vagabond の 徒然なるままに in ネリヤカナヤ

エメラルドグリーンの海,溢れる太陽の光,緑の森に包まれた奄美大島から,乾いた心を瘉す写真をお届けします。

草間彌生と芸術と英語

2005-01-26 01:20:47 | 英語
私は,あまりテレビは見ません。
が,NHKの「英語でしゃべらナイト」だけは,欠かさず見ています。基本的には英語バラエティで,ふざけたインタビューも多いのですが,毎回のゲストの下積み経験を踏まえた含蓄のある話が好きなのです。
ブロードウェイで「THE WINDS OF GOD」(「神風」。お笑い芸人がタイムスリップして神風特攻隊に巻き込まれるというお話)を上演した今井雅之のインタビューで,楽屋で,従兄弟が特攻隊に攻撃されて亡くなった米国人から,「特攻隊のことは今まで大嫌いだったが,劇を見て同じ人間の悲しみを感じた」と言われたとのエピソードには,思わずホロリと来たりしたものです。

ところで,先日の放送では,(メインゲストではないものの)草間彌生さんが登場。あの偉大な芸術家の草間さんが,ほとんど日本語そのものではないかと思われるぐらい,抑揚がなく,しかも単語を一言一言分かり易く,それでいて伝えたいことが次から次へと溢れてくるといった具合に英語で語られる姿を見て,「嗚呼,この人はこの語学力で,一時はアメリカを席巻したんだ。何を伝えるかが重要なんだ,結局」と,しみじみと感じ入ってしまった(そんな当たり前のことをしみじみ感じるほど,凄い英語でしたよ!)。
また,画廊から画廊へ,絵を売り歩いても買ってくれず,公園の鳩を見るうちに空腹に耐えかねて,鳩が啄むパンを横取りしたとのエピソードには,ジーンと来た。修羅場を耐え凌いでこそ,人間が大きくなるのだと感じました。
番組での草間さんの最後の言葉は,大切なのは"courage(勇気)"。

勇気を持って飛び込んでみようか,新しい世界へ。