最近、留学ビザを申請したのに日本の入管で不交付になったと相談にやってくる学生がやたらに多くなった。日本入管は要注意国として中国、ミャンマー、バングラデシュ、モンゴルを指定し、その国籍者が留学ビザ・就学ビザを申請する場合、厳格審査と称して以下の書類を提出させている。
1.在留資格認定証申請書 2.写真 3枚 3.履歴書(ミャンマーの教育制度の通り5-4-2となっていること。小学校入学が5歳であること。学歴にブランクがないこと。ブランクがある場合はその説明および証明書をつけること。)
4.最終学歴を示す証明書(身分証明カードと証明書の生年月日が異なる場合は、その事情説明および宣誓書が必要)とそれぞれの日本語訳。
5.日本語能力を示す証明書(4級以上)6.経費支弁者の預金残高証明書(ミャンマー語で書かれている場合はその日本語訳)
7.経費支弁者の預金通帳の写し(過去3年分)(一度に大量入金がある場合はその事情説明。参考資料として資産の売買契約書および領収書など。全て日本語翻訳必要)
8.経費支弁者の収入証明書(過去3年分)(政府など公的機関が発行したもの。)
公的な証明ができない場合は、資産形成過程を説明した説明書とその日本語訳。
陳述書に添付する売買契約書、不動産権利書などとその日本語訳。
9.経費支弁者の納税証明書(過去3年分)(政府など公的機関が発行したもの。)
納税領収書の控えとその日本語訳。
10.経費支弁者の在職証明または事業許可証と日本語訳。(許可証は有効期間が残っていること)
11.本人と経費支弁者の関係を証明する書類(住民票または身分証明で関係を立証できない場合は、関係を証明する宣誓書とその日本語訳。)
12.住所を証明する書類(住民票)と日本語訳。
13.本人を証明する書類(身分証明カード)と日本語訳。
14.学歴を証明する書類(卒業証書など)の真偽確認。日本の学校がミャンマーの学校に 電話をかけて、卒業証書が本物かどうかを確認する。
学生によっては一人で100ページ以上にもなる膨大な書類の束を提出させ、それを入管が3ヶ月も時間をかけて審査するのである。これだけの膨大な書類を申請者が費用と手間をかけて完璧に揃えたとしても、ミャンマー国籍の場合は不交付になることが多いのである。以下はその不交付の理由のサンプルである。
1.大学在学証明書に修正液で直したあとがある。→不交付
2.身分証明カードと高校卒業証書の誕生日が異なる。→不交付
3.ミャンマーの教育制度では小学校が5年、中学校が4年、高校が2年であるはずなの に、履歴書にそうなっていない。→不交付
4.高校卒業証書の卒業した年と発行日が著しく異なる。→不交付
5.銀行残高が少ない。(支弁能力がないとみなされる)→不交付
6.収入証明書では収入がたくさんあるのに、税金は少ししか納めていない。収入証明書 は信用できない。→不交付
7.UFL(ヤンゴン外国語大学)の卒業証書に写真がない。
(他の大学では写真がある)→不交付 (次回からは交付されるようになった)
8.ミャンマーでは満5歳で小学校に入学するのに4歳で入学している。経歴に疑義あり →不交付
9.大学で英語を専攻したのに、なぜ日本へ行きたいのかわからない。留学目的に疑義あ り→不交付
10.UFLを日本語専攻で卒業したのに、なぜ日本語学校でもう一度日本語を勉強するのか わからない。→不交付
11.事業許可証の有効期限が切れている。→不交付
12.収入証明を親が自分で作成しているので、信用できない。公的機関が作成すること →不交付
13.高校卒業証書の日付の字がかすんでしまい、見えない。→不交付
14.銀行通帳のコピーがうすくて見えない。→不交付
15.銀行通帳のコピーに字を改ざんした跡がある。→不交付
16.日本語学校で勉強したい理由が不明確。→不交付
17.経費支弁者が不適当(経費支弁者が友人であったり、親族関係でも血縁が薄い人で はだめ)→不交付
18.送金方法が不明確(ミャンマーの銀行から送金すると書いている。実際は不可能)
→不交付
19.住民表には民族が「中国人」と書いてあるのに、他の書類には「ビルマ人」となっ ている。→不交付
20.履歴書にはMODERN TECHNOLOGYを勉強したいと書いているのに、就学理由ではデザイ ンを勉強したいと書いている。矛盾している。 →不交付
21.銀行通帳に一度に大量に入金している。事情説明なし。 →不交付
22.日本語能力4級の証明書がない。→不交付
23.日本語を何時間勉強したかの証明書がない。(規則では150時間必要です)→不交付
24.高校を卒業したあと、大学に入学するまでに2年ある。この期間に何をしたかの説明 がない。→不交付
