第四部 Generalist in 古都編

Generalist大学教員.湘南、城東、マヒドン、出雲、Harvard、Michiganを経て現在古都で奮闘中

病院総合診療医学会のシンポジウムの抄録

2019-06-21 22:44:50 | 総合診療


みなさま、こんにちわ。

One paper per two weeksの原則から大幅に遅れておりますが、髪の量を減らしながら頑張っています。シクシク・・

今日は、病院総合診療医学会のシンポジウムにお呼びいただくことが決まり、好きかってに話していいとの許可がありましたのでCutting edgeになるように頑張ってきたいと思います。。

------------以下抄録です---------------------------------

日本の病院総合医(Hospitalist)の未来は明るい。10年前にそう聞いてこのHospitalistの道へ邁進してきた.

しかし10年経った今、未だ課題は山積みである。数年前から地方国立大学医学部に教員として尽力してきた経験から感得したことがある。

それは、大学病院の臨床、研究、教育の3つの柱のうち特に教育の柱は古く、細く、そして脆いということだ。

米国のHospitalistの躍進は目をみはるものがあるが、その前提としてこの3つの柱がうまく相補的に機能する必要があると考える。

我が国において良きHospitalistを育成をするためには、市中病院の方が臨床と教育の面で親和性が高いことは自明である。その理由として横断的診療に対する医療現場での需要とその供給が一致しているからだ。

しかし研究面ではどうであろうか?これまで我が国の大学医学部では実験基礎医学が重要視されてきた経緯があり、Hospitalistが持つ興味やリサーチクエスチョンとは性質の異なるものが多かった。

欧米諸国で実際にHospitalistが行なっている研究テーマをみれば、治療の有効性を比較する通常の臨床研究だけでなく、診断エラーやHigh Value Care、Choozing Wisely、ポリファーマシー等数多くの医療安全や医療経済学的分野において、そのHospitalistが持つ俯瞰的な視野や視座の特性を活かしたものが非常に多い。

私見では、今後我が国のHospitalistが国レベルで良い影響を及ぼしていくためには、私は上記の3つの柱を確実に大学で有言実行できる人材が必要であると考える。

ではどのようにして、この3つの柱の強化に取り組み、大学で活躍できる人材を育てていくべきか?先行研究を踏まえて言及したい。


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