ドアは、後ろヒンジで設計されていますが、希な例と云えましょう。



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