25.大学を卒業してからもう5年以上経過している。なぜ今、日本へ行きたいのか理解で きない。→不交付
26.なぜ日本に留学したいのか、理由がはっきりしていない。→不交付
27.名前が高校卒業証書ではMAUNG なっているのに、住民票ではU となっている。名前が違う。(どちらも男性を表す敬称です。)→不交付
28.申請書類の住所と住民票の住所が異なる。→不交付
29.大学在学証明書や成績証明書の発行日付が古い(3ヶ月以内でなければならないとい う規則がある)→不交付
30.高校卒業証書の写真と申請書の写真が同じである。高校は10年前に卒業したのだか ら、この写真は古いはずである。写真も3ヶ月以内のものでなければならない)
→不交付
31.履歴書に書いてある家族の人数と住民票の人数が異なる。→不交付
32.経費支弁書の筆跡と学生の筆跡が同じである。学生自身が書いたものではないか。経 費支弁書は支弁者自身が記入しなければならない。→不交付
33.経費支弁書の支弁金額が少ない。例えば1ヶ月3万円の生活費では少ない。→不交付
34.高校卒業証書に疑義がある。→不交付 35.大学卒業証書に疑義がある。→不交付
36.銀行残高証明に疑義がある。→不交付37.銀行通帳の写しに疑義がある。→不交付
38.送金方法の記述に疑義がある。→不交付
39.高校卒業から大学入学まで8ヶ月のブランクがあり、その間の経歴が書いていない。 (履歴に疑義あり)→不交付
40.収入を証明する書類に信憑性がない。→不交付
41.以前提出した日本語証明書と今回のものと署名の筆跡が異なる。
(その二つの署名は私の署名だったが実際は同じ。)→不交付
42.高等学校卒業証書の写真がはがれている。偽造の疑いあり。
(実際は自然にはがれてしまったもの)→不交付
こんな「間違い探し」「あら探し」する時間があるなら、もっと効率的な審査方法を考えるのが先決ではないか。要するに「経費支弁能力がないのでしょう?」と疑っているのである。それなら、2年分の学費、生活費を学校または資金管理団体に一括納入させ、毎月学生に振り込むとか方法があるのではないか。
前回、日本語学校で不交付だった学生が勉強を頑張って日本の大学に申請した。大学には合格だったが入管でまた不交付となった。その不交付理由は「前回の不交付理由の説明がない」というものだった。自分たちが勝手に不交付しておきながら、なんで学生が不交付理由を説明しなければならないの?
(つづく)
1.在留資格認定証申請書 2.写真 3枚 3.履歴書(ミャンマーの教育制度の通り5-4-2となっていること。小学校入学が5歳であること。学歴にブランクがないこと。ブランクがある場合はその説明および証明書をつけること。)
4.最終学歴を示す証明書(身分証明カードと証明書の生年月日が異なる場合は、その事情説明および宣誓書が必要)とそれぞれの日本語訳。
5.日本語能力を示す証明書(4級以上)6.経費支弁者の預金残高証明書(ミャンマー語で書かれている場合はその日本語訳)
7.経費支弁者の預金通帳の写し(過去3年分)(一度に大量入金がある場合はその事情説明。参考資料として資産の売買契約書および領収書など。全て日本語翻訳必要)
8.経費支弁者の収入証明書(過去3年分)(政府など公的機関が発行したもの。)
公的な証明ができない場合は、資産形成過程を説明した説明書とその日本語訳。
陳述書に添付する売買契約書、不動産権利書などとその日本語訳。
9.経費支弁者の納税証明書(過去3年分)(政府など公的機関が発行したもの。)
納税領収書の控えとその日本語訳。
10.経費支弁者の在職証明または事業許可証と日本語訳。(許可証は有効期間が残っていること)
11.本人と経費支弁者の関係を証明する書類(住民票または身分証明で関係を立証できない場合は、関係を証明する宣誓書とその日本語訳。)
12.住所を証明する書類(住民票)と日本語訳。
13.本人を証明する書類(身分証明カード)と日本語訳。
14.学歴を証明する書類(卒業証書など)の真偽確認。日本の学校がミャンマーの学校に 電話をかけて、卒業証書が本物かどうかを確認する。
学生によっては一人で100ページ以上にもなる膨大な書類の束を提出させ、それを入管が3ヶ月も時間をかけて審査するのである。これだけの膨大な書類を申請者が費用と手間をかけて完璧に揃えたとしても、ミャンマー国籍の場合は不交付になることが多いのである。以下はその不交付の理由のサンプルである。
1.大学在学証明書に修正液で直したあとがある。→不交付
2.身分証明カードと高校卒業証書の誕生日が異なる。→不交付
