6日が出社だったため10連休とはなりませんでしたが、今年のGWはオーディオ、山、家族サービスと、毎日のように出かけたので慌ただしかったです。オーディオの方は、五つのお宅を訪問することなりました。最初の訪問先は大田区Yさん(以下Yさん)で、Phileweb経由でお誘いをいただきました。私と同様AIT DACを使用されていることも、その背景にあったようです。Yさんは最近定年退職されたこともあり、長年続けてきたオーディオに、より時間を割けるようになりました。お宅のある蒲田は京浜東北線ではよく通るのですが、実際に下車して街に出るのは、意外にも初めてかも知れません。
待ち合わせ後、お宅のある駅近くのマンションへ。早速、7、8畳ほどのオーディオ専用部屋へ通していただきました。今回訪問のハイライトは何と言ってもダリの平面SP、ダリダカポ・プレナー・1です。これまで多くのお宅を訪問していますが、平面SPの音を聴くのは今回が初めてでした。結果から言うと形成される音場は、意外にも拙宅のそれと類似していて、違和感が全く無かったです。Yさんは、特にSPの後方に展開される音場に拘りを持たれていました。音を追求する過程でクラシックを聴く頻度が上がったとも伺いました。この点も私自身と共通しています。
午前からのお邪魔になりましたが、長い、またある意味マニアックなオーディオ経歴のお話を聞かせていただき、午前中の音楽再生は控えめでした。お出かけから戻られた奥様と3人で、お宅で釜飯をいただきました。3種の釜飯の中から私が選んだのは、鮭の親子です。話をして直ぐ、奥様のオーディオへのご理解があることが分かりました。お知り合いのヴァイオリニストの演奏を録音して、オーディオで聴くこともあるそうです。録音担当は勿論、Yさんです。オーディオを円満に続づけるヒントですね。
Yさんはもう10年近くデジタルファイル再生に取り組まれています。PCオーディオやネットオーディオが一気に広まったのは7、8年ほど前ですから、かなり早い段階から取り組まれてたことになります。当初はヤマハのHDプレイヤーを使っていたそうですが、音源が増えるに連れて台数を増やさねばなりませんでした。ジャンル毎にプレイヤーを用意するのは現実的ではありません。その後、PCでの再生に移行し、現在は、DELLのデスクトップPCを使われています。オーディオルームでも問題ないほど、とても静かなPCでした。
音源はPC内蔵のハードディスクに管理されています。アルバムのジャケットの画像を頼りに音源を探します。再生はPC上にあるソニーのXアプリというソフトで行います。たいていはクラシックの音源だったでしょうか?私はほぼ聴きませんが、ブルックナーがお気に入りのようでした。
PCからUSB-DDCを介してデジタル信号を、AIT LABOのDACへ送っています。これまで他のDACも使われてきましたが、AIT DACにして音の分離や空間表現が改善されクラシック再生が楽しくなったそうです。他の機器もそうですが、SP以外はガレージメーカー、もしくは自作ファンの方の作品を多く使われています。
プリアンプは山崎さんという方の作品、パワーアンプは業務用のクラウンというメーカーの製品です。この日までクラウンの存在は知りませんでした。その後、Philewebつながりのキタサンさんもクラウンのプリアンプを使われていることが分かりました。業務用ということもあり、パワーアンプにボリュームがついてますね。プリのボリュームは調整が微妙で、ずれると復旧が大変とのこと。専らPC側のデジタルボリュームで音量をコントロールされていました。音量レベルの強いPOPS系ではデジタル側で絞ります。クラシック系はフルボリュームとは言え、この点は気になりました。
さて、ダリダカポ・プレナー・1です。分類では背面開放型リボン・ハイブリッドタイプとのことです。平面SPというとマグネパン、マーティン・ローガンといったハイエンド品のイメージが強いですが、それももう四半世紀前のオーディオ誌を通じての印象です。その当時、デンマークのダリが平面SPを世に出していたことは全く知りませんでした。オーディオ評論家の傅信幸さんが、平面SPの代名詞と言えるアポジーを使わていました。傅さんの文章にしばしばSPが消えるという表現が出てきます。SPを消すことは私自身も好むところです。平面SPの音は聴くまで想像外でしたが、聴いてみたら馴染みの音だった・・・面白いです。
