のんびりのーと「ココロコエ」dA-iki

とてもシンプルなことなんだ。
心で見るんだよ。
大切なことは目に見えないんだ。

「MOMENT」本多孝好

2009-11-28 | -日々の生活-
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死ぬ前にひとつ願いが叶うとしたら…。病院でバイトをする大学生の「僕」。ある末期患者の願いを叶えた事から、彼の元には患者たちの最後の願いが寄せられるようになる。恋心、家族への愛、死に対する恐怖、そして癒えることのない深い悲しみ。願いに込められた命の真実に彼の心は揺れ動く。ひとは人生の終わりに誰を想い、何を願うのか。そこにある小さいけれど確かな希望―。静かに胸を打つ物語。
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なかばオムニバス形式で話が進んでいきます。医療業界からの立場からら読むと、またこれはなかなか感慨深い作品です。じっさい、がんの患者さんや末期の患者さんには冗談でも、いや本気かもしれないが、「先生、私のときは最後の時は筋弛緩剤打ってなあ。犬が病気で苦しんでた時、すうってしんでいったからなあ」とか実際の患者の言葉。「人にそういうときに使う筋弛緩剤は一本、一億円するから希望するときは一億円、僕に持ってきてね」と。・・・人は人生の終わりに何を思うのか。重苦しくなっていく患者を前に、共感していくのではなく、僕だけでも最後まで患者をいい意味で向き合っていくのは不謹慎なのだろうか。まあ、人によるかなあ。
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