オニヤンマの♀は非常に長大な産卵管を持っており、この剣状に大きく突き出した産卵管を、飛びながら砂礫に突き刺して産卵します。道内ではオオルリボシヤンマと本種は同じ位の大きさですが、やはりこの産卵管を含めるとオニヤンマの♀が道内では最も大きなトンボと言えそうです。
オニヤンマは人に対してあまり警戒心の無いトンボで、この手の大型種にしては珍しく、非常にのんびりとした性格の持ち主です。♂は細い流れの上や山道上を低空でゆっくりと飛び、決まったコース内を往復飛翔して縄張りを確保しますが、顔に似合わず本当に人懐っこく(笑)、わずか数センチ先を余裕で飛んでたりします。・・・・・・・採集者によっては容赦ない輩もいるので、長生きしたければ、愛嬌もほどほどにね~。
ここ数年、旭川市内ではクロアゲハ系が妙に目立つようになりました。こんなに沢山いたっけ?と思うくらい多くなったような気がします。ギンヤンマなどの個体数もそうですが、温暖化の影響は決して否定できないと感じています。
で、このミヤマカラスアゲハ。集団で水辺や水溜りなどで吸水する性質を持っています(集団吸水するのは♂だけだとか・・・・・・)ので、山間でトンボ撮影をしていると良く見かけます。大きくて綺麗なアゲハですね。
で、このミヤマカラスアゲハ。集団で水辺や水溜りなどで吸水する性質を持っています(集団吸水するのは♂だけだとか・・・・・・)ので、山間でトンボ撮影をしていると良く見かけます。大きくて綺麗なアゲハですね。
コオニヤンマの♀はかなり太身で、♂よりも大きく見えます。
市内での個体数は増えたとは言え、まだまだ数は少なく生息地も限定されています。特に♀を見かける機械は少なく、産卵も主に夕方に行われているようです。
市内での個体数は増えたとは言え、まだまだ数は少なく生息地も限定されています。特に♀を見かける機械は少なく、産卵も主に夕方に行われているようです。
コオニヤンマは国内最大のサナエトンボで、ヤンマクラスの大型種です。
元々旭川市内では個体数の多いトンボでは無かったのですが、ここ数年は増加傾向にあるようです。本種の特徴は何と言っても体の大きさに対して複眼が小さいことで、我々人間に置き換えると羨ましいくらいのモデル体型の持ち主です。複眼上部の突起も格好イイですね。
元々旭川市内では個体数の多いトンボでは無かったのですが、ここ数年は増加傾向にあるようです。本種の特徴は何と言っても体の大きさに対して複眼が小さいことで、我々人間に置き換えると羨ましいくらいのモデル体型の持ち主です。複眼上部の突起も格好イイですね。
モノサシトンボは大型のイトトンボで、周囲に立木のある木陰の多い環境を好みますが、旭川市内では比較的良く開けた池沼にも棲みついています。
成虫、幼虫共に行動は俊敏でなく、特に幼虫はとっても動きがスローです。幼虫は捕らえると手足を折りたたんで擬死(死んだふり)をします。
成虫、幼虫共に行動は俊敏でなく、特に幼虫はとっても動きがスローです。幼虫は捕らえると手足を折りたたんで擬死(死んだふり)をします。
結局この場所から羽化が確認できたのは、シオヤトンボ、シオカラトンボとルリボシヤンマの3種のみでしたが、驚かされるのはなんと言ってもルリボシヤンマの乾燥に対する回避能力です。
本種の幼虫期間は3~4年とされていますので、ここで羽化した幼虫は少なくとも3年間は、この不安定な環境で命をつないでいたことになります。本種の幼虫は水が干上がってしまうと、湿った水ゴケの間や石の隙間、枯れたスゲの間などに入り込んで乾燥から身を守っているのです。写真の個体はルリボシヤンマの♀終齢幼虫ですが、わずかに水気の残る水ゴケ内から発見されました。
本種の幼虫期間は3~4年とされていますので、ここで羽化した幼虫は少なくとも3年間は、この不安定な環境で命をつないでいたことになります。本種の幼虫は水が干上がってしまうと、湿った水ゴケの間や石の隙間、枯れたスゲの間などに入り込んで乾燥から身を守っているのです。写真の個体はルリボシヤンマの♀終齢幼虫ですが、わずかに水気の残る水ゴケ内から発見されました。
