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思考の7割と収入の3割を旅に注ぐ旅人の日々

一般的には遊び(趣味)と見下されがちな「旅」も、人生のなかでやるべき「仕事」である、という気概で旅する旅人の主張と報告。

今秋の「イッテQ!登山部」のマナスル登山、何気にイモトよりも石崎Dの登頂のほうが一大事かも

2013-11-11 00:30:15 | 登山

8日(金)から10日(日)の3日間はなぜか登山関連の番組が目白押しで、BSフジ、NHKBSプレミアム、NHK総合、BS-TBS、日本テレビ、といろいろ録画しながら観た(局名を挙げただけでなんの番組かがすべてわかる人は、かなりのマニアだと思う)。まだ観ていない番組もあるけど。3日間のその録画時間の合計は9時間超えでしたわ。今年最高の集中ぶりでしたなあ。

なかでも特に力を入れて観たのは、『世界の果てまでイッテQ!』の「マナスル登頂プロジェクト」で、イモトアヤコがネパールにある8000m峰のひとつ、マナスル(8163m)に登頂したことか。
「イッテQ!登山部」の09年のキリマンジャロ(登頂)以降、モンブラン(登頂)→アコンカグア(登頂できず)→マッターホルン(登頂。ただ、下山でヘリを使用したことは多少の物議を醸した)と、国外の登山の流れはすべて観てきているので、その集大成的な番組と成ったかも。まだ来年以降にこの企画の最大の目標はあるけれども。
しかもこれ、イモトは「登山家」や「アルピニスト」ぶるわけではなく、あくまで「芸人」としてバラエティ番組のいち企画として成立させたい思いで挑んでいて、むしろ現実味があってそれはそれで悪くない。

登山部の登山を支えるスタッフも相変わらず豪華で、イモトのほかにも今回は指導役として長らく付き添ってきた角谷道弘ガイドの昨春の大怪我からの復帰という物語もあり、こちらも興味深く観た。ほかにも今回は「国際山岳医」の認知度は徐々に高まりつつある大城和恵医師が帯同したのも大きかったかも。特にイモトの歯の治療と高所行動中の酸素使用に関しては。(番組の先月放送分で触れていたことだが)イモトはこの登山の直前にレーシックを受けて視力が1.5まで上がったことも登頂の大きな要因のひとつだと思うが、それに関する助言もあったのかしら。
いくら仕事とはいえ、登山業界でホントに実績のある有名人ばかり揃えて、隊荷は3tで、シェルパ13人とコック2人とキッチンボーイ2人というスタッフの人数で(これは10人前後で組織した登山隊による8000m峰への「極地法」による登山ではふつうの物量と人数か)、ウェック・トレックのお膳立てで山岳カメラマンは3人体制という「誰かが倒れても誰かが撮る」の充実ぶりも含めて凄いよなあ、と登山のことを多少知っている者からすると驚愕の陣容である。今春の三浦雄一郎隊のエヴェレストの1億円(9桁)以上には及ばないだろうが、かなりのお金(8桁?)がかかっているはずだよなあ。

というか、バラエティ番組として8000m峰の登頂は、テレビ開局60年の歴史では初めてのことよね(日本テレビでは1988年春の日本・中国・ネパール三国合同のサガルマータ(エヴェレスト)登山で頂上から生中継した番組はあって僕もそれは興奮しながら観ていたが、それはバラエティとは毛色が異なる気が)。誰かの登山に帯同して密着するドキュメンタリー番組は竹内洋岳氏やくりっきーなど近年もいくつかあるけど。イモトに「本物のアルピニストではない」とか「We are コメディアン」とか言わせて番組の方向性についてはっきり線引きしたのは良かったと思う。ただそれ、「We are」は「I am」のほうが妥当な気もするが、巻き込まれてしまった周りの方々は仕方ない。

