第四部 Generalist in 古都編

Generalist大学教員.湘南、城東、マヒドン、出雲、Harvard、Michiganを経て現在古都で奮闘中

Society of Hospital Medicineの若き元会長と回診。

2021-12-21 07:11:14 | University of Michigan
みなさま、こんにちわ。
 
三度の飯より、臨床、教育、研究が好きな管理人です。
実は、とても光栄なことに米国のHospital Medicine の聖地にて来ています。
この分野のレジェンドの先生達のところに居候させてもらい、日本で言う病院総合医学と医療の質・安全の勉強と研究もさせてもらっています。
こんなに光栄で、毎日緊張することはもう人生で中々ないと思います。
 
11月はSanjay Saint先生と、12月はScott Flanders先生と毎朝回診しています。
Saint先生は、日本でも極めて有名な先生なので説明は省略しますが、主にSaint先生からは臨床教育とリーダーシップとチームマネージメント、医療の質研究を勉強させてもらっています。
 
Flanders先生はなんと若くして元Society of Hospital Medicineの会長をされていた現役バリバリのレジェンドで、その知識量と研究への意欲はすさまじいです。毎日朝15分は昨日の疑問に回答する論文発表をフランクにおこなっており、ベッド前の若手への何げないティーチングポイントですら全て新しい論文から用して質問してくださるので、自分のレベルの低さに時々情けなくなってしまいます(でも頑張って奮闘中です)。
 
スケジュールとしては、先生方が行う教育手法やスタイル、運営手法の自分との違いも大切に学びながら、大体昼11時過ぎに回診が終わります。それからお昼ご飯は食べずに、14時まではカンファレンスや、レクチャー、医療の質活動や、研究ミーティングに全部出席しているとあっという間に1日が終わっています。
 
そして、夜や週末には大切なNeural GP Networkのマネージメント業務や日本の仕事も多数させていただいているのでいい意味でとても充実しています。
 
さて、今日はFlanders先生との面談でした。米国ではHospital Medicineが凄い速度で発展し今や米国最大の臨床医の集団となりました。若くして会長に就任して、当時(20年前)はいろいろな政治的な問題や診療科のプライドの問題などがあり本当に大変だったとのことでした。Hospitalistが病棟患者を管理することでの入院費用の減少、安全性の向上、患者さんへ提供する医療の質の改善、実際の30日後死亡率や再入院率などの低下、人件費の減少、スタッフのバーンアウトの減少、さらには医学生や研修医へのトレーニング教育の向上など数々のことを研究を行い科学的根拠を持って数字で示し続けてきたとのことでした。そうすれば、病院上層部も、行政側も医療保険会社側も確実に強力な推進力になるはずだと。君たちは今はどの段階ですか?と聞かれた時に、自分はまだ始めたばかりであることしか言えず悔しい思いをしました。
 
それでも米国の病院総合診療の発展を担ってきたレジェンド達とこんなにも気楽に隣で雑談しながら学ぶことができることに幸せを感じています。
 
以上、1ヶ月が終了した感想です。このような感じで、時々活動や研究面での報告をしていこうと思います。もちろん、ぼちぼちすでに発表されつつある我々 NEURAL GP networkの研究成果の方もメンバーや僕の方からここで報告していこうと思います。お楽しみに!