Yさんは音場後方派です。理想の音場が形成されるまで、SPのセッティング(内振り、仰角)やDACの選定など試行錯誤がありました。演奏会場や録音への関心が高く、再生でそれらの違いを表現することを意識されていました。演奏会場ではシューボックス型をお好みです。「後方コーナーの角はつぶすべきでない」は、Yさんのご持論です。オーディオ部屋でもそれを実践されていました。音が粗くても60、70年代の音源がいいという話になり、ヨッフムのブルックナーを聴かせていただきました。同じハイティンク&シカゴ交響楽団でも録音によって音場の違い(つまらなくなる)例も分かりやすかったです。
ヴォーカルの定位もちょうど後方のガラス窓あたりで、拙宅の後方の壁あたりと類似します。平面SPの外観からイメージしにくいですが低域もしっかり出るものですね。音色ではピアノが全般に好印象でした。適度な潤いが加わったピアノは癖になりそうで、当方からリクエストにもその傾向が出たかも知れません。Fazioliはイタリアのピアノだそうです(汗)。
ダリダカポ・プレナー・1を理想の音で鳴らすための拘り・・・Yさんのオーディオ歴を表現するとこうなるでしょうか。東日本大震災では部屋の長辺方向の揺れが強く、SPが倒れてしまったそうです。幸い、音は従来通り出て現在に至っています。Pro-Cableで紹介されていた、ベルデンのSPケーブルの長さ調節によるトーンコントロール(音の焦点調節)についても、ケーブル長さに依らない独自の方法を見い出されました。演奏会場の再現への拘りも同様ですね。マイクの高さが再生音に現れる件は、当方の理解も実感も及ばなかったので、是非、続きをお願いします。
帰り際に、新潟の「緑川」という珍しいお酒を紹介いただきました。これは常温で飲むのがいいそうです。とてもマイルドな味わいでした。ずいぶんと長居してしまいました。酌が進みそうなところを抑えて横浜に戻りました。今度の拙宅では、音場にフォーカスしながら進めましょうか。一応、角はつぶしていないというか、手をつけておりませんので(笑)。
待ち合わせ後、お宅のある駅近くのマンションへ。早速、7、8畳ほどのオーディオ専用部屋へ通していただきました。今回訪問のハイライトは何と言ってもダリの平面SP、ダリダカポ・プレナー・1です。これまで多くのお宅を訪問していますが、平面SPの音を聴くのは今回が初めてでした。結果から言うと形成される音場は、意外にも拙宅のそれと類似していて、違和感が全く無かったです。Yさんは、特にSPの後方に展開される音場に拘りを持たれていました。音を追求する過程でクラシックを聴く頻度が上がったとも伺いました。この点も私自身と共通しています。
午前からのお邪魔になりましたが、長い、またある意味マニアックなオーディオ経歴のお話を聞かせていただき、午前中の音楽再生は控えめでした。お出かけから戻られた奥様と3人で、お宅で釜飯をいただきました。3種の釜飯の中から私が選んだのは、鮭の親子です。話をして直ぐ、奥様のオーディオへのご理解があることが分かりました。お知り合いのヴァイオリニストの演奏を録音して、オーディオで聴くこともあるそうです。録音担当は勿論、Yさんです。オーディオを円満に続づけるヒントですね。
Yさんはもう10年近くデジタルファイル再生に取り組まれています。PCオーディオやネットオーディオが一気に広まったのは7、8年ほど前ですから、かなり早い段階から取り組まれてたことになります。当初はヤマハのHDプレイヤーを使っていたそうですが、音源が増えるに連れて台数を増やさねばなりませんでした。ジャンル毎にプレイヤーを用意するのは現実的ではありません。その後、PCでの再生に移行し、現在は、DELLのデスクトップPCを使われています。オーディオルームでも問題ないほど、とても静かなPCでした。
