和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

反日感情のカンドコロ。

2019-11-28 | 短文紹介
板坂元著「考える技術・書く技術」(講談社現代新書)は
1973年に出版されておりました。

今回本棚から取り出して、パラパラとひらいていると、
ああ、こんな箇所があった。

「いつか、大宅壮一が
海外の対日感情の調査旅行から帰って、
『世界中の反日感情を調べて回ったが、
反日感情のいちばん強いのは日本だった』
と警句を吐いたことがある。なるほど、
東南アジアの対日感情が悪くなった今日でも、
日本の総合雑誌ほど日本批判を熱心に
やっているものはほかにはなさそうだ。
けれども、この現象も・・・・・・ずっと時代を
さかのぼって遣唐使のころからの伝統らしい。
外にいつも頭のあがらない文化があるが故の
劣等感、それが裏がえしになった悪口であり
批判であった、と考えられる。
インテリにその現象がはなはだしいのは、
インテリの方が外に対する劣等感を
強く持っているせいであろう。」(p141)

現在のテレビのコメンテーターの
セリフが思い浮かぶような箇所もあります。

「この場合でも、読者は評者といっしょに
局外者として日本を見る立場に立つので、
共通の『われわれ意識』をつくりあげることになる。

手紙を書くとき天候や気候のことを持ち出して
共通の話の場をつくった上で、用件に入るのと
同じふうに、日本の悪口を述べたてて相手を
『だきこむ』作戦もありうるわけである。・・・」
(~p142)

うん。韓国の反日なら、
よそ事のようにして、見ていられるけれど、
日本のなかに、反日がいるとなると、
笑って、見ているわけにはいかなくなる。
歴史をひきずった日本人の反日感情とどう付き合うか?
韓国の反日が、浮き彫りにしてくれているような、
始末に負えない日本人の反日感情を思うにつけ、
改めて、韓国の学者の方々が出版され、日本訳ができた
「反日種族主義」を読んでみなければと思うのでした。



コメント
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