7月初旬、水溜りの水が完全に干上がってしまいました。
このヤゴはアキアカネの終齢幼虫ですが、本種の場合、こうなってしまってはもうどうしようもありません。基本的にアカネ、イトトンボ系のヤゴには乾燥回避能力が備わっていない為、干上がってしまった環境下では次のまとまった雨までじっと耐えるしか無く、ほとんどのヤゴが命を落としてしまいます。このヤゴも次の雨まで持ちこたえることは出来なかったと思われます。事実、この環境からはアキアカネ、ノシメトンボの羽化は確認できませんでした。
このヤゴはアキアカネの終齢幼虫ですが、本種の場合、こうなってしまってはもうどうしようもありません。基本的にアカネ、イトトンボ系のヤゴには乾燥回避能力が備わっていない為、干上がってしまった環境下では次のまとまった雨までじっと耐えるしか無く、ほとんどのヤゴが命を落としてしまいます。このヤゴも次の雨まで持ちこたえることは出来なかったと思われます。事実、この環境からはアキアカネ、ノシメトンボの羽化は確認できませんでした。
この場所は粘土質の土壌で水はけが悪く、絶えずじめじめとした場所となっています。所々に車が乗り入れた際に出来た轍(わだち)があり、小さな水溜りをいくつも形成していますが、一年中水があるというわけでは無く、真夏の渇水期になると、干上がってしまうことも度々ある非常に不安定な水溜り環境です。
しかし、こんな過酷な環境下にもトンボの幼虫は棲みついています。この場所からはイトトンボ類、アカネ類、シオヤトンボ、シオカラトンボ、ルリボシヤンマの幼虫を見付けることが出来ました・・・・・・・果たしてその運命は!?
しかし、こんな過酷な環境下にもトンボの幼虫は棲みついています。この場所からはイトトンボ類、アカネ類、シオヤトンボ、シオカラトンボ、ルリボシヤンマの幼虫を見付けることが出来ました・・・・・・・果たしてその運命は!?
クロイトトンボは旭川市内ではエゾイトトンボに次いで、イトトンボの仲間では二番目に個体数の多いトンボです。エゾイトトンボやオゼイトトンボのように湿地環境にも好んで飛来するというわけではありませんが、開放水面の多い池沼では極めて個体数の多いトンボです。
こちらは同じ日に撮影したニホンカワトンボの交尾です。本種はミヤマカワトンボの♂ほど丹念なディスプレー行動は見られませんが、やはり♀に対して求愛行動をとります。
それにしても、見事な「ハート型」ですね。偶然とは言えトンボの交尾(愛)はハート型のように見えることが多いようです。
それにしても、見事な「ハート型」ですね。偶然とは言えトンボの交尾(愛)はハート型のように見えることが多いようです。
カワトンボの仲間の♂は縄張り内で♀を見付けると、他のトンボのようにいきなり飛びかかって連結するのでは無く、♀に対して求愛のディスプレーをし、♀がそれを受け入れた時点で連結/交尾が成立します。
私の観察によると、♀はより条件の良い産卵場所を常に求めているようで、場所によっては♂が数匹の♀を確保するという、ハーレム状態になることもあります。
私の観察によると、♀はより条件の良い産卵場所を常に求めているようで、場所によっては♂が数匹の♀を確保するという、ハーレム状態になることもあります。
今年も旭川市内では沢山のミヤマカワトンボを見ることができました。
山間の清流上をヒラヒラと飛ぶ姿は本当に優雅で美しく、夏の暑さを忘れさせてくれます。発生のピークは6月下旬~7月下旬にかけてで、その後は徐々に個体数を減らしていきますが、年によっては9月中旬まで見ることができます。
山間の清流上をヒラヒラと飛ぶ姿は本当に優雅で美しく、夏の暑さを忘れさせてくれます。発生のピークは6月下旬~7月下旬にかけてで、その後は徐々に個体数を減らしていきますが、年によっては9月中旬まで見ることができます。