思考の7割と収入の3割を旅に注ぐ旅人の日々

一般的には遊び(趣味)と見下されがちな「旅」も、人生のなかでやるべき「仕事」である、という気概で旅する旅人の主張と報告。

一箱古本市の7回目の出店で、初めての受賞

2013-05-05 23:59:59 | その他趣味
3日(金・祝)の「第15回 不忍ブックストリートの一箱古本市」2日目の出店、天気は昨年の雨とは打って変わって晴れ空となり、気温も予報よりも上がって、まさに行楽日和という雰囲気のなかで楽しめた。

毎度のことながら、今回も開催にかかわった実行委員会および助っ人さんを始め、この催しの関係者の方々にはお世話になりました。(知り合いも含めて)拙店を覗いたり買ってくださった方々も、その節はありがとうございました。思いのほか晴れたおかげで、まだ花粉症の症状が多少出てしまったせいで出品物のやりとりであまり喋れなかったのは申し訳ないです。

それで、拙店「人力旅人の本箱」の結果は、売り上げは4400円。昨年の雨のなかでの2850円よりは良かった。そりゃそうか。昨年が最悪だったからなあ、それに比べたら天国のような好天であった。
例年どおりに絵ハガキも出品していたが、それはまったく売れず、古本のみ。売れた本と出品していたときの価格は以下。

・ランドネ 2013年4月号 (出版社)  300円
・ヤマビヨリ (KUJIRA、幻冬舎コミックス)  300円
・岳 15集 (石塚真一、小学館)  100円
・雪男は向こうからやって来た (角幡唯介、集英社)  700円
・野楽 二集 (のみちネットワーク)  500円
・山歩き12か月 (工藤隆雄、中公新書) 500円
・旅行けばネコ (岩合光昭、新潮文庫) 300円
・ヤマノススメ 1巻 (しろ、アース・スターエンターテイメント)  300円
・WATER WALKS (Sumiko Enbutsu・Mimi Le Bourgeois)  500円
・野宿野郎 2号 (野宿野郎編集部)  300円
・野宿野郎 5号 (野宿野郎編集部)  300円
・冒険者 忘れえぬ一言 (黒田麻由子、生活人新書)  300円

今回はマンガを多めに出してみたが、前半に女性のお客さんが多かったこともあって売れて、幸い。
しかも今回、昨年までも出品していたのにまったく見向きもされなかった本が売れた、という僕にとっては大きな異変もあった。上に挙げた12冊のうち(相変わらず少ないなあ……)、9冊は昨年も出していた本だから。なかでも『野楽 二集』と『WATER WALKS』は自費出版の本で3年ほど前からずっと入れておいたからなあ。なぜ今年になって、と不思議に思う。まあ、希少価値を見出していただけたのはありがたい。


拙店の箱は全店主の箱の公開でも触れているので、たまには箱の裏側を。

それと一昨年からだが、フリーマガジンとフリーペーパーのバックナンバーも併せて出しているのだが、今回は『フィールドライフ』と『山歩みち』のうち特に後者への反応がとても良くて、初めて見たが無料なのにこの質の高さはなんなんだ、みたいなことは10人以上のお客さんに言われたかなあ。もちろん、これがどういう意図で無料の刊行が続いているのかも解説しておいた。
そういえば言い忘れていたが、もし拙店で『山歩みち』を手に取った方でここを覗いている方がいらっしゃれば、ウェブサイトでバックナンバーの003号以降を公開中でそこから覗くこともできるので、情報収集はそちらもぜひ活用していただければ、と。先月発行の最新号の011号も近々公開されるでしょう。

