一度は行ってみたいと思っていた小笠原に、念願が叶って行くことができた。
船しか行く方法はなく、それも週に一便、24時間の船旅。
竹芝桟橋から小笠原丸に乗船した。
一番下の階の2等和室だった。
和室でも個人のスペースは区切られていた。
2等和室
この日は波が3メートルくらいあって、船はすごく揺れた。
最初は調子よかったが、東京湾を出る頃になったら、船酔いが始まった。
頭を上げるのさえも辛くなってきた。
あと20時間あまりを耐えなければならない、ただただ寝るだけだった。
あとで聞いたらこんなに揺れたのは滅多にないことだったらしく、島の人も大勢乗っていたがほとんどの人が酔ってしまったらしい。
やっと父島に着いた。
島内の観光を頼んであったので、ガイドさんが待っていてくれた。
まず島に関するレクチャーを受けてから三日月山展望台へ。
ここは島が一望できるスポット。
ここまでの途中には戦争時の弾薬庫などが残っていた。
展望台からの風景
ガジュマルの中の弾薬庫
さすが南国、そこで珍しい花を見た。
ゲットウ(月桃)、まだ蕾。
ガジュマルの森の中を歩いた。
ガイドさんお勧めのフォトスポット
小笠原では宿泊施設が少ないので、最初に宿を確保してから船を予約しないといけないと聞いた。
せっかく船に乗れても島に着いてから宿の空きがないことも多いらしい。
この日の宿はメイン通りにある民宿だった。
そして、夜は昼と同じガイドさんとともに小笠原の夜行性生物を見るツアーに行った。
ガイドさんがあちこち走り回ってくれて、大きなヤドカリ、緑色に光るグリーンペペ(ヤコウタケ)、オガサワラオオコウモリなどを見つけてくれた。
ヤドカリはすごく大きく、道路にも海岸にもたくさんいて、気をつけなければ踏んでしまいそうだった。
グリーンぺぺは木の幹に小さな緑色の光があり、よく見るとキノコ。
回りが暗いので分かるが昼間なら絶対に分からないと思う。
ガイドさんは車を運転しながら森の中のグリーンぺぺを見つけては教えてくれた。
きっとある場所はほとんど同じなのかもしれない。
オガサワラオオコウモリはガジュマルの木にぶら下がっていた。
闇の中での黒いコウモリなので見つからないと思ったが、糞が落ちている場所の上にいるらしい。
その後は「オレンジぺぺ」の愛称がある国立天文台の巨大電波望遠鏡アンテナがオレンジ色にライトアップされているのを見学した。
こんな小さな島にこのような、日本に3ヶ所しかない施設があるのには驚いた。
最後に町の方に戻りトビウオ桟橋のあたりで、サメやエイが普通に泳いでいるところを見てナイトツアーは終了した。
オレンジぺぺのライトアップ
父島での2日目は南島への上陸とイルカ、ホエールウォッチング。
南島は父島の南西にある無人島で、小笠原で一番きれいだといわれている島。
そこはガイドさん同行でなければ上陸できないし、島を保護するためには決められたルート以外を通ることも禁止されていた。
そして島には「扇池」という海の透明度が半端ないビーチもあるという。
こういった禁止事項の多い場所に対しては期待値も大きくなるものなのだが・・・。
南島・この洞窟のような場所の裏側が「扇池」
ところがその日は波が高かった。
南島には桟橋がなく、カヌーで行くか、船から直接岩の上をよじ登らなければならないのだ。
だから波が高いと上陸は無理だと判断された。
こればかりはしょうがないけど、船の中の全員がガッカリした。
そこで、諦めてイルカウォッチングに切り替えた。
波が高いせいかあちこち走ってくれたがなかなか見つからない。
途中、波が静かな湾になっている場所でシュノーケリングをしたりして、その日一日中イルカやクジラを探し回った。
そしてやっとイルカの群れを見つけることができた。
イルカの群れを何回か見てから港に戻った。
夜になって島の人たちが歓迎の会を開催してくれた。
たくさんの観光客と地元の人たちが集まって、島に伝わる踊りを見たり、太鼓の演奏を聞いたりした。
次は母島へ行く予定。
このところずっと波が高い、「ははじま丸」が運行できるかどうか危ぶまれていたが、波が静まるのを願うことしかできなかった。
小笠原は東洋のガラバゴスと言われているくらい植物や動物など固有種が多い。
それらを外来種から守るためにいろいろな取り組みがなされていた。
その規模を見ると、さすが東京都だと思う。
例えば「グリーンアノール」の駆除。
グリーンアノールは別名アメリカカメレオンと呼ばれるトカゲの一種で、繁殖力が強く、肉食のため昆虫などの生態系に大きな影響を与えている。
それを駆除するために木の枝にたくさんのトラップが取り付けられていた。
ゴキブリホイホイを小さくしたような物で、その数がハンパないほどだった。
それを取り付けたり、回収したりするために何人か雇っているらしい。
外来種だけでなく、野良猫も多くなっているらしく、猫の捕獲器もあった。
捕獲された猫は本土に送っているという。
いつも応援していただき、ありがとうございます。
おがさわら丸の二等船室は女性専用の部屋で、一人旅の若い女性が多くて、そこでお互いに仲良くなっていました。
また、リピーターも多いようでした。
チャンスがあったら是非一度行ってみてください。
子どもの頃から憧れの場所です