German Vintage Modules

ドイツ等のビンテージ業務用録音機材紹介、ラッキング、モディファイなど。

Neumann OE DUO - Mastering EQ

2009-12-01 02:07:36 | vintage gear
KAFFE DUO 2カップコーヒーメーカー ホワイト AC100V KD-1(W) KAFFE DUO 2カップコーヒーメーカー ホワイト AC100V KD-1(W)
価格:¥ 3,990(税込)
発売日:2008-12-10




2xoeduo西独Neumann社のカッティング用コンソールSP79に使用されていたマスタリング用StereoEQ - OE DUOです。

外観は既出のW495stbとほぼ同一、基本回路はそれを踏襲する3バンドEQ(High 7K / 10K / 14KHz Low 40 / 60 / 100Hz シェルビング± 2 / 4 / 6 / 9 / 15dB 、Mid 175 / 250 / 350 / 500 / 700 / 1K / 1.4K / 2K / 2.8K / 4K / 5.5KHz Q3段階切替 ± 2 / 4 / 6 / 8 / 10dB)で、W495b (mono)はIN/OUT共にトランスバランス、W495stb (stereo)はIN -トランスバランス、OUT - トランス外付なのに対して、それらのネクストジェネレーションであるOEシリーズは、ピンアウトには如何にもバランス仕様のようなアサインがされていますが、モジュール内部でCold-0VはジャンパーされていますのでIN/OUT共にアンバランスです。

Oeduopcb入手したモジュールは片chのみカップリングコンデンサーが交換されていて左右かなり音色が違います。SP79ではDUO (stereo) の片chをカッティング本線に、もう片chを先行ヘッド用として2台のOE DUOをL-Rそれぞれ1台ずつ使用していたようです。

先行ヘッドとは聞き慣れない用語ですが、レコードの溝はレベルが大きくなると横幅が大きくなりますので隣の溝に重ならないようにカッターヘッドの送り幅を調整します。初期の頃はカッティング職人さんの勘で手送りにて行っていた時代もあるようですが、事前にどれ位のレベルがこの先に出力されるか解れば溝送りは自動調整出来ますので、カッティング用のテープレコーダーには再生ヘッドが2つ装備されています。トランスポート部をテープは複雑に掛け回される訳ですが、その2つあるうちの先に再生するヘッドを先行ヘッドと言う訳です。

そのような理由でDUOでありながらL-Rの音色がまるで違うモジュールを入手した訳ですが、とりあえず片chのみ交換されていたカップリングコンデンサーを両ch手持ちのSiemensのNOS物に揃えただけでウルトラハイスペックStereo EQの出来上がりです。音色はW495stb譲りで量感も豊かなしっかりとした低域に、中域から高域に掛けてキラリと光るような黄金期のNeumannサウンドですが、トランス無しのためか?opampの特性か?W495より若干ワイドレンジに感じられます。

その他、W495シリーズとの違いは、OE DUOにはバイパススイッチが無く、電源が±15VDCである以外には、周波数ポイント/ゲインも同一で外観上の違いはありません。

opampは、W495シリーズのHA1-4605-5、4741に対して、OEシリーズはMC1741SCP1、4741-5となっておりコネクターは両者ともTuchel T-2701です。