3.ミャンマーの教育制度では小学校が5年、中学校が4年、高校が2年であるはずなの に、履歴書にそうなっていない。→不交付
4.高校卒業証書の卒業した年と発行日が著しく異なる。→不交付
5.銀行残高が少ない。(支弁能力がないとみなされる)→不交付
6.収入証明書では収入がたくさんあるのに、税金は少ししか納めていない。収入証明書 は信用できない。→不交付
7.UFL(ヤンゴン外国語大学)の卒業証書に写真がない。
(他の大学では写真がある)→不交付 (次回からは交付されるようになった)
8.ミャンマーでは満5歳で小学校に入学するのに4歳で入学している。経歴に疑義あり →不交付
9.大学で英語を専攻したのに、なぜ日本へ行きたいのかわからない。留学目的に疑義あ り→不交付
10.UFLを日本語専攻で卒業したのに、なぜ日本語学校でもう一度日本語を勉強するのか わからない。→不交付
11.事業許可証の有効期限が切れている。→不交付
12.収入証明を親が自分で作成しているので、信用できない。公的機関が作成すること →不交付
13.高校卒業証書の日付の字がかすんでしまい、見えない。→不交付
14.銀行通帳のコピーがうすくて見えない。→不交付
15.銀行通帳のコピーに字を改ざんした跡がある。→不交付
16.日本語学校で勉強したい理由が不明確。→不交付
17.経費支弁者が不適当(経費支弁者が友人であったり、親族関係でも血縁が薄い人で はだめ)→不交付
18.送金方法が不明確(ミャンマーの銀行から送金すると書いている。実際は不可能)
→不交付
19.住民表には民族が「中国人」と書いてあるのに、他の書類には「ビルマ人」となっ ている。→不交付
20.履歴書にはMODERN TECHNOLOGYを勉強したいと書いているのに、就学理由ではデザイ ンを勉強したいと書いている。矛盾している。 →不交付
21.銀行通帳に一度に大量に入金している。事情説明なし。 →不交付
22.日本語能力4級の証明書がない。→不交付
23.日本語を何時間勉強したかの証明書がない。(規則では150時間必要です)→不交付
24.高校を卒業したあと、大学に入学するまでに2年ある。この期間に何をしたかの説明 がない。→不交付
25.大学を卒業してからもう5年以上経過している。なぜ今、日本へ行きたいのか理解で きない。→不交付
26.なぜ日本に留学したいのか、理由がはっきりしていない。→不交付
27.名前が高校卒業証書ではMAUNG なっているのに、住民票ではU となっている。名前が違う。(どちらも男性を表す敬称です。)→不交付
28.申請書類の住所と住民票の住所が異なる。→不交付
29.大学在学証明書や成績証明書の発行日付が古い(3ヶ月以内でなければならないとい う規則がある)→不交付
30.高校卒業証書の写真と申請書の写真が同じである。高校は10年前に卒業したのだか ら、この写真は古いはずである。写真も3ヶ月以内のものでなければならない)
→不交付
31.履歴書に書いてある家族の人数と住民票の人数が異なる。→不交付
32.経費支弁書の筆跡と学生の筆跡が同じである。学生自身が書いたものではないか。経 費支弁書は支弁者自身が記入しなければならない。→不交付
33.経費支弁書の支弁金額が少ない。例えば1ヶ月3万円の生活費では少ない。→不交付
34.高校卒業証書に疑義がある。→不交付 35.大学卒業証書に疑義がある。→不交付
36.銀行残高証明に疑義がある。→不交付37.銀行通帳の写しに疑義がある。→不交付
38.送金方法の記述に疑義がある。→不交付
39.高校卒業から大学入学まで8ヶ月のブランクがあり、その間の経歴が書いていない。 (履歴に疑義あり)→不交付
40.収入を証明する書類に信憑性がない。→不交付
41.以前提出した日本語証明書と今回のものと署名の筆跡が異なる。
(その二つの署名は私の署名だったが実際は同じ。)→不交付
42.高等学校卒業証書の写真がはがれている。偽造の疑いあり。
(実際は自然にはがれてしまったもの)→不交付
こんな「間違い探し」「あら探し」する時間があるなら、もっと効率的な審査方法を考えるのが先決ではないか。要するに「経費支弁能力がないのでしょう?」と疑っているのである。それなら、2年分の学費、生活費を学校または資金管理団体に一括納入させ、毎月学生に振り込むとか方法があるのではないか。
前回、日本語学校で不交付だった学生が勉強を頑張って日本の大学に申請した。大学には合格だったが入管でまた不交付となった。その不交付理由は「前回の不交付理由の説明がない」というものだった。自分たちが勝手に不交付しておきながら、なんで学生が不交付理由を説明しなければならないの?
(つづく)