音源はPC内蔵のハードディスクに管理されています。アルバムのジャケットの画像を頼りに音源を探します。再生はPC上にあるソニーのXアプリというソフトで行います。たいていはクラシックの音源だったでしょうか?私はほぼ聴きませんが、ブルックナーがお気に入りのようでした。
PCからUSB-DDCを介してデジタル信号を、AIT LABOのDACへ送っています。これまで他のDACも使われてきましたが、AIT DACにして音の分離や空間表現が改善されクラシック再生が楽しくなったそうです。他の機器もそうですが、SP以外はガレージメーカー、もしくは自作ファンの方の作品を多く使われています。
プリアンプは山崎さんという方の作品、パワーアンプは業務用のクラウンというメーカーの製品です。この日までクラウンの存在は知りませんでした。その後、Philewebつながりのキタサンさんもクラウンのプリアンプを使われていることが分かりました。業務用ということもあり、パワーアンプにボリュームがついてますね。プリのボリュームは調整が微妙で、ずれると復旧が大変とのこと。専らPC側のデジタルボリュームで音量をコントロールされていました。音量レベルの強いPOPS系ではデジタル側で絞ります。クラシック系はフルボリュームとは言え、この点は気になりました。
さて、ダリダカポ・プレナー・1です。分類では背面開放型リボン・ハイブリッドタイプとのことです。平面SPというとマグネパン、マーティン・ローガンといったハイエンド品のイメージが強いですが、それももう四半世紀前のオーディオ誌を通じての印象です。その当時、デンマークのダリが平面SPを世に出していたことは全く知りませんでした。オーディオ評論家の傅信幸さんが、平面SPの代名詞と言えるアポジーを使わていました。傅さんの文章にしばしばSPが消えるという表現が出てきます。SPを消すことは私自身も好むところです。平面SPの音は聴くまで想像外でしたが、聴いてみたら馴染みの音だった・・・面白いです。
Yさんは音場後方派です。理想の音場が形成されるまで、SPのセッティング(内振り、仰角)やDACの選定など試行錯誤がありました。演奏会場や録音への関心が高く、再生でそれらの違いを表現することを意識されていました。演奏会場ではシューボックス型をお好みです。「後方コーナーの角はつぶすべきでない」は、Yさんのご持論です。オーディオ部屋でもそれを実践されていました。音が粗くても60、70年代の音源がいいという話になり、ヨッフムのブルックナーを聴かせていただきました。同じハイティンク&シカゴ交響楽団でも録音によって音場の違い(つまらなくなる)例も分かりやすかったです。
ヴォーカルの定位もちょうど後方のガラス窓あたりで、拙宅の後方の壁あたりと類似します。平面SPの外観からイメージしにくいですが低域もしっかり出るものですね。音色ではピアノが全般に好印象でした。適度な潤いが加わったピアノは癖になりそうで、当方からリクエストにもその傾向が出たかも知れません。Fazioliはイタリアのピアノだそうです(汗)。
ダリダカポ・プレナー・1を理想の音で鳴らすための拘り・・・Yさんのオーディオ歴を表現するとこうなるでしょうか。東日本大震災では部屋の長辺方向の揺れが強く、SPが倒れてしまったそうです。幸い、音は従来通り出て現在に至っています。Pro-Cableで紹介されていた、ベルデンのSPケーブルの長さ調節によるトーンコントロール(音の焦点調節)についても、ケーブル長さに依らない独自の方法を見い出されました。演奏会場の再現への拘りも同様ですね。マイクの高さが再生音に現れる件は、当方の理解も実感も及ばなかったので、是非、続きをお願いします。
帰り際に、新潟の「緑川」という珍しいお酒を紹介いただきました。これは常温で飲むのがいいそうです。とてもマイルドな味わいでした。ずいぶんと長居してしまいました。酌が進みそうなところを抑えて横浜に戻りました。今度の拙宅では、音場にフォーカスしながら進めましょうか。一応、角はつぶしていないというか、手をつけておりませんので(笑)。