2月も早くも折り返しとなり、何か今年もどんどん日が過ぎている気がします。神奈川県は引き続き緊急事態宣言、継続中です。会食は勿論、オフ会やグループでの登山も控えています。横浜は連日晴天続きで、この土日は春到来を思わせる暖かさです。さて、大河ドラマの「麒麟が来る」が漸く終了となりました。一時期はどうなるかと心配されましたが、最後の最後まで楽しめた作品でした。途中、ブランクは3ヶ月くらいあったでしょうか?結末(本能寺変)は分かっていても、プロセスの描き方はいろいろですね。
久々に音楽の話題です。フォーレの「パヴァーヌ 」(Pavane Op.50)という6~7分ほどの曲を取り上げます。
2019年の秋のオフ会で、BTさんが拙宅に持ち込んだ音源の中にこの曲がありました。フォーレと言うと、クラシックに詳しくない方でもレクイエムやシシリエンヌはご存じかと思います。恥ずかしながら私自身はパヴァーヌを知らなかったのですが、一聴で、気に入ってしまい、以後、繰り返し聴いてきました。その後、別のアーティストの作品も購入、コロナに明け暮れた2020年も、よく聴きました。
BTさんが持ち込まれたのは、ボストン交響楽団/小沢征爾の演奏でした。おそらく「パヴァーヌ」を聴ける盤としては一番有名だと思われます。この曲は旋律の美しさが魅力ですが、オーディオ目線でも楽しめます。短い時間の中にオーディオで管弦楽を楽しむ要素が詰まっているのです。冒頭のピッツィカート からフルート、木管楽器と続く場面では音色に、弦楽器や合唱では音場の広がりや重厚感に惹きつけられてしまいます。MFPC導入前後の、リファレンス曲としても何度再生したことでしょうか。
こちらは、ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団 /ジャン・フルネの演奏です。録音は75年です。デジタルリマスタリングされたドイツ盤を購入しました。合唱が無く全体的に速めのテンポで進みます。5分15秒で終わってしまうので、せわしない感じがしないでもありませんが、合唱が無い分、管楽器と弦楽器の対比がより明確になります。この盤には「レクイエム」、「ペレアスとメリザンド」とフォーレ中期の名曲もセットで入っています。ちなみに「レクイエム」の中の「ピエ・イエス」を歌っているのがアメリングです。
昨年の来日を楽しみしていたソル・ガベッタでしたが、結局、コロナで初ライブは叶いませんでした。歌曲を題材にした『cantabile』の中に、パヴァーヌが入っています。本来は管楽器が受け持つパートを、ソル・ガベッタがチェロで奏でます。とても軽快で歌心溢れるチェロと、プラハ・フィルハーモニー管弦楽団との掛け合いに、オリジナルの編成を聴いているような感覚になります。別盤ですがソル・ガベッタには、モーツァルトのフルート協奏曲をチェロ向けに編曲した作品もあり、やはり颯爽としたチェロを聴けます。
最期は番外編です。ビル・エバンスがオーケストラと組んだ『WITH SYMPHONY ORCHESTRA』に「パヴァーヌ」が入っています。録音のせいなのか、全般的に弦楽器が固い感じがするのが残念ですが、あくまでもジャズの盤ということで。バッハやショパンも取り上げられていますが、エバンス自身の曲の方が自然に聴こえました。「パヴァーヌ」は原曲の旋律を弾く部分より、自由に弾くところが断然良かったです。クラシックの曲はクラシックの演奏で、ジャズの曲はジャズで聴いた方がいい、という当たり前の結論となりました。