九州地区で徐々に名前が知られつつある少年画家,屋嘉比ひろし君の展覧会に行ってきました。
屋嘉比ひろし君は,現在,奄美大島(龍郷町)の鹿児島県立大島養護学校中学部の1年生。一昨年にはアスペルガー症候群の診断を受けているそうです。
4歳のころには,透視遠近法等の技法を自然に身に付けており,奄美に縁のある田中一村(いっそん)に大きな影響を受けたとのこと。
今回の展覧会は,彼の才能を見出した前村卓巨氏(シュールリアリズム系の画家。田中一村記念美術館の学芸員でもある。)とのコラボレーション。
今回の出品作は,全てCGによるもの。
技術的には,まだまだ未熟さ,粗さが残るものの,原色系のオレンジ,赤,青,
緑etc.を大胆に配置し,視覚にビンビンと訴えかけてきます。
独特の美的感覚から来る,物の配置と配色の斬新さ,彼の作品中でアクセントとして付け加えられることの多い「文字」のセンスの巧みさ,そして,其処此所に登場するアカショウビンのチャーミングなこと!(アカショウビンは,一村の愛した鳥で,一村は数多くアカショウビンの絵を残しています。)
本展覧会では,屋嘉比君が前村氏の絵からインスピレーションを受け,彼独自のアレンジを施して模写した作品群がメインなのですが,いずれの作品も,完全に本歌取りに成功しているように感じました。
屋嘉比君は,前村氏の作品を一度見ただけで,「映像」として記憶し,一気呵成に作品を描いていったそうです。
一種の天才を感じました。
他にも,中島みゆき(お母さんの影響を受けて好きになったそう)や沖縄をモティーフにした作品が沢山平積みにされていましたが,どれもなかなかに新鮮な絵ばかりでした。
屋嘉比君は,奄美では,今年の1月と6月に,田中一村記念美術館で,個展を開いたそうですが,今回が本格的な鹿児島デビューの模様。
いずれ首都圏へもデビューする日が来るのではないかと思いますが,奄美の豊かな自然から刺激を受けて,好きな絵を沢山描いて,スクスクと成長して欲しいものです。
私が画廊を訪れた時にも,屋嘉比君は,アカショウビンを中心に据えた絵をCGで描いていましたが,配色の巧みさに加え,フリーハンドでどんどん描き進め,しかもその造形力の確かなことに,いささか驚きました。
『シュールの競演 前村卓巨vs屋嘉比ひろし展』(天文館画廊(鹿児島市)にて。8月7日まで)
鹿児島にお住まいの方は,是非足を運んでみてください。
なお,過去の個展の模様については,こちらとこちらをご覧下さい。
屋嘉比ひろし君は,現在,奄美大島(龍郷町)の鹿児島県立大島養護学校中学部の1年生。一昨年にはアスペルガー症候群の診断を受けているそうです。
4歳のころには,透視遠近法等の技法を自然に身に付けており,奄美に縁のある田中一村(いっそん)に大きな影響を受けたとのこと。
今回の展覧会は,彼の才能を見出した前村卓巨氏(シュールリアリズム系の画家。田中一村記念美術館の学芸員でもある。)とのコラボレーション。
今回の出品作は,全てCGによるもの。
技術的には,まだまだ未熟さ,粗さが残るものの,原色系のオレンジ,赤,青,
緑etc.を大胆に配置し,視覚にビンビンと訴えかけてきます。
独特の美的感覚から来る,物の配置と配色の斬新さ,彼の作品中でアクセントとして付け加えられることの多い「文字」のセンスの巧みさ,そして,其処此所に登場するアカショウビンのチャーミングなこと!(アカショウビンは,一村の愛した鳥で,一村は数多くアカショウビンの絵を残しています。)
本展覧会では,屋嘉比君が前村氏の絵からインスピレーションを受け,彼独自のアレンジを施して模写した作品群がメインなのですが,いずれの作品も,完全に本歌取りに成功しているように感じました。
屋嘉比君は,前村氏の作品を一度見ただけで,「映像」として記憶し,一気呵成に作品を描いていったそうです。
一種の天才を感じました。
他にも,中島みゆき(お母さんの影響を受けて好きになったそう)や沖縄をモティーフにした作品が沢山平積みにされていましたが,どれもなかなかに新鮮な絵ばかりでした。
屋嘉比君は,奄美では,今年の1月と6月に,田中一村記念美術館で,個展を開いたそうですが,今回が本格的な鹿児島デビューの模様。
いずれ首都圏へもデビューする日が来るのではないかと思いますが,奄美の豊かな自然から刺激を受けて,好きな絵を沢山描いて,スクスクと成長して欲しいものです。
私が画廊を訪れた時にも,屋嘉比君は,アカショウビンを中心に据えた絵をCGで描いていましたが,配色の巧みさに加え,フリーハンドでどんどん描き進め,しかもその造形力の確かなことに,いささか驚きました。
『シュールの競演 前村卓巨vs屋嘉比ひろし展』(天文館画廊(鹿児島市)にて。8月7日まで)
鹿児島にお住まいの方は,是非足を運んでみてください。
なお,過去の個展の模様については,こちらとこちらをご覧下さい。
才能は,生かすも殺すも環境次第。
是非,ひろしさんの才能がより良く伸びるよう祈っています。
彼の絵のとりこになった人のひとりとして、才能を見つけてくれた学芸員さんにお礼をいいたい気分です。
自分自身にも,あんな風にとり憑かれたように何かをする瞬間が来るのかな,とふとそんなことを思いました。
私は偶々天文館の画廊を訪れることができたのですが,その一隅で一心不乱にパソコンで絵を描く彼の姿を見たとき,ただ者ではないと感じました。