先日、オオシオカラトンボの幼虫と同じ場所で捕れたミヤマアカネの終齢幼虫です。旭川市を含む「道北地区」では、おそらくオオシオカラトンボと同じで、温泉地でのみ見られる赤トンボです。典型的なアカネ型のヤゴで側棘が短く、形体的にはヒメアカネ幼虫と似ています。通常、今時期の北海道でアカネの終齢幼虫が捕れることはまず無いのですが、温泉地という条件が本種幼虫の孵化、成長を早めたのだと思われます。
シオカラトンボ、シオヤトンボ幼虫ととても良く似ていて、かなり紛らわしいです。しかし、北海道では本種は温泉地を主な生息地としており、温泉が僅かに流入するような小川やそれに関連した小さな溜まり、池沼に生息しています。よって、前2種とはほぼ生息環境で棲み分けがなされていますが、局地的にシオカラトンボ、シオヤトンボとの混棲地が見られるので、そのような場所では背棘があればオオシオカラ、シオヤトンボで、終齢幼虫はオオシオカラが一回り大きく、背棘が無ければシオカラトンボということになります。若齢、中齢幼虫ではほとんど見分けがつきません。
オゼイトトンボは混棲するエゾイトトンボ幼虫とよく似ており、尾鰓の形も柳葉状で紛らわしいですが、若干幅広で先端に丸みがあり中央分節が不明瞭な点で見分けることができます。また、複眼がストライプ状に見えるのも特徴の一つです。
それにしても、この手の幼虫の撮影は本当に難しいですね。体色が薄く主だった模様も無いため、どんなに頑張ってもコントラストの無いのぺっとした写真になってしまいます。全体的にぼけた印象でなんかいまいちですね(汗)。シャープに写せるいい撮影方法はないものでしょうか。
それにしても、この手の幼虫の撮影は本当に難しいですね。体色が薄く主だった模様も無いため、どんなに頑張ってもコントラストの無いのぺっとした写真になってしまいます。全体的にぼけた印象でなんかいまいちですね(汗)。シャープに写せるいい撮影方法はないものでしょうか。
なんとも迫力のある、恐ろしげな顔つきのヤゴですね(笑)。これは先日、道トンボ研のY氏より撮影用にと送られてきたオオヤマトンボの終齢幼虫です。本種は大きく水深のある池沼を主な生息地としており、幼虫はそのような環境の深い場所で生活しているため、なかなか採集することができません。久しぶりに手にしたオオヤマ幼虫は実に見事な風格で、大きく存在感たっぷりのヤゴでした。う~ん、格好イイ・・・・・・・・・・・
これで、今年は最後のブログ更新となりました。この一年間、当ブログを覗いて頂いた方々には本当に感謝です!皆様、良いお年をお迎え下さい。そして、来年も宜しくお願い致します。
エゾイトトンボは道内では最も普通に見られるイトトンボの仲間ですが、イトトンボの幼虫はどれも皆同じ様な体型をしていますので、慣れなければほとんど見分けがつきません。イトトンボ科の仲間の同定は、主に尾鰓(びさい)と呼ばれる腹端部にある3枚の鰓の形状や模様で行いますが、本種の尾鰓には明瞭な中央分節があり、この有無で混棲するルリイトトンボやオゼイトトンボと見分けます。
エゾイトトンボは道内では最も普通に見られるイトトンボの仲間ですが、イトトンボの幼虫はどれも皆同じ様な体型をしていますので、慣れなければほとんど見分けがつきません。イトトンボ科の仲間の同定は、主に尾鰓(びさい)と呼ばれる腹端部にある3枚の鰓の形状や模様で行いますが、本種の尾鰓には明瞭な中央分節があり、この有無で混棲するルリイトトンボやオゼイトトンボと見分けます。
どうです!?この見事なイナバウアーっぷりは(笑)。ここまで反り返ることにどんな意味があるのか良く分かりませんが、手足をギュっと折りたたんで完全に固まっていますね。本種はこのような状態で、時には数分間も死んだふりを決めこみます。