で、登山業界的には最近は山ガールや富士山・高尾山の人気によって「第三次登山ブーム」と言われてもいる良い風潮のなかで、その一助になった感もある今回のイモトの登頂ももちろんおめでたいのだが、今回もっとびっくりしたのが、キリマンジャロ以降の登山の帯同ではヘタレキャラ続きだった石崎史郎ディレクターが今回は意外にも元気だったことで(放送中にツイッターのツイート検索を同時に眺めていると、単に仕事で行っているだけで? 登山が心底好きなのかどうかよくわからない素人丸出しというか庶民的な毒づき加減を見せる「石崎D」も案外、人気だった)、ベースキャンプ入りの前に体重を量ると(やや着衣状態で)90.1kgという、おそらく僕とほぼ同じ体格の彼も登頂したことだ。
(過去に標高4000m以上のところで高山病を多少は体験している)僕もいつも痛感しているが、単純に余計な“重り”をたくさん抱えていることと、運動のさいに酸素と水分をより多く消費しやすくて、かつ空気も低地よりも乾燥している高地ではそのぶん血液の粘度が高まりやすい(=血流が悪くなる)肥満体型は高所登山には不向きだという定説があるが、それを覆した? まさかまさかの結果だったなあ。
垂直移動では岩登りと同様に、高所登山も主に手足の末端の冷えを気にすべき体内の血液循環の個人差によって向き不向き(「才能」の有無、と言い換えてもよさそう)があるとも言われているが、石崎Dは高所向きの体質だということなのだろうか。うーむうーむ。

業界的に今後は、イモトよりも彼に注目したほうがよいかもしれない。今回はたまたま好調だったのかもしれないが、何気にこれまでのイモトの登山に愚痴をこぼしながらもだいたい付いてきているし。山岳専門の媒体はちょいと視点を変えてイモトよりも彼を取材してほしいものだ。特に医学的な観点から。『山と溪谷』と『岳人』は無視しそうなので(でも最近、この老舗2誌でも比較的若い芸能人の登山を取り上げる頻度は高まっているか)、『PEAKS』をはじめエイ出版社の媒体でやってくれることを期待する。

これまでの「芸能人」の括りの登山では最高高度の山頂に達して記録と記憶を大幅に更新したイモトだが(山頂ではなく単純に最高高度としては、今春の「エベチャレ」のなすびの8700m超えだが)、来年以降のエヴェレストはどうなるのかねえ。
まあ現在は芸能人か否かとか登山家か否かとか、ひと昔前よりも肩書きや上意下達の人間関係にあまり囚われずにお金と体力さえあれば高所登山を楽しめるようになってきて敷居も低くなってはいるが(しかしまあ旧来の登山のように、山岳ガイドのようなリーダー格の統率力が必要な隊もある)、あくまでバラエティ番組として、もしくは「芸人」として行くことにこだわって意識してハードルを上げながら臨んでいるのであれば、視る・観るほうもそこは尊重したい。


※同日の追記
更新が滞っていたイモトのブログ、10日と11日にマナスル登山話で更新して、この登山にかかわったメンバーへの謝意を綴っている。もちろんそのなかには石崎Dも含まれる。
で、少々だが追記した。


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2 コメント

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石崎Dについて同感です (Akira)
2013-11-11 15:53:04
が、一方、8000m峰(デスゾーン)と言っても、天候に恵まれれば、有酸素ではその程度の難易度なのかな~などとも思ってしまいますね。もちろん厳しいトレーニングと厚いサポート、資金力があっての上ですけど。

この分だとエベレスト登頂も期待できそうですが、半年前のナショジオに紹介されたエベレストのありさまを見ると、あの渋滞のなかでのテレビ撮影は困難を極めるのでは、などと余計な心配もしてしまいます。
逆に撮影に成功するとエベレスト登山の実態を明らかにする秀逸なドキュメンタリーになるかも。
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あとは (わたる)
2013-11-14 10:15:27
世界最高峰については、ここ2、3年の他局の番組でも実績があり、山岳ガイドや登れて撮れる山岳カメラマンほかスタッフは業界的にだいたい重複していて問題なさそうで、あとはお金の問題だけだと思います。

基本的にはバラエティ番組なものの、なんとなくドキュメンタリーにもなっていた、という、これまでと同様の体でよいと思います。

Akiraさんも頑張って8000m峰に登ってください。
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