「うぃんぐす」

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小岩

2012-07-03 | 小岩


就職するまでの20数年間を過ごしたこの街は,思い返すといろんな意味でユニークな所でした。

その1
川幅5メートルの「小岩用水」の上に(脇ではなく上),長さ300mにわたって「ベニスマーケット」という商店街があった。要するに用水路の上に板を敷き,その上にずらっと商店が並んでいたわけ。

床下が「川」,板の隙間から水が見える,幅5m長さ300mの商店街。商店の間口は1.8m(1間)くらいだった。

普通の商店街は道の両側にある。しかしここは背中合わせ状態の商店街。商店街の両脇が道,それが延々300m

このマーケットが昭和37年まで現存していたというところが凄い。

当時まだ4歳だったけれど,ここの様子は鮮明に記憶している。



その2
高射砲陣地およびその関連施設があった。砲の台座は少なくとも自分が東京を離れる頃まで残っていた。
陣地に併設されていた兵舎(?)がそのまま街区となり,中学校の同級生がたくさん住んでいた。この街区ひとつで「街」として完結しているような雰囲気がなかなかよかった。

その3
あちこちに唐突に池があった。祖母の話だと,その多くは爆撃の跡らしい。中学校1年生頃までは,ここでタナゴが釣れた。

その4
お相撲さんが普通に街を歩いていた。当時は相撲部屋密集地帯だったので,買い物カゴを持った若手力士に八百屋や魚屋で遭遇することが日常だった。
銭湯で出会うと,改めてその背中の大きさに圧倒された。土手で泣いている力士もいた。遠くから来たんだろうと,子供心に思った。


いつかここへ帰るんだ。(Take)





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