やけにトゲトゲしい容姿のヤゴで、捕らえると体を反らして「死んだふり」をします。流水性のヤゴでものにしがみつく力が強く、流木や岸辺に生える植物の根際などに掴まって生活しています。ミルンヤンマの幼虫とも良く似ていますが本種は一回り大きく、より棘の突出が目立ちます。
ヤゴ:北海道トンボ研究会TONE氏提供
ヤゴ:北海道トンボ研究会TONE氏提供
道内では主に湖や河川中流域に生息する中型のサナエトンボで、生息地は局地的。混生するモイワサナエ、コオニヤンマとは体型や触覚の形で簡単に見分けることが出来ます。道北地区ではかなり生息地の限定される種で、旭川市内では採集記録がありません。
ヤゴ:北海道トンボ研究会TONE氏提供
ヤゴ:北海道トンボ研究会TONE氏提供
本種は非常に得意な体型をした大きなヤゴなので、他種と見間違うことはまずありません。
道内では主に河川中流域に生息しますが、湖などの大きな止水環境に生息する個体群も知られています。木の葉の様な極端に扁平な体型で川底に張り付くようにして生活しています。
ヤゴ:北海道トンボ研究会TONE氏提供
道内では主に河川中流域に生息しますが、湖などの大きな止水環境に生息する個体群も知られています。木の葉の様な極端に扁平な体型で川底に張り付くようにして生活しています。
ヤゴ:北海道トンボ研究会TONE氏提供
主に河川源流~上流域にかけての水のきれいな環境に生息し、早い流れの中で石や岩などの下に隠れて生活しています。黒く特徴のある形をしたヤゴで、捕らえるとギュッ、ギュッ・・・・・・・・・・・・・・・と音を出します。幼虫期間がセミ並に長いトンボとして知られており、成虫になるのに7~8年もかかると言われています。
がっしりとした体型の重量感のあるヤゴで、体の表面には細かい毛が沢山生えています。普段は川底の砂や砂礫の中に潜って生活しており、砂の中から顔だけを出して頭上を通過する獲物を狙います。幼虫期間は本州方面では5年ほどと言われていますが、道内産のオニヤンマはほとんどの個体が3年で成虫になります。
ミヤマカワトンボの幼虫をぎゅっと縦に押しつぶしたような印象のヤゴで、妙にバランスの悪い体型をしています。旭川市内では幼虫、成虫共にミヤマカワと同じような環境から採集されることも多いですが、本種はやや下流域を主な生息場所としているようです。
それにしても、ミヤマカワ幼虫の触覚は本当に長いですね!これは、本種が触覚に頼った狩をする為で、この長さが獲物との「間合い」になるわけです。触覚で触れたものに対する餌認識力はハンパなく高く(笑)、一瞬で判断して捕らえます。
スラっとした体型の大きなヤゴで、ヤンマ幼虫よりも大きく、触覚が長大なのが特徴です。
腹端には尾鰓(びさい)と呼ばれる3枚のえらがあり、これはカワトンボやイトトンボの仲間に共通する特徴でもあります。主に河川の上流域に生息し、岸際に生える植物の根元や石の裏面などにつかまって生活しています。
腹端には尾鰓(びさい)と呼ばれる3枚のえらがあり、これはカワトンボやイトトンボの仲間に共通する特徴でもあります。主に河川の上流域に生息し、岸際に生える植物の根元や石の裏面などにつかまって生活しています。
北海道ではコサナエと並び最もポピュラーなサナエトンボで、河川上流~中流域に普通です。普段は砂礫や砂底に浅く潜るようにして生活しており、条件の良い場所では大量に採集されることがあります。ちなみに道内にはサナエトンボの仲間は、寂しいことにコサナエ、モイワサナエ、ホンサナエ、コオニヤンマの4種しか生息していませんので、サナエ科の同定は簡単に行えます。