これ、最近は刊行のたびに全国的に好日山荘やAIGLEをはじめ登山・野遊び関連の店の多くに配置しているが、あらかじめ興味関心を持って専門店を訪れるお客さんとは別の、そのような店に積極的に出向くほどの関心はないが、でもちょっとは登山に興味はあって気になっている、という人もたしかにいて、実際に拙店のお客さんでも一度は富士山には登ってみたいという人もいた。そういった無党派層? も取り込むためには、登山以外の媒体や場所で見せることも重要ではないかと思う。この発行元の「フィールド&マウンテン」がこのような新たな客層の拡がる可能性まで考えているのかどうかは知らないけど。
ここの業務の中心の登山道具レンタルが10年の起業から2年半で軌道に乗ってきたので昨秋にレンタル品の流通拠点を埼玉県・東浦和に拡大移転したが、フェイスブックを覗くと『山歩みち』も今年もいろいろ仕掛けてゆくらしく、今後どう拡大してゆくのかねえ(ただ僕個人的には、せっかくの良質の冊子なのに誤植が毎号目立つのが気になっちゃうので、せめてweb公開では修正して改善に努めてほしいものだ)。

そういえば、今回の出店でお世話になった「大家さん」の「アートスペース・ゲント(ギャラリー名の表記は「アートスペースGENT」)」はいつも客として巡るさいも毎回訪れるところなので馴染み深いが、出店するとなると住宅地の真ん中なので日当たりはあまりよろしくないのかなあと思っていたが、実際には箱を出すときは路地に面して南向きの位置になり、しかも太陽は真上を左から右(東から西)にちょうど真横というか水平に移動する場所のため、晴れているとずっと日向になるので予想よりも陽を浴びる時間が長くて暑かった。でもそれが新しい発見で、むしろ面白い体験だったけど。出店して初めてわかることもまだまだある。


今回お世話になったアートスペース・ゲント。太陽は路地の奥(東)から手前(西)へ路地と水平に移動していた。

で、例年であれば11時からの16時の出店が無事に終わって元も取れてめでたしめでたし、で終わるのだが、今回はここからが違った。僕は毎回出席している終了後の「打ち上げ」というか表彰式が。
例年、この場で売り上げの結果発表とともに不忍ブックストリートに深い関係者や外部からのゲストが、出店した(1日あたり50箱前後の)箱のなかから自分のお気に入りの箱を選出して賞を贈るのだが、拙店が出店7回目にして初めてそれをいただいた。
拙店への贈り主は、今年から不忍ブックストリートのイラストを新たに担当している絵描きの“はと”さんからの賞で。


「はと賞」は、メモ帳と新作の絵本。以前に“はと”さんの商売の一環として? のポストカードを不忍とは催しで買ったことがあるので、彼女の絵柄は数年前から知っている。

拙店の箱の内容は「人力」の旅、というかなりのこだわりがあり、毎回お客さんの好き嫌いがはっきり分かれそうだとは自認していて、賞なんていう華やかな扱いとはこれまでもこれからも無縁だろう、毎回「大家さん」の端のほうでこっそり出店する体が好きなのに、と決めつけていたので、こういったモノをいただけるとは驚いた。想定外。
ただこれはご本人に訊くのは忘れたがおそらく、初めて拙店の箱を覗いた方には新鮮に映ったのかと思う。主催・出店や客としては常連の方々には「あいつは今年もあんなのを出しているのかよ」と思っている人も多いのだろうが、初めて覗く人にとってはそれなりに興味を引く内容なのか、と、“はと”さんの拙店の箱の批評ぶりを聞いて、また、ああそういうところを気にするのか、と自分との視点の違いも含めて勉強になった。

実は、出店が7年連続7回目というのはやりすぎかと思うし、毎回たいして売れないので、今回も気象条件は昨年よりも良いのにもし元が取れない程度の売り上げに終わってしまったら出店は今年でやめようと思っていた。が、この受賞によってもうしばらく続けてみようかと、ちょっと欲が出てきた。2日間で100箱の出店のなかで、相変わらず売り上げでは下位の部類の箱として続くのだろうけど、拙著の行く末も考えつつ売り上げとは別の「何か」をまだ得られるかもしれないから。

ということで、例年とはちょっと違うことをいろいろ考えることとなり、別の意味で楽しい出店となった。繰り返しになるが、拙店はまだまだ続く。


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