僕のある意味、課外教育方針を180変えられたHarbard Business Reviewの論文。
Dr. Chopra& Dr. Saintの
6 Things Every Mentor Should Do
https://hbr.org/2017/03/6-things-every-mentor-should-do
が出版された衝撃の一冊でした。これを徳田先生が翻訳されたとのことで献本いただきましたのでこっちにも書評を記載しておきます。
貪るように読んでしまった。一言で言うと、本気で悔しい。
書籍を読んで悔しいと感じることはそうそうない。
なぜかと言えば、今までの医師人生で苦労して、本気で悩んだことや、嬉しいこと悲しいこと、研修医や医学生が急激に成長して部分的に自分を超えた瞬間のアノ複雑な心境までも、これまで時間をかけてようやく感得してきた経験値(誰にも言わずにこっそり隠し持っていたもの)を完全に勝手に暴露された気がした。
メンターが行うべき実践手法や考え方、そのいちいち全てが、自分が優れたメンターを観察して苦労して学んだこと、数多くのメンティー達と接した時に生じた悩みや、研修医や医学生が抱えていることが多い相談内容にぴったりとフィットしているのだ。
何を隠そう、大学教員である自分は一時期やる気がない(ように見える?)医学生や研修医に対してすごく悩んだ。
若さゆえの過ちというやつか、誰にでも公平に出来るだけ丁寧な良い教育を!!と鼻息荒く取り組んでいた。結果的に、うまくいかず苦しかった。
しかしある日、作者のDr. Chopra& Dr. Saintが発表した「メンターが心得るべき6つの事」という論文を読んで自分の考えは完全に間違っていたと悟った。その答えは本書の中にあるので、ぜひ手にとって読んでほしい。
そう「メンターはメンティーを選んで良い」のである。そして、「メンティーもメンターを選ばなければならない」のだ。お互いの適切な選び方、効果的な関係性を維持する方法、お互いに離れるべきポイントなど本書の全てがいちいち実体験にマッチしており悔しいのだ。
最後になるが、自分は医師5年目のある日、監訳者である徳田安春先生に誘われ東京ドームのムーミン谷のパン屋さんでメンターメンティーの契り?を結んだ(気がする)。この日は人生の劇的な転換点となった。メンターとメンティーの関係は、プロとしての一人の医師人生を大きく左右する最重要課題である。
しかしながら、これまでその技術的なエッセンス、ノウハウを鋭く突いた本はなかった。この本はベテランも若手も学生も必携必読の医師人生指南の教科書である。