私は中古BMW(320i・通称E46型)を、約5年程前からマイカーとして仕事兼用で使用しています。現在の走行距離数は5万キロ程度です。スポーツグレードであるMテクモデルではなく、通常のモデルです。従って装着されるタイヤも195/65R-15サイズの普通のものです。
しかし、その走行フィーリングの魅力には、感心することが多くあります。比較的低速度での乗り心地は、一般的な国産車より若干硬くは感じます。しかし、スポーツサス等にダンパーを交換したり車高を落としたクルマに比べれば、十分良好なものであると感じます。そして、速度を上げるに従い、良好で安定した乗り心地へと変化して行きます。
装着されているタイヤサイズ等からも、計測器で得られる絶対値としての最大旋回Gは、大したものではないと思います。そして、ステアリングの切り始めの初期応答が、特に鋭いのかと云えばその様なこともありません。しかし、気に入っているところは、比較的狭い道のワインデング路を若干飛ばし気味に走行した際の、ステアリングフィールの気持ち良さです。ロール量そのものは決して小さいものではありませんが、ステアリングを右へ左へと切り返した際等、特にスムーズで安定したステアフィールを感じます。そして、かなり飛ば気味のコーナンリング中で相当のロールが生じている時に路面のギャップを乗り越えた際でも、たっぷりとしたサスストロークが吸収し、不安を増すこともありません。また、コーナリング中のステンアリングの切り足し、切り戻しも極めて正確でスムーズなものと感じます。この様な時に、昨今の電動パワステ車にあるような引っかかる様なフィールは皆無です。この様なワインデング路では、まさにBMW社がいう「駆け抜ける喜び」と云った表現がマッチングする瞬間でもあると感じます。
エンジンは2200ccのNAエンジンですから、出力は大したものではありません。従って、絶対値としての加速性能も高いものではないと感じられます。しかし、このエンジンのフィールも、絶対値としての性能はともかく、ステアリングと同様に、気持ち良くスムーズで、ステアフィールにマッチングしたものであると感じています。
ところで、何で国産車でこの様な「駆け抜ける喜び」と云ったものを感じさせてくれるクルマが少ないのかと思います。それは、もしかすると計測器で得られる数値(振動、騒音、ハーシュネス等)だけを追求した結果ではないかとも思ったりもします。なお、日本のテストドライバーの感性が特に悪いとは思えません。しかし、それらテストドライバーの評価が受け入れられない、その製造メーカーの土壌と云ったものに、根本原因があるのかもしれない等とも想像されます。
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