私の思いと技術的覚え書き

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レインフォースメントとは(複合材と最近のクルマの構造)

2012-02-05 | 技術系情報
 レインフォースメント(Reinforcment)とは、補強材と云った様な意味で、本来の強度部材をさらに補強する目的で使用される材料や部品のことを指します。クルマにも各種のレインフォースメントが使用されていますが、まずはそれ以外の構造物にも使用される複合材(composite material)、具体的には鉄筋コンクリート(RC:reinforced concrete)やFRP(fiberglass reinforced plastics )についてを記してみましょう。

 建物等に使用されるRC構造ですが、圧縮強度が高く引っ張り強度が低いコンクリートに、鉄筋のレインフォース材を鋳くるんだ複合材とすることで、高い強度の建築物ができる訳です。また、従来のFRPと呼ばれる強化プラステイックは、レインフォースとしてのガラス繊維に、樹脂基材となるポリエステル樹脂を混浸させ硬化させたものです。ここで従来のと記したのは、近年のFRPはC-FRPと呼ばれるものが、比強度の要求される部位に採用される例が増えていることを指してのことです。C-FRPでは、同断面積のの鋼線より高い引っ張り強度を持つカーボン繊維を、やはり従来のポリエステル樹脂より高い比強度を持つエポキシ樹脂で混浸させ硬化させて作られるもので、レーシングカーや航空宇宙産業を中心に採用例は増加しています。C-FRP製品は、従来の金属製品と比べると、軽量で高い強度を有していますが、欠点は耐熱温度が比較的低いことと、高い製造コストと云うことになるのでしょう。

 クルマに使用されるレインフォースメントですが、部品名称にレインフォースと表示されるものの筆頭は、バンパーリインフォースメントでしょう。車両の前後バンパの裏側に挿入されており、衝突時に受圧する入力を受け止める働きを行うものです。また、衝突時以外の通常時も、左右のサイドフレーム先端を結合する、いわゆるラーメン構造体としてボデー強度を高める働きを持っています。なお、部品名称にリインフォースメントとは記されず、また単独パーツとしての補給もなされない隠れたレインフォースメント材は、至る所に使用されています。例えば、フロントサイドフレームは、概観からは箱断面の2枚板で構成されている様に見えますが、適当に箱を分解して見れば判ることですが、箱内には必要に応じて補強板(リインフォースメント)が挿入されています。この補強板の挿入位置は、メーカーの設計次第と云うことになりますが、例えばFF車でエンジンとかトランスミッションの荷重を受ける取り付けブラケット付近は、通常以上に応力が働きますから、補強材が入っている場合の筆頭でしょう。また、サイドフレームは後部に向かって断面積を増し、曲げ応力および圧縮応力の強度を高めていますが、さらに補強材を入れ込んで強度を高めている様なケースは多く見られることです。

 クルマのボデー関係で、その他のリインフォースメント材が使用されている部位としては、近年はサイドボデーが圧倒的に増加しました。フロントピラー、センタ^ピラーなど、中央にサンドイッチされた厚板の高張力鋼製リインフォースメント材が、現代乗用車の当然の構造となっています。特にセンターピラーについては、上部のシートベルトアンカー部はホットプレス材と云われる熱間プレス成型を施した超高張力綱が追加されるケースも見聞きします。



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1 コメント

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2012-06-18 16:53:10
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